最初に世界一周のヨットの旅に出た中年夫婦が嵐に遭遇して難破し無人島にたどり着く。やがて時を経て男30人が流れ着いた太平洋の涯の無人島に、女は清子ひとりだけ。やがて夫は病で亡くなり新しい夫を決める籤引きが。
いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか?。
人間が外部との関係が遮断された場に集団で閉じ込められた場合、一体何が起こりえるだろうか?
大胆な設定で熟年女性作家らしい視点で
展開される人間の本能・食欲と性欲と感情を剥き出しにした、生にすがりつく人間たちの極限状態のサバイバル。
たった一人だけの身勝手な中年女、島の中での清子は、女という種族を自分が代表している錯覚をもつようになる。
銀行マンの夫に従順な妻を演じてきた清子の長年自分のなかにあった野性が無人島で生活を続けることで爆発したのだ。
他の男たちがしぶしぶコミュニティを作る一方で、「あたしは必ず、脱出してみせる。自分だけは生きたい、脱出したい」という強い気持ちを持ち続ける清子。
危険な状況に追い込まれれば平気で嘘をつくし、生き抜くためには権力を持っている人間に媚を売るのも平気。
まるで今の日本の問題点を凝縮したようなトウキョウ島
唯一希望は数年に一度ドラム缶を無人島に捨てに来る船に助けてもらうこと・・・(ドラム缶の中味は何?不法投棄という産廃問題もからみ)
以前読んだロビンソンクルソーや漂流記や映画の「キャストアウエイ」でもない
著者ならではの自由な発想で展開される面白い物語です。
2008年5月新潮社
いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか?。
人間が外部との関係が遮断された場に集団で閉じ込められた場合、一体何が起こりえるだろうか?
大胆な設定で熟年女性作家らしい視点で
展開される人間の本能・食欲と性欲と感情を剥き出しにした、生にすがりつく人間たちの極限状態のサバイバル。
たった一人だけの身勝手な中年女、島の中での清子は、女という種族を自分が代表している錯覚をもつようになる。
銀行マンの夫に従順な妻を演じてきた清子の長年自分のなかにあった野性が無人島で生活を続けることで爆発したのだ。
他の男たちがしぶしぶコミュニティを作る一方で、「あたしは必ず、脱出してみせる。自分だけは生きたい、脱出したい」という強い気持ちを持ち続ける清子。
危険な状況に追い込まれれば平気で嘘をつくし、生き抜くためには権力を持っている人間に媚を売るのも平気。
まるで今の日本の問題点を凝縮したようなトウキョウ島
唯一希望は数年に一度ドラム缶を無人島に捨てに来る船に助けてもらうこと・・・(ドラム缶の中味は何?不法投棄という産廃問題もからみ)
以前読んだロビンソンクルソーや漂流記や映画の「キャストアウエイ」でもない
著者ならではの自由な発想で展開される面白い物語です。
2008年5月新潮社