里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ハコネウツギ 十三浜に自生

2017-03-10 | 日記
昨年の秋に、十三浜地区で海寄りの林道を歩きましたが、その際に林道山側から
枝垂れているタニウツギらしき樹木が気になり、少し調べたことがあります。
樹高が4m以上もあり、葉が少し細長くて緑色が濃いため、タニウツギとは違うかも ?
海岸寄りに自生する近似種にハコネウツギがあり、こっちの方かも知れません。

ハコネと付きますから、分布域は関東あたりと当初は思っていましたが、改めて調べ
ると、「北海道南部~九州の海岸近くの林に自生」とあります。
これはもう花期に踏査して、花を確認の上で種を同定するしかないでしょう。




                             二枚とも2016.6.11撮影

町内の民家にハコネウツギが植えてあり、それが咲くのを待って踏査に出かけました。
十三浜のある漁港近くから林道を上がります。津波で路盤が失われ、徒歩でやっと
通れるような状態でしたが、今は復旧され、軽トラックも上がれるようになりました。

林道を上りきると直ぐに漁具置場があって、車が通るのはここまでなのでしょうね。
この先は急に緑が濃くなって、生い茂った草木を避けて歩くような箇所もあります。
ただ、遠く近く波の音が聞こえますから、林道はほぼ海岸線に沿っているのでしょう。
やがて、見覚えのある場所に来ました。
林道の山側を見上げると、ビンクや白の花を咲かせた木が枝垂れています。
タニウツギはピンク一色ですから、これはハコネウツギで間違いないでしょう。

波の音が聞こえるくらいの海岸寄りで、日当たりの良い急斜面や、林道沿いとか
農地際の藪などに自生しています。このエリアでは、ざっと20株ほど確認できました。
海岸の岩壁周辺とか、砂浜周りでは見かけませんでしたね。




                             二枚とも2016.6.11撮影

スイカズラ科ハコネウツギ属の落葉広葉樹で、樹高3~5mの低木。
北海道南部~九州に分布し、海岸寄りの日当たりの良い斜面や、林縁に自生する。
地際からよく分枝してこんもりと茂り、幹や太枝の樹皮は灰褐色で、縦に裂けて剥落する。
細枝は茶褐色、ときに紫褐色で、陵があるため断面が菱形になる。
葉は対生し、葉身は広楕円形~広倒卵形で長さ6~16cm、幅4~8cm、先端は尖る。
基部は円形~広いくさび形、縁には細鋸歯があり、上面はやや光沢のある深緑色。
花期は5~6月で、枝先や葉腋に2~3個ずつ花を付ける。花は初め白色で、しだいに
紅色に変化する。花冠は長さ2.5~3.5cmの漏斗形で、先端は5裂する。
雄しべは5個、花柱は1個で、花筒から少し突き出る。萼は基部まで5裂する。
果実は蒴果で長さ2.5~3cmの円筒形で、晩秋に熟して裂開する。
種子は長さ1.5mmほどの楕円形で翼がある。


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