常人には理解しがたい必殺技の数々から伝説となった“超人格闘技野球漫画”が、テレビドラマとして初めて実写化されることになった。
テレ朝では、今季のプロ野球放送の演出の目玉として「アストロ球団」のアニメを使用。同漫画がアニメ映像化されたのは初めてで、視聴者から「まさかアストロ?」の問い合わせが殺到。その反響の大きさから実写ドラマ化を決定した。
キャスト選考では、同局の野球解説者の東尾修氏、村田真一氏が審査員でオーディションを実施。制作サイドの「野球をしっかり見せたい」という意向で、バッティングなど野球の技術に重点をおいた審査を行った。
約100人が挑んだオーディションの中から、主役の球一には中学まで野球経験のある林剛史が決定。2代目球二「那須球太」には帝京で1998年に甲子園出場した経験のある関泰章(24)。西武・松坂大輔投手の横浜高時代の1年先輩で、バッテリーを組んだことのある上地雄輔(26)が「三荻野球五」に選ばれた。また、球団を率いる謎のフィリピン人監督「J・シュウロ」には千葉真一が決まった。
同漫画には、バットの破片で相手の守備を撹乱(かくらん)させる「ジャコビニ流星打法」など超人技が多数登場する。ドラマではCGは最小限に抑え、ワイヤアクションなどで、できるだけ生身で演じることを目指すという。
原作者の遠崎氏は「アストロで言いたかったことは、とにかく命をかけて一生懸命やっている、そこにこそ価値があるということ。先が見えない時代にアストロ球団が復活するのは、とても意味のあることだと思う」とコメントしている。
ドラマの時代設定も漫画と同じ70年代で、長嶋茂雄さん、川上哲治さん、故・沢村栄治さんら実在の選手の役も登場する予定。現役の大物プロ野球選手の出演も交渉中。テレ朝系深夜ドラマで8月中旬スタート予定だが、CSの「スカイパーフェクTV!」では8月上旬から一足早く放送する。
「エースをねらえ!」や「アタック№1」で味を占めたテレビ朝日が次に選んだのが「アストロ球団」とは驚きだ。
野球マンガに名作は数々あるが、ここまで荒唐無稽な作品もない。目指すところは野球版の「少林サッカー」というところか。
しかし、試合中に公然と殺人が行われたり、メンバーが最後まで揃わなかったりとストーリーには無茶が多すぎる。この作品の面白さが実写で伝わるのだろうか?
ま、この際徹底的にデフォルメを施してばかばかしいまでの娯楽作品にして欲しいものだ。野球人気の低迷が叫ばれている昨今にあっては、こういうドラマであっても野球が取り上げられることは重要なこと。現役選手や球団の協力にも期待したいものだ。
でも、あの外野守備なんて、どうやって表現するんだろう?