つつみその子のはぐくみ日記

毎日を大切に、心と縁をはぐくむ日々に。

ラブレター

2006-01-30 | Weblog
「イッセー尾形・太宰治を読む!書く!創る!@シアター1010」へ向けての稽古。
出演するかどうかは出来次第、ということなのですが。
稽古時間も短いのでどう組み立つか探りながら。

太宰の愛し方や作品の作り方から、私たちの人生の駄目だしまで。

個人の苦しみに終始している私たちは、本当は楽になる方法を知っているのに、それをしない。
方法って言うのは、つまり「やめる」っていうことなんだけど、
諦められずにこだわって抜けられなくなっている、その繰り返しの中で生きている。
点に執着をして全体を見なくなってゆく。

目をそらしたり、面倒だからと関わらずにいることに目を向けることが大切。
見て見ない振りをしてきたものに目を向けることがモノを創る人として大切なこと。
まじめな人は、関わらずに居ることの理由をつくるために、まじめで居るのだ。
革命を起こしなさい。と。森田さん。

稽古では、「行き場の無い恋愛をしている人」を思い出して、
その人の話し方や、話を聞いた場所などの詳細を思い出したり。
ラブレターをその人が書くとしたら…を考えてみたり。
なかなか難しい。もうひとつ、ジャンプする為に必要な気がする。
恋愛が子供に戻ることにつながったみたいに、
笑い飛ばせるような、もう一つ距離がとれるようなものが必要な気がする。

疲れきった顔をしたメンバーに森田さんがご馳走して下さった。

今までの私と今の私の違いについて考える。
今までは、芝居は本当にむいてないからやめた方がいいんじゃないか、とか
何度も考えては、続けてきたのだけれど、
今は純粋に楽しい。
人と出会えることも、稽古で怖いところに飛び込んでみることも、舞台の上に居ることも。
こだわったり、捕われていないことで今、すごく自由にいられている。
今まで一杯無駄な荷物を自分に課していたのだな、と思う。
今日荷物が何だったのかがとてもすっきりと分かった。

ラブレターが皆書ける様になったら出てもいいよ。とのこと。
挑戦してみます。

***
で、今日はOne&Onlyの稽古日だったのですが、間に合わず。
稽古の内容を教えて頂いたのですが、おお、こちらも進んでおります。
役者っていう自覚を持ちつつ、自分を育てていきたいな、と思い直しました。おす。


全員で波に乗る。

2006-01-29 | Weblog
つくば本番2日目。
昨日から今日にかけて考えたことは、きちんと客席から見られることと、相手とどうしたら世界を届けることが出来るかという事と、キャラクター。

森田さんが、「恋愛は子供に戻る事」という。
恋愛をしている時、人は本当に沢山の感情を使って、色んな手を使って相手と関係を保つのだけれど、それが子供の時に戻ったのと同じ状態だと言うのですね。

で、子供の時の泣き方なんてやってみる。
そうするとみんな感覚があって、何故だか分からないけれど、おかしくてたまらない。
心が動かされてしまう。
自分の中の記憶も一緒に引き出されて、同じ泣き方をした記憶があったり、泣いた時の状況を思い出したり。泣こうとしているといつのまにか泣けたりしてしまう人もいて。
それを「いくつも貰って入れてね」
「飛行機が浮遊する瞬間の感覚を掴んでね」と、森田さん。

簡単に流れのみを追う稽古(場当たりのような稽古)をして、「その流れさえ覚えていれば、何を入れても何があっても大丈夫だから、流れを組み立てて覚えてね」とポイントを追いながら何度か。
私達の組は、相手の人がちょっと今回はまっていて、「稽古しておくように」と全体の稽古をせず…。

イッセーさんの本番も見ずに相手と打ち合わせ。
相手がどうしてもわからないと言う所があって、
「恋愛において、こういうとき男の人はどうするの?」と色んな人に聞いてみたけど、
「避けるか、黙っている」とかいう答えばかり。本当に男の人は情けない。

で、ふつふつと煮えていると、テイヨさんがいくつかアイディアをくれた。
「相手を遊びたおしてしまえばいいんだよ」とのこと。
ポイントを整理して、途中は全部内緒で臨む事にする。

本番は、最初の組から空気を掴んでくれる。イッセーさんの1人芝居のキャラクターが絡んでくるのだけれど、誰で来るのかは全くわからない。
でも、その力を貰ってメンバーも頑張ると言う感じ。

そうするとその上昇気流に乗っていけばいいだけだ。
周りで街の音を出してくれるメンバーがいるから、安心して気まずく沈黙していればいい。キャラクターでそこにただいれば、あとはお客さんの想像力に任せてしまえばいい。
そうすると勝手に言葉が出てくる。相手は全然違うので相当驚いたみたいだけど。
イッセーさんとはまたまた物凄く困ってしまって…。
課題は沢山残ったけれど、本当に良い経験になりました。

終わって全員がお互いに拍手、これが本当に自然に心からの拍手で、何て素敵な現場だったんだろうと思う。

第3部の公開稽古でも、皆飛躍する。
いい流れが出来たんだなと思う。昨日の結果があってそれぞれが考えて、舞台に出ない人も本気で舞台を成立させようと協力して。皆で作った流れだと思う。
なかなかチャンスがなかった高校生も見事に成功して、本人がとても無邪気に楽しくおじさんを困らせていて、おじさんも本当にやりこめられて。2人の間にリアルに流れているものが客席に届いて、客席も幸せな空気になった。

打ち上げは早朝まで行われたそうです。
本当にお世話になりました。
有り難うございました。
また5月のQUESTでお会いできたらいいですね。

あ、それから参加者の中で、物凄い台詞力を持っているSさんに台詞を一つ貰いました。
「マーライオンの、口から水がガーッて出ているのはさ、あれはちょっと失礼な感じがするよね」っていうやつ。Sさん、有り難うございました。

人の為が、自分のための稽古

2006-01-28 | Weblog
法則の稽古から。
とても分かりやすい法則にのっとれば、ちゃんと流れていけるよ、という事を掴む稽古なんですが。
森田さんはこれを「自分の為じゃなくて今日出演する人の為にやってね」という。
もちろん自分の稽古にもなるんだけれど、
「前でやるときは人のために冒険をして、見ているときが一番大事」とのこと。

でも、みんな自分をどうにかしたくて、自分にこだわって。
特に「自分がオリジナルである事が重要」という人は結構はまってしまう。
ああ、自分も今までこういう状況にあったんだなと思う。

「今回のテーマは愛人と腐れ縁でやりますよ」とテーマが決まる。
その後は「ポイントになる台詞」の稽古と「男女の間でやること」のアイディア出し。
「これもいいのがあったら貰っちゃって組み込んじゃってね」とのこと。
自分のオリジナルをとか、自分がすごくなろうなんていうのはこの稽古場には必要なくて、自分にないものを貰って自分が飛躍できるかどうか、飛躍してどこまで飛べるかどうか、そっちの稽古をやろう、作品を創っていこう、ということのほうが大事なんですね。

昨日できた組み合わせで、ペンディングになっているものと、決定しているものの稽古。
他のチームはどんどん組みあがる。ここまで来ると不思議とどんどん流れてゆくから不思議だ。
ただ、ここまで来ると、恋愛に対して、女の子がいかに真剣で、男の子がいかにその場しのぎなのかが良く見えてくるようになった。
なので、「芝居の組み立ては女の子がやるように」と森田さん。
相手役はちょっと本調子ではないらしい。
危険な橋ではあるけれど、本番はやることになる。

イッセーさんのキャラクターは女の人だけれど、それぞれ違う人物ではある。
なんとなく方向性だけは決まるが、後は本番でのお楽しみ。

袖にいる音楽隊だって同時に舞台を支えている。
自分に集中してしまうと舞台を見てしまうけれど…。

本番では、しゃべり倒してしまった。
面白かったと言ってくれる人もいたのだけれど、望まれていた事と、望んでいた事と違うと思う。
もっと見せなくちゃいけない間や、関係や…たくさんあるのに。怖くて閉じてしまった。

清子さんからは「芝居が古いよ。芝居の癖が出てる。あと、相手が見えてない。キャラクターが薄い(飛躍できるものではないと言う意味)」とのこと。
考え直して明日に臨みます。

作るヒントが沢山

2006-01-27 | Weblog
鏡の前で、自分の嫌だと思う人を作るところから。
顔を見ながら台詞を言いながら作っていく。
困ってしまうと目の前に見えるものや、感想などが出てきてしまう。
そうすると、本当に日常の会話になってしまうし、いい人になってしまうし、効力を失ってしまう事になる。

その後、組み合わせの稽古。
恋愛に傾きかけているので男女の組み合わせがどんどん組まれるんだけれど、
色んな組み合わせが生まれる。
組むポイントは全然違うタイプの人を探す事。ということで、
もう、ただ並んで座っているだけでちょっと劇的な組み合わせが出来上がる。

いくつかの候補が出来た所で終了。
私も相手役が見つかって本番をやることになった。
そんなつもりはなかったのに、相手が「お前風俗嬢だろ」とかいうので、そういう事になりました。
組み立ては、明日。

出会い頭で。

2006-01-26 | Weblog
組み合わせの稽古へ。
関係性を決めてしまうとそれにとらわれてしまうので、決めずに舞台上で出会うのです。
どれだけ想像を広げられるか、幅を持たせられるかが問題で、
困って道に迷っても、失ったり得たりすることを相手と共有しなくてはだめ。

だから出来るだけ直接関係を決めてしまうような言葉は避けて探っていく、
そうすると、言いたい事が上手くいえない緊張感のある関係が見えてくる。
この関係がどういうものなのかはお客さんの想像力に任せましょうというのですね。

客席で見ていると皆がそれぞれ全然違う捉え方をしていてそれだけでも面白い。
根拠はお客さんの今まで生きてきた時間の中にある、という事になるのかもしれないけれど。
何が面白いのか分からないものが沢山落ちている。説明はつかない。
でも、そういうものを作っているのだなと思う。

組み合わせの稽古を見ながら、組み立ての仕方を覚えるようにと言われる。
舞台上でやっている人には何が面白いのか、どうしたらいいのか、
まださじ加減がわからない。けれど、客席で見ていると確かに面白い。
森田さんの演出を聞きながら見ているうちに、勘のいい人はどうするべきなのか分かってきているのが見える。
前回までは挑戦する方に時間を割いていたけれど、今回は見るほうが面白い。

本番やるつもりでと言っていただいたので、出会い頭で大人の優しそうな男の方とやることに。私は自分が本当につまらないと思っている人をやってみたのだけれど、
結果、相手の方が私を見下す形になり、相手の方が今まで観た事のないような表情をしたことに驚く。
「見ないようにしてきた避けてきた部分」と森田さんが言う所なのだけれど、
これをきちんと見て探す事をしてね、とのこと。
自分の中にあるものを掘り起こす事が求められている、というか、結果的に掘り起こす事になるというのか。

つくばのメンバーには台詞力があって、とても勘がいいので、焦ってつくってしまわずにぎりぎりまで粘るのではないかしら。
出演するのは4~5組くらいになりそう。
明日が勝負。


翻訳作業のような

2006-01-25 | Weblog
イッセー尾形の作り方@つくば2日目。

自分と逆の人をやることによって、自分自身が見えてきたり、
嫌な人のいいところや、可愛い所を発見して許せる可能性を見つけたり、
自分が相手や自分をどうとらえているのかが分かったり、
相手と自分との共通点に気がついて傷ついたり。
衝撃だけれど、相手を演じてしまう事で客観的に自分を捉えられるのですね。

この人がどうして今こうなってしまったのか
何を求めているのか?から始まって
社会の仕組みにまで話が及ぶ。
森田さんは演劇と言うものを使って世界を翻訳しているのだなと思う。

作家のやりたい事に役者がついてゆくのではなく、
役者の持っている感覚や興味から積み上げて、芝居全体を組み立てていく
この稽古場の中でPECTでの稽古との共通点を沢山発見する事が出来る。

身体を使ってゆく事で感覚が明確になったり、
今日はちょっと発展して、逆に台詞からキャラクターを探ったり。
明確にその場を想像させる一言を探ったり。

色んな人がいるから色んなアプローチがあっていい。
自分にあったやり方を探せばいいという沢山のヒントのシャワー。

内容ではなくて、その人が演じる事で、
同じような経験や、記憶を呼び起こされてお客さんは笑っているのです。

帰り道はテイヨさんの運転で新宿まで乗せていただいた。
週末は宿を取ってあげるから泊まったらどうかと言っていただいたのだけれど
それは大変申し訳ないのでお気持ちだけ頂く事にした。
本当に、有り難うございました。

アットホーム

2006-01-24 | Weblog
イッセー尾形の作り方@つくばへ。
神奈川に比べたらずっと少人数でみんなの表情がよく見えて、アットホームな現場。
そのうちの半数が新しい人で、緊張しているかと思いきや。
神奈川のような「やってやろう」という気負いもなく、のびのびした印象。
稽古もずっとゆったりじっくり進む。

人物を作る所から。
感覚のあることをまずやってみて、その人が1人でいる時、誰かと話している時…というように広げてゆく。感覚が薄くなったら感覚のある言葉に戻すと言うやり方で、1人ずつじっくりと。
出来ないのは下手だからなのではなくて、その人が自分に縁がないという事だよ、ということなのだけれど、ここを丁寧に。
話す内容よりも伝わるイメージが重要になってきて、そうやっていろんな人のを見ているうちにああ、あの人もこの人も…と思い出す。

嫌いな人、つまらない人、どうでもいい人…いろんな負のイメージの中にいる人物との距離を測りつつ。
自分の中にいる人を探してみましょうという事で今日の稽古は終了。

往復5時間の道のりは睡眠時間と諸々の連絡の時間や観察に当てられるのだけれど、
有意義に使って楽しんでいきたいと思います。

新しく

2006-01-22 | Weblog
本日よりProject One&Onlyの現場始動です。
12月のワークショップでご一緒した方々も多いのだけれど、
年齢も経験もさまざまな役者さんが集まるなか、
台本が出来上がるまではエチュード大会のようなのです。
体当たりでいこうと思います。

花吹雪

2006-01-20 | Weblog
大事な友人の誕生日。

お誕生日おめでとうございます。
他のメンバーと準備してサプライズでお祝いしたんですが。
心があったまりますね。

画像は友人にプレゼントした
「花吹雪の行灯」
早速メールをくれたので、のせちゃいました。

本当におめでとう。
良い出会いが沢山ありますように。

品のある面白さ

2006-01-19 | Weblog
落語のCD5枚をヘビーローテーション。
音だけなのでもっと噺家さんの表情とかも見たいなあとおもいつつ。
寄席を調べていたら、のいるこいるさんの出演する寄席があることが分かって、行かなくちゃ!と騒いでいたら母が
B&Bをみるべき。
最近のは面白くない。品がない。
志ん生さんは品があって、その人となりがお客さんの笑いを誘う、とのこと。

なるほど。
品は大切よね。

ラスト1

2006-01-17 | Weblog
「あと1点で免許停止です」という葉書が届きまして。
大体いつも本番前に、1回くらいずつ捕まるんですが、ついに…。
毎回、これは本番へ向けての厄落としに違いないと思ってきたんですが。
しばらくは本当に安全運転します。
厄落としは別の形でお願いします。

それから。
幼馴染から結婚式の招待状が届き、
昔、PECTにいた後輩から子育てに励んでいるとメールが届き。

30ですから、みんな人生においても色々と、岐路と言うか
考えるポイントに来ているのだろうなと思ったりしますが。
あたしも計画性持って攻めてゆくぞ。


コントではなく。

2006-01-16 | Weblog
ラーメンズのコンプリートボックスをもう一度。
あと、先日届いた「イッセー尾形の作り方」のDVDを観る。

ダイジェストも収録されていて、それで驚いたのは、土地柄というのか、その場所に住んでいる人たちのエネルギーが全然違って、各地のレポートを読んでいると最初のアプローチは同じなのに、全然違う舞台になっていること。
途中から参加者がほぼ全員舞台にあがっているようで、風景を作り出したり、全員で舞台を成立させている。
祭りのようなものや、御伽噺のような物などもあり、その中には生きる不安が描かれていたりして。
でも、人とのつながりを強く感じる。魅力を感じる。
不思議と自分も感じた事のある感覚が呼び起こされたりして。
これが森田さんの仕事の素敵な所なんだなと改めて思う。

そういう意味では神奈川はとても異色というか、個人主義というか。
とても孤独で逞しくて淋しい。
他の地域と比べてみると私はそういう流れの中に生きているんだなと感じたり。

私の周りにいる沢山の人たちと、もう一度ちゃんと出会いなおしたいなと思う。
コントではなく、人を描くべし、です。