ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「ライトニング・メアリ」 イクチオサウルスを発掘した少女

2022-05-24 | 読書日記

庭はツリガネスイセンが終わって
シレネの季節

「ライトニング・メアリ 竜を発掘した少女」(シモンズ著 2022年2月 岩波書店刊)
児童書です。



映画にもなったメアリ・アニングの少女時代が描かれます。

1才半の時、雷に打たれて
いっしょにいた人たちはみな死んでしまったのに
1人助かったメアリは
父親からライトニング(稲妻)メアリと呼ばれる。

その名のとおり、メアリは稲妻だ。
大人にもズバズバとものを言うし
頑固で、一度こうと思ったら決して引かない。

メアリの家は貧しい。
(某朝ドラでの貧乏の描き方がリアルじゃないと言われているけれど
ここでは
胸が痛くなるほどの貧しい生活が描かれる)
父さんは家具職人をしながら
海辺でめずらしい石(化石)を拾って避暑客に売っているが生活は楽ではない。
父さんは、化石探しの名人なのだけれど。
(化石にはラベルが貼ってあるわけではないので見る目が必要なのだ)
メアリは父さんの教えで、見る見る腕を上げていく。
ところが父さんは事故で寝たきりになってしまう。
1つのベッドに母さんと兄さんとメアリの3人がいっしょに寝て
動けなくなった父さんの体を温めたりもする。
家の家具は売り払われ、家には何も無くなっていく
……
日曜学校で学ぶことも出来なくなって
暮らしに追われるメアリ。

稲妻メアリには、応援する人が現れる。
地質学者になりたいと思っている少年ヘンリー
化石をコレクションしているエリザベス
メアリに使い走りを頼んでくれるストック奥さん
オックスフォードの研究員のバックランド
……

メアリはただ化石を掘り出すばかりでなく
ブランコのような装置を作って岩壁の化石を掘り出したり
強烈な匂いを放つ馬の死骸を見て骨格を知ったり
兄さんに木枠を作ってもらって粘土を敷いて
その上に自分で考えて化石を並べて標本にしたり
……

非凡な稲妻メアリのジェットコースターぶりが魅力的です。

ちなみに
この時代、日本は江戸時代です。

 

 

 

 

 

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