行ってきました。
新国立美術館。
黒川さん設計。波打つでっかい虫のような建築物。エントランスは小さな円錐…。
もう、円錐とか三角錐とか大好きなんですね…
フォルムの持つ意味とかって確かにあるんだけど、「ボクントコトドイテナイヨー」(ラーメンズ)ですよ。
なんだか魅力的であるようでとても疲れるような…。
私実は丹下グループの方々、苦手なんです。身体に合いません…。
近未来っぽくて、躍動感があって、希望に溢れたり…っていう風に皆さんには見えるんでしょうか。んー。私には悪趣味にしか見えない~。
さて。
「モネの作品に出会える」という期待を胸に、緊張して会場へ。
音声ガイドを首から下げると、なんとガイドは小泉今日子さんではないですか!
それぞれの絵のガイドのほかに「コイズミのひとり言」なるものもおまけにあるのですよ。楽しい~。
モネと同時代に生きた作曲家の曲も一緒に、ということでバックミュージックにはドビュッシー、サン・サーンスの音楽が…。ピアノやハープの音色を聴きながらすっかり満喫してしまいました。
でもね空間が大問題で…
空調の面では、まず突然床から冷気が…。対流を起こさないためには有効な手段なんだろうか??だけど、至るところに開いている小さな穴からかなり冷たい空気が出ているのです。サンダルの女性や身体が冷えがちな女性や子供たちには大変厳しいものがあり…。
皆結構びっくりしていましたね。
集中力を阻害された(変な日本語)のははじめて。
空間作りに関してはかなり難ありでした。
照明が反射して絵が見づらいものが何点か…。これもとても難しい問題だけど、こんなにストレスに感じたのははじめてかも。
さらに距離の問題。
モネの絵は…近づいてみることが出来ることはもちろんとっても大事なことだけれど(筆の置き方なんて、いつまで観ていても感動してしまうし。)、遠くから眺めたときに発見や感動が多いのですよ。
それがね、空間が狭すぎで十分な距離をとって観ることが出来ないのです。
中には通路と混在して大混雑に…。
ゆっくり絵の前に立つことも許されないなんて~!
絵との大事な出会いなのに~!
主催者はモネの絵を愛してないのか?と思ってしまうくらい。
というわけで、近づいて穴が開くほどじーっと眺めたり、できるだけ全体が見える場所&点で描かれたものが重なって見えるくらいにきちんと距離が取れる場所を探して、眺めて…という具合に悪戦苦闘でした…
いったいどのくらい中に居たんでしょうか…。
もっと合う空間ないのかなぁ…。
さて。絵の話。
モネの描いた絵の年号を見ると、私の生まれる約100年前ということがわかりました。100年のときを経て、ここでこうして出会えることに感動。
モネの描く絵の中には、まぶしいほどの光が溢れています。
絵の具を混ぜるのではなくて、そのままの色を点でのせてゆくことで出来る世界。
その点の鮮明な輝きの連なりが「光に溢れる世界」を作っているのですね。
白も白ではなく、コバルトブルーやばら色を使って表現されたり。
色を点でおいてゆくと、人間の網膜が勝手に色を混ぜ合わせてしまうんだそうです。
目に見えるものをそのままに表現しようと挑戦し続けた彼の作品には同じものを時間や天気ごとに描いた連作があります。
全部書きたいけどあんまり書くとこれから行く人の楽しみが減ってしまうので自粛しますが、はかないものを描き続けた彼の見る目やその瞬間を捉える鋭さには驚くものがあります。
モネの晩年の絵「日本風太鼓橋」はますます生命力に溢れてて無邪気に楽しそうに描いているなあと感じたのですが、ガイドを聞いて驚きました。
その頃モネは、白内障を患ったり病気に苦しんでいたのだそうです。
同じ場所を書いた隣の絵(「日本風太鼓橋」こちらは曇天時のもの?)には…モネの苦しみのようなものが表れていました。
輪郭もぼやけていて闇に溶けています。
目に見える世界を、今までの手法に頼るのではなく、見えるままに徹底的に描こうとしたモネにとっては、微妙な色の変化がわからないということは苦痛だったに違いないですね。
彼がお医者さんにあてて書いた手紙の中の「目の見えない画家は、諦めなければいけないのでしょうか。私はあきらめられない」(すみません、こんなニュアンスです。正確な言葉ではないです)という言葉が心に刺さりました。
最後は、家族を失って絶望の中にいた彼を奮い立たせることになった代表作である「睡蓮」の連作で締めくくられて終わります。
水に移りこむ世界に光を見出した彼の集大成と言えますね。
使われている色も一つ一つが光を放っていて幻想的に世界を織り成すという感じ。
若い頃の作品に比べたら、使われている色がまた魅力的な色ばかりで、色合いも豊かです。
移りこむ世界と、水の中の藻と、水面と…様々な階層がひとつの空間に描かれていて、なんとも夢のような世界です。
モネが提案した、睡蓮のみ飾られた空間、是非一度体験したいですね。
好きな作品は
ゴーディベール婦人(の、スカート。ボリューム感と素材のやわらかさが出てますよ~)、
かささぎ(白い色の描き方と光のまぶしさに感激!是非遠くからも観て!)
漁師小屋(二つの構図の違いと、遠くから観たときの海の表情を観て下さい!)
セーヌ川の朝(やわらかい光に溢れています)
そして、チャリングクロス橋、国会議事堂、積みわら、睡蓮のシリーズ。
実は一番衝撃だったのは、アルジャントゥイユのレガッタという作品で、これは、モネが一瞬で見た映像を描いたものなんですよ。
だから細かい点描なのではなくて、豪快な線などでクロッキーみたいに描かれているんだけど、遠くから見たらものすごくみずみずしく世界が浮かび上がって見えたのですよ。お勧めです。
MONET。
すっかり興奮しちゃった。まだまだ書き足りないけど、やっぱり自粛。
出会えてよかったです。
新国立美術館。
黒川さん設計。波打つでっかい虫のような建築物。エントランスは小さな円錐…。
もう、円錐とか三角錐とか大好きなんですね…
フォルムの持つ意味とかって確かにあるんだけど、「ボクントコトドイテナイヨー」(ラーメンズ)ですよ。
なんだか魅力的であるようでとても疲れるような…。
私実は丹下グループの方々、苦手なんです。身体に合いません…。
近未来っぽくて、躍動感があって、希望に溢れたり…っていう風に皆さんには見えるんでしょうか。んー。私には悪趣味にしか見えない~。
さて。
「モネの作品に出会える」という期待を胸に、緊張して会場へ。
音声ガイドを首から下げると、なんとガイドは小泉今日子さんではないですか!
それぞれの絵のガイドのほかに「コイズミのひとり言」なるものもおまけにあるのですよ。楽しい~。
モネと同時代に生きた作曲家の曲も一緒に、ということでバックミュージックにはドビュッシー、サン・サーンスの音楽が…。ピアノやハープの音色を聴きながらすっかり満喫してしまいました。
でもね空間が大問題で…
空調の面では、まず突然床から冷気が…。対流を起こさないためには有効な手段なんだろうか??だけど、至るところに開いている小さな穴からかなり冷たい空気が出ているのです。サンダルの女性や身体が冷えがちな女性や子供たちには大変厳しいものがあり…。
皆結構びっくりしていましたね。
集中力を阻害された(変な日本語)のははじめて。
空間作りに関してはかなり難ありでした。
照明が反射して絵が見づらいものが何点か…。これもとても難しい問題だけど、こんなにストレスに感じたのははじめてかも。
さらに距離の問題。
モネの絵は…近づいてみることが出来ることはもちろんとっても大事なことだけれど(筆の置き方なんて、いつまで観ていても感動してしまうし。)、遠くから眺めたときに発見や感動が多いのですよ。
それがね、空間が狭すぎで十分な距離をとって観ることが出来ないのです。
中には通路と混在して大混雑に…。
ゆっくり絵の前に立つことも許されないなんて~!
絵との大事な出会いなのに~!
主催者はモネの絵を愛してないのか?と思ってしまうくらい。
というわけで、近づいて穴が開くほどじーっと眺めたり、できるだけ全体が見える場所&点で描かれたものが重なって見えるくらいにきちんと距離が取れる場所を探して、眺めて…という具合に悪戦苦闘でした…
いったいどのくらい中に居たんでしょうか…。
もっと合う空間ないのかなぁ…。
さて。絵の話。
モネの描いた絵の年号を見ると、私の生まれる約100年前ということがわかりました。100年のときを経て、ここでこうして出会えることに感動。
モネの描く絵の中には、まぶしいほどの光が溢れています。
絵の具を混ぜるのではなくて、そのままの色を点でのせてゆくことで出来る世界。
その点の鮮明な輝きの連なりが「光に溢れる世界」を作っているのですね。
白も白ではなく、コバルトブルーやばら色を使って表現されたり。
色を点でおいてゆくと、人間の網膜が勝手に色を混ぜ合わせてしまうんだそうです。
目に見えるものをそのままに表現しようと挑戦し続けた彼の作品には同じものを時間や天気ごとに描いた連作があります。
全部書きたいけどあんまり書くとこれから行く人の楽しみが減ってしまうので自粛しますが、はかないものを描き続けた彼の見る目やその瞬間を捉える鋭さには驚くものがあります。
モネの晩年の絵「日本風太鼓橋」はますます生命力に溢れてて無邪気に楽しそうに描いているなあと感じたのですが、ガイドを聞いて驚きました。
その頃モネは、白内障を患ったり病気に苦しんでいたのだそうです。
同じ場所を書いた隣の絵(「日本風太鼓橋」こちらは曇天時のもの?)には…モネの苦しみのようなものが表れていました。
輪郭もぼやけていて闇に溶けています。
目に見える世界を、今までの手法に頼るのではなく、見えるままに徹底的に描こうとしたモネにとっては、微妙な色の変化がわからないということは苦痛だったに違いないですね。
彼がお医者さんにあてて書いた手紙の中の「目の見えない画家は、諦めなければいけないのでしょうか。私はあきらめられない」(すみません、こんなニュアンスです。正確な言葉ではないです)という言葉が心に刺さりました。
最後は、家族を失って絶望の中にいた彼を奮い立たせることになった代表作である「睡蓮」の連作で締めくくられて終わります。
水に移りこむ世界に光を見出した彼の集大成と言えますね。
使われている色も一つ一つが光を放っていて幻想的に世界を織り成すという感じ。
若い頃の作品に比べたら、使われている色がまた魅力的な色ばかりで、色合いも豊かです。
移りこむ世界と、水の中の藻と、水面と…様々な階層がひとつの空間に描かれていて、なんとも夢のような世界です。
モネが提案した、睡蓮のみ飾られた空間、是非一度体験したいですね。
好きな作品は
ゴーディベール婦人(の、スカート。ボリューム感と素材のやわらかさが出てますよ~)、
かささぎ(白い色の描き方と光のまぶしさに感激!是非遠くからも観て!)
漁師小屋(二つの構図の違いと、遠くから観たときの海の表情を観て下さい!)
セーヌ川の朝(やわらかい光に溢れています)
そして、チャリングクロス橋、国会議事堂、積みわら、睡蓮のシリーズ。
実は一番衝撃だったのは、アルジャントゥイユのレガッタという作品で、これは、モネが一瞬で見た映像を描いたものなんですよ。
だから細かい点描なのではなくて、豪快な線などでクロッキーみたいに描かれているんだけど、遠くから見たらものすごくみずみずしく世界が浮かび上がって見えたのですよ。お勧めです。
MONET。
すっかり興奮しちゃった。まだまだ書き足りないけど、やっぱり自粛。
出会えてよかったです。
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