スポーツヲタクの独り言

目指せ毎日アップ。ひねくれものの独白、ぜひ見てね!

ハニカミ王子へのアシストと経費節約。一石二鳥の競技短縮も実らなかったフジサンケイC

2007年09月02日 22時41分35秒 | スポーツ一般
石川遼(15=杉並学院1年)が、「恵みの霧」でプロツアー2連勝へ夢を膨らませた。首位に3打差6位からスタートし、1番をパーで終えた直後に濃霧中断、そのままサスペンデッドになった。大会は54ホール競技に短縮され、今日2日に第3ラウンド残りホールを行い、最終順位を争う。石川にとっては、ツアー屈指の難コースで好位置をキープしたまま、残り17ホールでの短期決戦。逆転優勝への意欲は隠さず、偉業に挑戦する。
 石川が絶好の位置、最高のモチベーションで残り17ホールの大勝負に臨む。「6位にいるプロは、みんな(優勝を)狙えると思っている。そんな気持ちを邪魔しないように、失礼にならないように、自分も同じ思いでプレーします」。中途半端な気持ちではなく、優勝を狙っていくことを、堂々と宣言した。
 この日は、霧を呼んだ。2番ティーグランドから見下ろすグリーンが、みるみる白くかすんでいった。石川の勝つ大会には、何かが起こる。5月マンシングウェアKSB杯では、初日が中止になるほどの強風が吹いた。8月日本ジュニアでは、国内最高となる40・9度の猛暑だった。競技の短縮には「やりたかったです。1打1打で大きな経験が積めますから」と悔しがった。だが、すぐに「残り17ホールを首位に3打差で迎えられるなんて、本当にすごいことだと思います」と無邪気に喜んだ。
 5月とは境遇が違う。最終日36ホールの強行軍で優勝を勝ち取った前回は、重圧とは無縁の無名アマで、無欲に攻めまくってバーディー合戦を制した。「今回も36ホールできると思う。でもこの難しい条件の中では、体力勝負じゃない」。36ホールの7打差より、今回の17ホールの3打差の方が頂点に近い。しかも、最終日より難度が低い3日目のピン位置のまま競技が続けられるため、より勝機が生まれる。
 この日も天を味方に付けていた。1番で第1打を大きく左に曲げたが、OBライン直前の大木に当たり、大きくはねてバンカーに止まった。選手会長の深堀に「君には、本当に何かあるね」とあきれ顔で言われるほど。母由紀子さん(39)は「今週もラッキーなことが2、3回はありました。今日は『霧を呼ぶ男』ですか? かっこいいですね」と石川そっくりの目を細めた。ゴルフの神様に見守られた遼クンが、偉業を再現する。


放送時間の都合が理由で18ホール短縮したフジサンケイクラシック。最終日に36ホールやられたら、「スーパー競馬」に障るということらしい。スポンサーと放送局がイコールでは、文句も言えないのだろうか。
しかし、フジテレビの思惑は、それほど単純でもなかろう。ハニカミ王子こと石川遼が出場するのだから、この目玉商品をフィーチャーしないわけにいかない。幸いなことに2ラウンド終了時にトップと3打差という好位置につけている以上、さらに上位を目指してもらいたいと願うのが人情だ。
濃霧で中断は、予期せぬアクシデント。普通なら中断分を最終日にまとめてプレーするべきなのだろうが、3打差を35ホールで追わせるより、短期決戦の17ホールで追わせるほうが得策と踏んだのだろう。そして何より支払う賞金を25%も節約できるのだから、ごり押ししない手はないだろう。
ま、何にせよ大人たちを動かすだけの実力やスター性を備えているのは紛れもない事実だ。TBSのような汚い手を使って接近を試みるより、こういう形でジワッと恩を売っておいたほうが、先々が楽しみだろう。
残念ながら思惑と違って15位に終わったハニカミ王子だが、非凡な才能の片鱗は十二分に披露された。身体も大きくなっているようだし、女子プロに押されっ放しの男子ツアーの救世主となる日もそう遠くなさそうだ。