ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会第11日の20日、1次リーグB組の日本は、当地のミレニアム・スタジアムで地元ウェールズと対戦し、11トライを奪われて18―72で敗れた。日本は3連敗、勝ち点は1のままで6大会連続の1次リーグ敗退が決まった。各組上位3チームに与えられる次回W杯の出場権も逃した。ウェールズは2勝1敗とし、勝ち点4に4トライ以上で得られるボーナス点1も加えて通算勝ち点を10に伸ばした。
日本は序盤は低く前に出る防御で健闘。19分には自陣のゴール前ラックから大野(東芝)が相手ボールを奪い、ロビンス(リコー)、大西(ヤマハ発動機)、今村(神戸製鋼)とつないで、最後は遠藤(トヨタ自動車)が逆転トライを決め、この試合2度目のリードを奪った。
だが、徐々に疲労でタックルが甘くなり、後半はボールを縦につなぐウェールズについていけず、トライを重ねられた。
日本は25日午後6時(日本時間26日午前1時)からフランス・ボルドーである1次リーグ最終戦のカナダ戦に今大会初勝利を目指す。
◇身上のタックル決まらず
完敗だった。日本は、現状でそろえられる最良のメンバーで挑みながら、主力を温存したウェールズにたたきのめされた。
序盤、控え選手を中心にしたウェールズは組織的な動きを欠いていた。日本が付け入るすきは十分と思われた。しかし、日本が身上とするタックルが決まらない。4点差で惜敗したフィジー戦同様、低く速い防御に出るものの、相手の突破を一発で止めることができない。
ウェールズの選手個々が身に付けた個人技だった。日本のタックルのポイントを、当たる寸前に巧みにずらす。組み付かれてもバランスは失わず、しっかりとボールをコントロールする。組織的な攻めを欠きながらも、個々がボールを前に進め、日本の防御を粉砕していった。
日本は前半19分、自陣5メートルライン上で相手ラックのこぼれ球を大野が拾い、ロビンス、大西、今村、遠藤とつないでトライを奪い、8―7とリードしたが、互角に渡り合ったのはここまで。24分にウェールズのFBモーガンのライン突破からトライを許すと、その後もトライを重ねられ、勝機は日本から去った。
後ろへ後ろへと下がらざるを得ない展開から、後半は加速度的に疲労が蓄積。防御の精度はさらに低下し、大敗に終わった。
カーワン・ヘッドコーチは敗因を「タックルミス」と分析した。だが、これは果たしてミスなのか。完全とは言わぬまでも、日本は最善の努力で防御を試みた。ところが、それを上回る技術で、ウェールズは試合を制した。またしても世界との差を痛感させられた一戦。日本のダメージは大きい
1本目半のウェールズを相手に11トライを献上する惨敗。ジャパンオリジナルと言われる低いタックルも出足の早いラインディフェンスも機能せず、むしろウェールズの方が少人数の早く鋭い寄せで密集を制圧。外に人を余らせての横綱相撲。格の違いを見せつけた。
こういうラグビーを観てしまうと、ジャパンオリジナルなどという言葉に意味がないと考えてしまう。
情報が少なかった昔ならいざ知らず、今やどこにいても世界最先端のラグビーを観ることが可能だ。そしてW杯開催以降、プロ化によって選手のフィジカルは鍛え上げられている。極限のフィジカルと均一化された戦術の中で、日本独自の「何か」で勝負をしようとしても無理があるのではないだろうか?
これは前々から思っていたことだが、日本にとって致命的なのはHBやTBのサイズとスピードだ。世界を驚かすほどのスピードがない割に、サイズが足りない。大外で勝負しようとしても、捕まって孤立することでターンオーバーの危険を常に孕んでいる。
この対戦で、ウェールズのSHのサイズには驚かされた。日本ならFW、それもロックあたりにいてもおかしくない大きさだ。それがFW8人の直後に控えている。HBのスピードとテクニックにFW並みのパワーを兼ね備えていたら、機能は多彩だ。自らサイドを突いてもいいし、何次攻撃目かでは、ラインに入っていてもいいだろう。もちろん守備の時はサイドをガッチリ守れるだろうし、対面のSHにとっては脅威を感じるに違いない。
BK全体に190センチ100キロ級にサイズアップして、特に守備面での働きを強化しない限り、強豪国とロースコアの試合に持ち込むことは難しい。もちろんFWも今のサイズを維持しながら機動力を上げる必要があるだろう。
本来なら、フィジー戦に勝利してこの試合は捨て、カナダ戦に必勝を期すべきところを、勝てないとわかっていながら主力を送り込まなければならなかったのは痛い。予選プールで2勝し、次回の出場権を確保することこそ最大のミッションだったはず。このままではまた全敗で大会を去ることになるだろう。
世界はどんどん遠くなっていくなぁ…。
日本は序盤は低く前に出る防御で健闘。19分には自陣のゴール前ラックから大野(東芝)が相手ボールを奪い、ロビンス(リコー)、大西(ヤマハ発動機)、今村(神戸製鋼)とつないで、最後は遠藤(トヨタ自動車)が逆転トライを決め、この試合2度目のリードを奪った。
だが、徐々に疲労でタックルが甘くなり、後半はボールを縦につなぐウェールズについていけず、トライを重ねられた。
日本は25日午後6時(日本時間26日午前1時)からフランス・ボルドーである1次リーグ最終戦のカナダ戦に今大会初勝利を目指す。
◇身上のタックル決まらず
完敗だった。日本は、現状でそろえられる最良のメンバーで挑みながら、主力を温存したウェールズにたたきのめされた。
序盤、控え選手を中心にしたウェールズは組織的な動きを欠いていた。日本が付け入るすきは十分と思われた。しかし、日本が身上とするタックルが決まらない。4点差で惜敗したフィジー戦同様、低く速い防御に出るものの、相手の突破を一発で止めることができない。
ウェールズの選手個々が身に付けた個人技だった。日本のタックルのポイントを、当たる寸前に巧みにずらす。組み付かれてもバランスは失わず、しっかりとボールをコントロールする。組織的な攻めを欠きながらも、個々がボールを前に進め、日本の防御を粉砕していった。
日本は前半19分、自陣5メートルライン上で相手ラックのこぼれ球を大野が拾い、ロビンス、大西、今村、遠藤とつないでトライを奪い、8―7とリードしたが、互角に渡り合ったのはここまで。24分にウェールズのFBモーガンのライン突破からトライを許すと、その後もトライを重ねられ、勝機は日本から去った。
後ろへ後ろへと下がらざるを得ない展開から、後半は加速度的に疲労が蓄積。防御の精度はさらに低下し、大敗に終わった。
カーワン・ヘッドコーチは敗因を「タックルミス」と分析した。だが、これは果たしてミスなのか。完全とは言わぬまでも、日本は最善の努力で防御を試みた。ところが、それを上回る技術で、ウェールズは試合を制した。またしても世界との差を痛感させられた一戦。日本のダメージは大きい
1本目半のウェールズを相手に11トライを献上する惨敗。ジャパンオリジナルと言われる低いタックルも出足の早いラインディフェンスも機能せず、むしろウェールズの方が少人数の早く鋭い寄せで密集を制圧。外に人を余らせての横綱相撲。格の違いを見せつけた。
こういうラグビーを観てしまうと、ジャパンオリジナルなどという言葉に意味がないと考えてしまう。
情報が少なかった昔ならいざ知らず、今やどこにいても世界最先端のラグビーを観ることが可能だ。そしてW杯開催以降、プロ化によって選手のフィジカルは鍛え上げられている。極限のフィジカルと均一化された戦術の中で、日本独自の「何か」で勝負をしようとしても無理があるのではないだろうか?
これは前々から思っていたことだが、日本にとって致命的なのはHBやTBのサイズとスピードだ。世界を驚かすほどのスピードがない割に、サイズが足りない。大外で勝負しようとしても、捕まって孤立することでターンオーバーの危険を常に孕んでいる。
この対戦で、ウェールズのSHのサイズには驚かされた。日本ならFW、それもロックあたりにいてもおかしくない大きさだ。それがFW8人の直後に控えている。HBのスピードとテクニックにFW並みのパワーを兼ね備えていたら、機能は多彩だ。自らサイドを突いてもいいし、何次攻撃目かでは、ラインに入っていてもいいだろう。もちろん守備の時はサイドをガッチリ守れるだろうし、対面のSHにとっては脅威を感じるに違いない。
BK全体に190センチ100キロ級にサイズアップして、特に守備面での働きを強化しない限り、強豪国とロースコアの試合に持ち込むことは難しい。もちろんFWも今のサイズを維持しながら機動力を上げる必要があるだろう。
本来なら、フィジー戦に勝利してこの試合は捨て、カナダ戦に必勝を期すべきところを、勝てないとわかっていながら主力を送り込まなければならなかったのは痛い。予選プールで2勝し、次回の出場権を確保することこそ最大のミッションだったはず。このままではまた全敗で大会を去ることになるだろう。
世界はどんどん遠くなっていくなぁ…。