里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ネナシカズラ 寄生植物

2017-03-25 | 日記
登米市東部の林道を下って、畑や牧草地が広がる辺りまで下りてくると、草薮に白い
花のようなものがたくさん連なっています。蔓草に咲く小花のようですが、よく見ると
殆どがツボミの状態、それと蔓に葉っぱが付いていません。
ネナシカズラですね。花の時期に出合ったのは初めてです。

葉がなく淡黄褐色の蔓だけなのは、ネナシカズラが寄生植物で、全く光合成を行わ
ないからです。寄生される宿主はマメ科植物が多いものの、ヨモギとかイノコズチなど
他の植物に寄生する場合もけっこうあるようです。




                             二枚とも2015.9.13撮影

ツボミや蔓の下にはクズの葉が見えますし、ヤブマメの葉もありましたから、
寄生する植物には事欠かないでしょうね。
ネナシカズラは発芽する時は根があります。しかし、宿主である植物に取り付くと、
その茎に寄生根を差し込んで、栄養分を横取りし始めます。
そうすると、発芽時にあった地中の根は枯れて無くなります。
ネナシカズラの蔓の先端は、常に獲物を探すかのように伸びていき、宿主の元気が
なくなると、次に宿主になる植物に取り付き、乗り換えてしまうこともあるようです。


                                 2015.9.13撮影

ヒルガオ科ネナシカズラ属のつる性一年草で、日本全土に分布する。
日当たりの良い草藪や道端、耕作地などで、他の草や低木に巻付き生育する。
つるは太さ2mmほどの針金状で淡黄褐色~紫褐色、根も葉もないことから葉緑素を殆ど持たず、
吸盤状の寄生根で他の植物から養分を取る寄生植物。
花期は8~10月で、茎の途中に多数の穂状又は総状花序を出し、花は白色の釣鐘形で、
長さ3~5mm、先は5裂する。
果実は蒴果で、淡黄褐色~赤紫色の球形で直径5mmほど、熟すと弾けて直径2mmほどの
黒い種子を散布する。
種子は莵絲子(としし)という生薬で、滋養強壮、強精、遺精、夜尿症、淋病、冷性など
に効果がある。


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