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地獄のコマンド [ビデオで観て面白すぎたので]

2005-05-15 22:55:36 | ビデオ・DVD・テレビ放映での鑑賞
まず邦題のセンスが良すぎます。最初の三文字で女性客の95%くらい失っています。残りの5%は、「彼氏の付き合いで仕方なく見た」「家に帰るとお父さんが日曜洋画劇場で見ていた」「私はとにかくどんな映画も見ることにしている」という女性たちでしょう。
さて、この映画はチャック・ノリス大先生主演による85年ころの作品でいまや古典的名作といってもいいくらいです。
念のため"チャック・ノリス"について説明しましょう。
白人
小柄
特徴:ひげ面
特技:空手
性格:寡黙でふてぶてしい。


以上でチャックの全てを語ったと言っていいでしょう。

監督はジョセフ・ジトーです。たしか「レッド・スコルピオン」の監督だったと思います。
脚本にチャックが名を連ねていました。この映画の脚本はものすごいです。小さなエピソードの積み重ねで、一つ一つのエピソードにあまり関連がありません。どのようなエピソードかと言えば、「テロリストが市民を殺そうとする」_「そこにチャックが現れ、テロリストを皆殺しにする」
・・・というそれだけのものがいくつか延々続いて、最後ボスとの対決です。チャックは計算してこのような構成にしたのでしょうか?単にシナリオの構成力がなかっただけなのでしょうか?いずれにせよ、この短編映画の積み重ねのような構成が、この作品に深い感動を与えており、結果として大成功だったと言えましょう。

この映画はアクション映画のヒーローのあり方を分かりやすく提示しています。
(1)ヒーローは悪を殺す前に決め台詞が必要である。
(2)ヒーローは悪を躊躇なく殺さなくてはならない。
(3)ヒーローは市民の迷惑や人質の安全など考慮してはならない。
・・・とても不思議なことですが、以上3つの条件は、そのままアクション映画における悪党の条件になってしまいます。ヒーローと悪は表裏一体なんだ!!と、勝手に悟った気がしてきました。
なんにせよ、この映画はスタ・シュワ・ヴァン・セガ・ドルらの映画のひな形となっている気がします。
時期的にスタとはだぶってるか?

たかが地獄シリーズ第一作に書き過ぎですね。
でも、いくら書いても、この映画からうけた深く激しい感動を表現できません。
いくつか名台詞を書いて終りにします。
・・・・・
情報屋「地獄で待ってるぜ」
チャック「手紙を出せ」
・・・・・
チャック「今度現れたら、泣くまでパンチを浴びせるぞ」
・・・・・
チャック「喋れるか?」
ひん死のテロリスト「★×□☆◎」(スペイン語)
チャック「だめか」
ドガガガガガ(チャックのマシンガンの音)
・・・・・
スクールバスに仕掛けられた爆弾をはずし、敵の車に追い付いたチャック
チャック「忘れ物だぜ」
ズドーン(炎上する敵の車)
・・・・・
逮捕された連行中のチャックにTVのレポーターがコメントを求める。(全米生中継)
チャック「次はお前の番だ。夜目を閉じて、朝目覚めると俺が立っている。死んでもらうぜ」
その番組を見てた敵のボス、怒り狂う。


(以上の記事は、何年か前に山形大学映画研究会のHPに寄稿したものです)

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2 コメント

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興味わきました。 (あかん隊)
2005-05-16 04:13:00
とてもおもしろく拝読いたしました。

分析が、おもしろいですね。>ヒーローの条件

なんか、台詞が日本語になると、劇画チックで

文字だけ読むと笑いそうになっちゃうのは、なぜでしょう。特に「~だぜ」なんて、普段いう人はいませんよね?
返信する
TBありがとうございます。 (ベロベーマン)
2005-05-19 14:53:12
チャックの映画は、無声映画(BGMは必須)でも観れてしまうような感じがします。
返信する

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