読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

恩田 陸 著「木漏れ日に泳ぐ魚 」

2009-07-31 | 山本甲士・恩田陸
二人の間柄は?ある男とは?なぜ別れなくてはならないのか?
これからどうするのか? いろんな疑問が涌いてきて読み人を小説の世界に引き込む序盤の書き込みは流石。
一組の男女が迎えた最後の夜。彼らの別れの晩に、酒を酌み交わしながら、
過去に起こったあるできごと(ある男の死)について話をする、さらに章ごとに男と女の視点が入れ替わりそれぞれの思惑を語る。
やがて夜が明けて、この物語が終わる頃に、このできごとのひとつの可能性としての真相が浮かび上がってくる設定。
『やっぱり死は生きるということの無数の選択肢の中の一つなんだよ・・・死は生の一部分なんじゃないかな』
『朝というのは人を正気、全てを日常に引き戻す。
数時間前に重大に思えたことがちっぽけなものになり、妖しく輝いて見えたものが安っぽく色褪せて見える。 』 (本文より)
緊張感みなぎる心理戦と謎解きの物語
運命と幼いころの記憶、愛と葛藤が絡み合う、読み終わって空虚感の漂うミステリーでした。
2007年 中央公論社 刊 


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