ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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スカイツリーで“落雪被害”発覚

2012年03月21日 | Weblog

2011年2月17日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号

「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「スカイツリーで“落雪被害”発覚」
 
を企画、取材、執筆しました。
 
 
 
 キーワードは「スカイツリー」。
 
 
 けさの読売と毎日新聞に、今冬の大雪に伴う死者は100人を超えた、という記事がある。これによると、全国の雪による死者は103人。そのうち除雪に伴う事故による死亡は78人と最も多く、次に多いのが「落雪」で17人が亡くなったという。また雪による重傷者は663人、軽傷者は879人に上るという(消防庁の16日18時現在の集計より)。

 そんな中、意外なところでも落雪被害が起きているという記事があった。けさの読売新聞によると、東京スカイツリー(墨田区押上)の周辺で1月末、ツリーに積もった雪が落下して近隣の家や車など計3か所破損して、事業主体の東部タワースカイツリー社(以下、東武タワー)が修理費負担などに応じていたことが発覚したというのだ。これまでツリーから雪が落ちてきて危ないという報道はあったが、実際にツリーの「落雪被害」が明らかになったのは初めてという。

 同社によると、被害があったのはいずれもツリー南側で、ツリーから100~200メートルの地点。この被害によりベランダの屋根や車の背面ドア部分にひびが入っていたほか、塩化ビニール製の倉庫屋根が破れたケースが見つかったという。

 一般的に、雪といえば柔らかい物体という印象があるが、屋根を突き破るほどのインパクトということは、氷のかたまりが空から落下してくると思った方がいいかもしれない。

 そもそも落雪の懸念は前々からあった。例えば、今から2年近く前の、2010年6月22日付の読売新聞朝刊の記事「気になる! スカイツリー 落下物対策は? 」には、こう書いてある。「都心で41年ぶりに最も遅い雪が降った4月17日、対策の再検討を迫られる事態になった。事業会社の東武タワースカイツリー社によると、タワーに付着したとみられる雪の塊が周辺の商店付近に落下。負傷者こそ出なかったものの、住民たちからは、『頭に当たったら大変なことになったのでは』などという声もあがった」とある。

 さらに「スカイツリーの鉄骨には、撥水(はっすい)性の高い塗装が施され、雪が付着しにくくなっている。それでも、100メートル以上も離れた場所で、落下したとみられる雪の塊が見つかったこともあった」と指摘。
 
 スカイツリーの担当者は「相手は自然。安全対策を施してはいるが、想定外の事態が起こりうるので、検証を重ね経験を積む中で対応していきたい」とコメントしていた。

 その後、東武タワー側は、落雪対策として、第1と第2展望台の屋根の周囲に高さ50~100cmのついたてを設け、雪が降りそうな時は、各展望台の外壁と下部に張り巡らされた凍結防止用のヒーターを稼働させるといい、昨年12月18日にはマスコミに現場の様子を公開したりもしていた。

 がしかし、被害は起きた。そこで東部タワーと施工会社の大林組は対策本部をつくった。2月16日付朝日新聞朝刊によると、対策本部は、ツリーの雪を夜通し竹ぼうきで落としたり、早朝から66人の警備員を配置して通行人に注意を呼びかけたり、近隣の小学校に連絡して生徒に帽子を被らせたりしているという。

 しかし、東武タワーの吉野誠一取締役は「着雪や落雪を完全に防ぐのは難しい」と話しているというから、残念だが、落雪リスクはこれからも続きそうだ。


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