望みはつないだ。コンフェデレーションズカップ1次リーグ第2戦、日本代表(FIFAランク18位)は19日、フランクフルトのバルトスタジアムで欧州王者のギリシャ代表(同13位)と対戦し、1―0で今大会初勝利を挙げた。後半31分に途中出場のFW大黒将志(25=G大阪)がゴール。反撃をしのいで勝ち点3を奪った。弾みをつけた日本代表は22日に決勝トーナメント進出を懸け、南米王者のブラジル代表(同1位)と対戦する。
欧州王者のギリシャを相手に、ジーコジャパンは途切れることなく攻め立てた。気温32度。ドイツには30万人以上のギリシャ系移民がおり、この日のバルト・スタジアムもギリシャ・サポーターで埋まった。「ヘラス!ヘラス!」(ギリシャの意味)の大声援がわきおこる“アウエームード”の中、日本はおくすることなくゴールを狙った。
3月25日のイラン戦以来となる4―4―2の布陣で臨むと開始直後から激しいプレスで主導権を握る。そして、最初のシュートは前半8分。5月22日のペルー戦以来4試合ぶりの先発出場となった玉田が放った。
ギリシャはDFキルヤコスの1メートル92を筆頭に長身ぞろいで、先発11人の平均身長では1メートル76・8の日本を6・5センチ上回るが、玉田にとってはかえって好都合。「相手のDFが大きいのは分かっているけど、相手に合わせるんじゃなくて、自分のリズムでやるのが大事。自分の持ち味を出せればいい」とボールを持つたびに勝負を仕掛け、ゴールを狙った。
そして、前半最大のチャンスは36分。柳沢と玉田は初めて2トップを組んだとは思えない絶妙のワンツーを見せた。玉田の壁パスを受けた柳沢には利き足の右足のシュートコースがあったが、トラップしている間に相手に詰められた。しかし、ゴールを目指す意識は誰もが高かった。メキシコに敗れたショックはなかった。
進境著しい加地が積極的にシュートを放ち、ボランチの中田は前線が好調と見るやオーバーラップを自重してつぶし役に徹した。後半は立て続けに選手交代したギリシャに攻め込まれる場面もあったが、日本のチャンスも続いた。
どうしても白星が欲しいジーコ監督は後半21分、玉田に代えて好調の大黒を投入。ドラマはその大黒がつくる。後半31分、福西の縦パスを相手DFが中途半端なクリア。中村が大黒に最高のスルーパス。大黒の右足シュートはDFの股を抜いてゴールに吸い込まれた。
大黒様パワーでもぎ取った1点で、ジーコジャパンの欧州との対戦成績は5勝2分け3敗となった。さあ、次は世界王者のブラジル。母国と対戦するジーコ監督にとって、イレブンにとって、最高の敵に挑む準備は整った。
メキシコ戦で高さにやられた日本代表。中澤の不在が響いた形だが、それを解消する手立てが4バックだった。サイドからのクロスに対して高さで対抗できない日本が4バックでサイドを固めた結果、守備が有効に機能したのだろう。また、逆に加地・アレックスが機を見て上がっていくことも攻撃に有効だった。
中盤の構成も現状のベストのようだ。FWは大黒の起用法をどうするかだろうが、次戦は先発で使って欲しいものだ。
このクラスの選手であれば、システムの変更程度で右往左往していてはいけない。しっかりとしたスカウティングに基いたベストの選択をして、それをしっかりこなしてこそ代表選手というものだ。
この一戦だけで、ジーコ最高! と評価するのは早計。キリンカップ前から約1ヶ月、チームとしてのコミュニケーションが高まったことが今回につながったとも考えられる。
本番のW杯でも、トップシード国と決勝トーナメントを賭けて対戦するケースがありうる。ブラジル相手にそのシミュレーションができるのはまさに僥倖。勝敗はともかく(勝つに越したことはないけど)「勝ち負けになる」試合をして欲しいものだ。
欧州王者のギリシャを相手に、ジーコジャパンは途切れることなく攻め立てた。気温32度。ドイツには30万人以上のギリシャ系移民がおり、この日のバルト・スタジアムもギリシャ・サポーターで埋まった。「ヘラス!ヘラス!」(ギリシャの意味)の大声援がわきおこる“アウエームード”の中、日本はおくすることなくゴールを狙った。
3月25日のイラン戦以来となる4―4―2の布陣で臨むと開始直後から激しいプレスで主導権を握る。そして、最初のシュートは前半8分。5月22日のペルー戦以来4試合ぶりの先発出場となった玉田が放った。
ギリシャはDFキルヤコスの1メートル92を筆頭に長身ぞろいで、先発11人の平均身長では1メートル76・8の日本を6・5センチ上回るが、玉田にとってはかえって好都合。「相手のDFが大きいのは分かっているけど、相手に合わせるんじゃなくて、自分のリズムでやるのが大事。自分の持ち味を出せればいい」とボールを持つたびに勝負を仕掛け、ゴールを狙った。
そして、前半最大のチャンスは36分。柳沢と玉田は初めて2トップを組んだとは思えない絶妙のワンツーを見せた。玉田の壁パスを受けた柳沢には利き足の右足のシュートコースがあったが、トラップしている間に相手に詰められた。しかし、ゴールを目指す意識は誰もが高かった。メキシコに敗れたショックはなかった。
進境著しい加地が積極的にシュートを放ち、ボランチの中田は前線が好調と見るやオーバーラップを自重してつぶし役に徹した。後半は立て続けに選手交代したギリシャに攻め込まれる場面もあったが、日本のチャンスも続いた。
どうしても白星が欲しいジーコ監督は後半21分、玉田に代えて好調の大黒を投入。ドラマはその大黒がつくる。後半31分、福西の縦パスを相手DFが中途半端なクリア。中村が大黒に最高のスルーパス。大黒の右足シュートはDFの股を抜いてゴールに吸い込まれた。
大黒様パワーでもぎ取った1点で、ジーコジャパンの欧州との対戦成績は5勝2分け3敗となった。さあ、次は世界王者のブラジル。母国と対戦するジーコ監督にとって、イレブンにとって、最高の敵に挑む準備は整った。
メキシコ戦で高さにやられた日本代表。中澤の不在が響いた形だが、それを解消する手立てが4バックだった。サイドからのクロスに対して高さで対抗できない日本が4バックでサイドを固めた結果、守備が有効に機能したのだろう。また、逆に加地・アレックスが機を見て上がっていくことも攻撃に有効だった。
中盤の構成も現状のベストのようだ。FWは大黒の起用法をどうするかだろうが、次戦は先発で使って欲しいものだ。
このクラスの選手であれば、システムの変更程度で右往左往していてはいけない。しっかりとしたスカウティングに基いたベストの選択をして、それをしっかりこなしてこそ代表選手というものだ。
この一戦だけで、ジーコ最高! と評価するのは早計。キリンカップ前から約1ヶ月、チームとしてのコミュニケーションが高まったことが今回につながったとも考えられる。
本番のW杯でも、トップシード国と決勝トーナメントを賭けて対戦するケースがありうる。ブラジル相手にそのシミュレーションができるのはまさに僥倖。勝敗はともかく(勝つに越したことはないけど)「勝ち負けになる」試合をして欲しいものだ。