
現在日本各地の裁判所で、一票の格差について「違憲」「選挙無効」の判決が続いている。
これに対して国会は選挙区の区割りの是正、議員定数の削減、などで議論が進む様相だ。
しかし問題は、昨年の衆議院選挙が無効かどうか、などではない。
民主主義の大前提である「一票の平等」を裁判所は指摘しているのである。
これは国民主権を大前提とする、憲法が定めていることである。
つまり裁判所は「憲法に定められた選挙をやりなさい」「人口に比例した票数の選挙をやりなさい」と指摘しているだけなのである。
いま裁判所が一票の格差について「違憲」「選挙無効」の判断を下し続けているのは、一票の格差が2・5倍を超えているから2倍以下に是正しなくてはならない、などということではない。
「一票の格差の無い、憲法に定められた民主主義選挙」を実施しなさいと勧告しているわけだ。
多数決の原則が大前提である民主主義、主権在民で一票が平等に行使されるのが大前提である民主主義国家である「日本」において、「民主主義の大前提である一票の平等」が破壊されている現実を裁判所は指摘し勧告を繰り返しているわけだ。
憲法が定める「一票の平等」の選挙とは「人口比例票数」の選挙ということになる。
これはやろうと思えば一ヶ月もかからずに出来ることである。
なぜなら日本はこれまで、それをやってきたからだ。
かつて行われてきた「全国一選挙区制」つまり「全国区制」である。
まずは「人口比例選挙」によって一票の格差を解消すること。
これがまずは民主主義選挙の第一歩だろう。
それから、人口の少ない地域の意見を国政に反映する制度も確実に整備する。
ともかく、現在行われている選挙制度は「違憲」であり「無効選挙」なのである。
近づく参議院選挙では一票の格差が最大5倍に達する。
これほど不公平な選挙がはたして合法なのだろうか。