南三陸町入谷地区西部、集落上手の山裾に、枯草に覆われた平坦地が続いています。
周囲に水路らしきものがないので、田んぼ跡ではないでしょう。かつては畑だったと思われ、
まだ低木が侵入していないので、4~5年前までは耕されていたのでしょう。
畑跡の枯草の間を歩いていると、細長い緑葉を見つけました。ノビルでしょうね。
念のため葉を千切って嗅いでみると、ネギのような匂いがするので、ノビルで間違いない
でしょう。周囲を探すと、他に7~8本のノビルが見つかりました。
二枚とも2020.2.3撮影
ノビルはよく知られた山菜で、縄文時代すでに食用にされていたようで、縄文土器の中から、
炭化したノビルの鱗茎が出土しています。
採取時季は3~5月で、耕作地周辺や河川敷、道路や土手の法面などに群生しているのを
よく見かけます。もっと暖かくなれば、この畑跡にもたくさん生えてくるのでしょうね。
食用部位は鱗茎や葉で、生で酢味噌和えにしたり、天ぷらにしたりします。
味噌汁の具に加えても美味しいし、刻んで炒め物に加えると味のアクセントになります。
2020.2.3撮影
ヒガンバナ科ネギ属の多年草で、日本全土に分布し、草丈は40~80cm。
耕作地周辺や河川敷、道路や土手の法面などに自生し、しばしば群生する。
鱗茎は直径1〜2cmの球形で、白い膜質の外皮に包まれている。
根生葉は2~4個、線形で長さ25〜30cm、幅2~3mm、断面は三日月状。
花期は5〜6月、花茎は高さ50〜80cmになり、茎は中空で断面は鈍三角形。葉は付かない。
花茎の先に散形花序を付け、白~淡紅紫色の花を多数咲かせる。
花被片は卵状長楕円形で長さ4〜5mm、雄しべは6本で、花被片より著しく長い。
雌しべは1本、子房上位で3室。
花序にはしばしば珠芽(むかご)がつき、ときに珠芽だけで花がないものもあり、花茎に付いた
まま芽をだすこともある。種子は殆ど稔らず、主としてムカゴで繁殖する。
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