里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アオイスミレ 日根牛の林道

2017-03-16 | 日記

昨年の5月初旬、登米市日根牛地区の里山を歩いた際に、林道脇に丸葉の
スミレらしき群落を見つけたものの、既に花は終わっていて、僅かな花茎だけが
残されていたのを覚えています。丸葉であること、花が既に終わっていたことから、
花期の早いアオイスミレと見当を付けて、今年は1ヵ月早く訪れてみました。

北上川沿いの車道から林道に入り、何度か屈曲しながら上がって行くと、広い
谷底のような平坦地に出ました。ここは杉林ですが、適宜間伐されているため明るく、
季節ごとに様々な山野草を楽しむことができます。




                             二枚とも2016.4.6撮影

林道の路肩部分に注目しながら歩いていくと、杉の枯葉の間から淡い水色の花
だけが五六個顔を出していました。まだ咲いたばかりなのか、花びらが半開です。
よく見ると、杉葉の間に丸い葉も見えますから、アオイスミレに違いないでしょう。

さらに行くと、林道の左右の路肩に点々と小さな花が咲いています。こちらは時折
木洩れ日が差すようで、花柄が伸びて花の開きも大きくなっています。
この林道沿いだけでも、たくさんの花が咲いていますから、エリアとしては立派な
群生地と言えるでしょう。


                                 2016.4.6撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
民家の屋敷林や、低山の林内・林縁などに自生し、草丈は3~8cm。
半日陰でやや湿った環境を好む。
葉には長い葉柄があり、根元から束生する。花期の葉は円心形で直径2cmほど、
先端は殆ど尖らず、縁には低い鋸歯がある。全体に毛が多い。
花後の葉は直径6cmほどに大きくなる。
徳川家御紋のフタバアオイの葉に似ていることから、アオイスミレと呼ばれる。
花期は3~4月で、葉の間から短めの花柄を出し、葉のすぐ上で開花する。
花は淡紫色~白色で横向きに咲き、花弁は長さ1~1.3cm、花びらが小さく波打つ。
側弁は半開で何かを抱くような形をしている。距は長さ3~4.5mmで、後部が太い。
さく果は直径6mmほどの球形で粗い毛が密生し、とくに閉鎖花でよく実る。
熟すと3裂するが、果皮片は種子をはじき出さない。種子にはゼリー状の種枕が付いて
いて、これをアリが好み、運ぶことで散布される。
花後、匍匐茎を伸ばして新株をつくるので、しばしば群落を形成する。



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