新年にあたり、平成天皇が、この国の歴史について以下のように述べられていた。
「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています」(宮内庁より)
なお、「満州事変に始まるこの戦争の歴史」については、実に多くの文献がある。
筆者は現在、戦中に政府や陸軍、東条英機などを批判していた言論人で弁護士の正木ひろし氏の著書「近きより」(社会思想社刊)と、半藤一利氏の「昭和史」(平凡社刊)を読んでいる。それ以前は五・一五や二・二六事件が起きた時代を詳細にまとめた松本清張氏のノンフィクション「昭和史発掘」を読んだりしていた。
そうした本を読み進めるなかで、さらに深く知りたい事柄があるときは、並行して図書館へ行き、知りたい事が書いてある本を手当たり次第読んでいる。
例えば、国民を拘束した「国民精神総動員運動」とはどういうものだったのか知りたくなり、それがタイトルになっている本を十冊以上、読みあさって、当時の臭いを体感しようとしたりしている。当時の状況を肌で知りたい気持ちにかられる。