■『岸辺の旅』(2015 128min)
以前、予告を観て気になっていた作品が、GYAOで配信終了日2017年12月4日ギリだったので観てみた
監督:黒沢清
出演:
深津絵里 瑞希
浅野忠信 優介
小松政夫 島影
村岡希美 フジエ
蒼井優 松崎朋子
柄本明 星谷
奥貫薫 星谷薫
赤堀雅秋 タカシ
息子リョウタ
首藤康之 瑞希の父
ほか
▼あらすじ(ネタバレ注意
ピアノ講師のミズキ
白玉をつくっていると亡くなったユウスケが戻ってくる 行方が分からなくなってから3年目
Y:
オレ死んだよ 富山でもう蟹に食われてる
あの頃、病気だったんだろうね 仕事に追われてる感じで
あっという間なんだよ 全然苦しくなかった
明かりを消すと消えて再び現れる
Y:旅をする死者は多い 1ヶ所に住み着いてしまう者もいる(地縛霊?
翌朝起きて M:変な夢・・・
Yが食べたお皿はあり、Yはまだいる
M:私のこと恨んでる? 病気に気づけなかったから
Y:
オレ自身、直前まで気づかなかったんだからムリだよ
オレと一緒に来ないか?
あちこちキレイな場所がある あの世とかじゃないよ
ここに来るまで世話になって、困ってる人もいると思うんだよね
2人は長い旅の仕度をする
稲荷神社の祈願書を100枚書いて祈願していたM
Y:持ってけばいいじゃん
電車に乗るのに駅員に話しかける ほかの人にも見えるし、触れる幽霊ってスゴイ!
子どもが寄って来る(なにか分かるのかな?
駅から降りて 郵便配達のシマカゲさんを見つける
PCが壊れて困っていたのを直すY
小さな新聞屋だが、Yが来てからとても助かったという
ここで泊まっていく2人(病院のベッドみたい
Mが行方不明になったSの奥さんに似てないかと聞くが、似てないという
Y:
Sさんはオレと同じなんだよ あの人は自分が死んだことすら気づいてない
責任感が恐ろしく強いんだろうね(恐怖新聞!?
ここで強烈な夢を見て、あの人がどう死んだか分かった
早朝から働いているSを手伝うM
近所に配達してるが、話かけても無視して消える
夕飯を一緒に食べる
M:Yが帰ってきたのはどうして?
Y:えっちゃん 好きだよ
Sの趣味はチラシから花を切り抜いて壁に飾ること
台所を勝手に使って動揺するS
S:
あれ(鉄鍋)は油が染みる 歴史です
僕は投げたことがある そしたらあいつ(妻)の頭にバーンて・・・
家族だってプッツリ切れたらそれまでなんですから!
YはSを探すと酔っ払って公園にいる
Y:ウチでスキヤキ食べましょ
S:ここんとこ、どこだか分からないが、呼ばれてる気がする
おぶって帰る
S:
女房にゃ悪いことした このまま行って、なんのつながりもなくなるのが怖かった
Yさんがまた来てくれて、こうして気持ちが決まるんだなあ
ベッドに寝かせると、周囲が明るくなり花だらけ
M:Sさん、いつかまた奥さんと会えるよね
Y:さあ・・・やりたいことやって、やっと安らかになれるのかもね
抱きしめようとすると拒むY
Y:ごめんね
朝になるとSはいない
部屋はどこもすっかり荒れ果てている
(人が住まないとこうなるのか
また電車に乗る
中華屋でギョウザを作るY
この家にも泊めてもらう
Y:
初めてここでギョウザ食べた時すごい美味かった
でも金がなくて、働かせてくれたよ
ゼンナイさんとフジエさんは生きている人たち
店を手伝う2人
ガサガサだった手がツルツルになったのは水のせいと知るM
(どこに行っても料理ができるって立派な才能だな/羨
M:2人でここに住まない? ずっとこの町で暮したいな
Y:ギョウザ屋もいいな なんでオレは歯医者になんかなったんだろう?
銭湯から帰る2人
M:私、今が一番好きかも
部屋にピアノがある
フジエが子どもの頃に親が買って練習が嫌だった
Mの両親は随分前に亡くなったと話す
Mは「天使の合唱」という楽譜を見つけてピアノで弾いてみると
慌ててフジエが来て怒る
M:
すみません こういう楽器って持ち主の一部みたいなところがあるから
勝手に触るべきじゃありませんでした
フジエ:
8つ離れた妹がいた 腸が弱くて苦しんであっという間に死んじゃった
その楽譜が大好きで、何度も練習して、すっかり耳にこびりついちゃったの
一度彼女をひどくひっぱたいた 10歳の子どもに二度と触るなって怒って
それからすぐ妹は死んじゃった だから私もピアノをやめたの
親がピアノを捨てるのを止めて引き取った
そんなどうでもいいことがタコ糸みたいに絡みついてて
年をとるほど一歩も先に進めないほど過去につなぎとめてる
ほんの一瞬でもいいから戻ってマコちゃんに謝りたい
お姉ちゃんのこと許してね また天国で会おうね
あれからもう30年も経ってしまった
妹が現れ、Mはマコにピアノを弾かせる 途中でつかえると
M:自分のテンポでもう一度最初から
なめらかな演奏になって、弾き終わり笑顔になって消える
店を出る2人
主人:また、おいで
バスに乗る
バッグの中から、松崎朋子からのはがきを見つける
Y:
そういうの気にするタイプじゃないと思った
遊びに行った女でしょ どーでもいい女だし
怒って途中で降りるM
Y:終わったことなんだから
M:
私の中では全然終わってない! いつまでもバレないと思ってたの?
私はこの先10年でも20年でも絶対忘れないから!!
逆のバス停に行く
自宅で目が覚める
植物は枯れ、郵便物はたまり放題
Yの病院から郵便が届いていて、病院までトモコに会いに行く
M:Yから元気にしてるって連絡があったんです
トモコ:
私、どういう方と結婚されてるのかずっと知りたかった
想像通りで拍子抜けしました
M:トモコさんには随分励まされた 絶対私が先に見つけてやるって
トモコ:私は他の女にとられるくらいなら、いっそ死んでしまえと思うタイプです
M:私たちがごく普通のまっとうな夫婦だと知ってほしくて
トモコ:
分かります 私も結婚してますから 秋には子どもも産まれます
きっとこれから死ぬまで平凡な毎日が続くんでしょうね
でもそれ以上に何を求めることがあります?
家に戻り、また慌てて白玉を作ってYを待つ(Yが戻ると分かるんだね
また旅に戻り、バスで山奥に着く
星谷は大歓迎 Yは寒村のみんなに勉強を教えていた
星谷:先生の話はぐいぐい引き込まれて面白いんですよ
好きなだけいてくれというH
嫁のカオルは挙動不審
Kの息子リョウタが来て、みんなに知らせると大勢プレハブに集まる
Yは、光の粒の質量がゼロだというアインシュタインの話を始める(難しい・・・
Y:
何もない粒って何でしょう
小さな世界ではゼロがゼロではなかった
宇宙も無数のゼロで埋めつくされている
無こそすべての基本なんです
山も川も地球もニンゲンも、この“無”の組み合わせからなりたっているんです
どうもそれがこの世界の本当の姿のようですね
(宮沢賢治みたい 小さな教室で農民に哲学を教えて
M:
Yと会う前の話してもいい? 1つだけ言ってなかったことがある
短大に入って半年くらいの時、先輩と付き合って4年も続いた
でも結婚て言葉が一度も浮かばなかった
だから別れても全然サッパリしたの
ヒトとヒトの縁てフシギね
ほんはまだ言ってないこといっぱいあるの ヒミツw
カオルが河川敷で何か探しているのを見るM
リョウタが忘れたお弁当を夫婦滝まで届ける
リョウタ:あそこの黒い部分見える? 洞窟 死んだ奴の通り道なの
M:そうか あの人はここから来たんだ
リョウタ:何ゆってんの バスで来たんだよ お母さんといっしょに
H:
あんたにカオルはどう見える?
うちの息子が死んで2年になります
ウチを売るとかで口論になって、そのままウチを出ていってあいつは死にました
旅先で風邪をこじらせて 野垂れ死にってやつですか
骨を拾いに行こうとしたら、自分が行くと言ってカオルはそれっきり
覚悟を決めていたら、Y先生と帰ってきました
手足もアザだらけで、すっかり痩せちまって
何も話したくないって言うし、魂が抜けたみたいにボーっとしてるだけで
滝へは行かれましたか?
昔話を信じるわけじゃないが、たぶんカオルはもう生きてはいないんでしょう
私はこれ以上ここから誰か消えるのはガマンできない
その気持ちがあのコを留まらせているわけですよ
でも、いつまでも続かんわね
Y:
カオルさんは全然違うよ オレと同じなのは亭主のほう
あの男は崩れかけてるのに、カオルさんをズルズル連れまわしている
このままだときっと得体の知れないゾッとするものになっていくんだろうね
また滝へお弁当を届けに行くM
気配を感じて、父を見つける
父:
父さんはお前が心配でたまらなかったんだ
私が死んだ時、お前はたった16だった ずっとお前を見ていた
あの男と結婚した時は大変だと思った
M:こうなると分かってたの?
父:
ああ、本当にすまない かばうんじゃない
あいつがお前にしたことといったら・・・
M:お母さんが5年前亡くなったの知ってるよね? 向こうで会えた?
父:穏やかに暮してる あの男のことは忘れろ
M:私は大丈夫 そうお母さんにも伝えて
(たとえ守ってくれていても、私生活丸見えってプライバシーないのはヤダなあ・・・
M:
違いなんて何もないのかもね Yと私と
だったら私もさっさとそっちの世界に行ってもいいのかな
Y:いいんじゃない 今のままで
リョウタが「お母さんが知らない人と歩いてた」と言い、森に探しに行くと
ヨロヨロした夫タカシとカオルがいる
タカシ:その気はヒトじゃねえな 意志の弱い女だ
Y:
いつまでそんなことしてるつもりだよ
あんたたっぷり生きたんだよ 性根が腐るほど
タカシ:未練があるのはあいつのほうだ
K:この人は私が看取ります!
M:このままにしといてあげよう 区切りなんてつけないほうがいいことだってあるよ!
タカシ:こうやって終わるのか 不安だよ
Y:今の望みを言えよ!
タカシ:死にたくなかった カオルにそう伝えてくれ
タカシは消える
Y:痛いんだ 空も風も
フラフラで教室に来るY
Y:
今日は宇宙の話をします 始まりがあったなら終わりもあるはず
そろそろ終わりが近づいているんでしょうか?
そうではないんです 宇宙はどんどん広まっている
ニンゲンが知ってるのはたった4%しかない
だから137億年なんて一瞬 宇宙はまだ生まれたばかり
みなさんは幸運にもこの誕生したばかりの若々しい宇宙に産まれることが出来ました
これってスゴイと思いませんか?
計算によると28億年後には地球の温度が140度まで上がってヒトが住めなくなり
40億年後には銀河系とアンドロメダ銀河が衝突するが、それもささいな出来事なんでしょう
我々は宇宙のはじまりに立ち会っている
生まれてきて本当によかった
それがこの時代で本当に幸運でした
ボロボロになって帰るY
Y:みっちゃん好きだよ
翌朝、祈願書を見て、「案外効き目があったのかなw」
マッチ箱を渡し「帰る時はコレ燃やす約束でしょ?」
またバスに乗る
M:Yがゆってた場所ってここ?
Y:その1つ でももっとあるんだ
M:行かなきゃいけないの? そんな所行かなくていい ウチに一緒に帰ろうよ!
Y:ちゃんと謝りたかった でもどうしたらいいかずっと分からなかった
M:望みは叶ったよ また会おうね
あっという間に消える
祈願書を燃やすM
おくり人みたいな2人だったな
以前、予告を観て気になっていた作品が、GYAOで配信終了日2017年12月4日ギリだったので観てみた
監督:黒沢清
出演:
深津絵里 瑞希
浅野忠信 優介
小松政夫 島影
村岡希美 フジエ
蒼井優 松崎朋子
柄本明 星谷
奥貫薫 星谷薫
赤堀雅秋 タカシ
息子リョウタ
首藤康之 瑞希の父
ほか
▼あらすじ(ネタバレ注意
ピアノ講師のミズキ
白玉をつくっていると亡くなったユウスケが戻ってくる 行方が分からなくなってから3年目
Y:
オレ死んだよ 富山でもう蟹に食われてる
あの頃、病気だったんだろうね 仕事に追われてる感じで
あっという間なんだよ 全然苦しくなかった
明かりを消すと消えて再び現れる
Y:旅をする死者は多い 1ヶ所に住み着いてしまう者もいる(地縛霊?
翌朝起きて M:変な夢・・・
Yが食べたお皿はあり、Yはまだいる
M:私のこと恨んでる? 病気に気づけなかったから
Y:
オレ自身、直前まで気づかなかったんだからムリだよ
オレと一緒に来ないか?
あちこちキレイな場所がある あの世とかじゃないよ
ここに来るまで世話になって、困ってる人もいると思うんだよね
2人は長い旅の仕度をする
稲荷神社の祈願書を100枚書いて祈願していたM
Y:持ってけばいいじゃん
電車に乗るのに駅員に話しかける ほかの人にも見えるし、触れる幽霊ってスゴイ!
子どもが寄って来る(なにか分かるのかな?
駅から降りて 郵便配達のシマカゲさんを見つける
PCが壊れて困っていたのを直すY
小さな新聞屋だが、Yが来てからとても助かったという
ここで泊まっていく2人(病院のベッドみたい
Mが行方不明になったSの奥さんに似てないかと聞くが、似てないという
Y:
Sさんはオレと同じなんだよ あの人は自分が死んだことすら気づいてない
責任感が恐ろしく強いんだろうね(恐怖新聞!?
ここで強烈な夢を見て、あの人がどう死んだか分かった
早朝から働いているSを手伝うM
近所に配達してるが、話かけても無視して消える
夕飯を一緒に食べる
M:Yが帰ってきたのはどうして?
Y:えっちゃん 好きだよ
Sの趣味はチラシから花を切り抜いて壁に飾ること
台所を勝手に使って動揺するS
S:
あれ(鉄鍋)は油が染みる 歴史です
僕は投げたことがある そしたらあいつ(妻)の頭にバーンて・・・
家族だってプッツリ切れたらそれまでなんですから!
YはSを探すと酔っ払って公園にいる
Y:ウチでスキヤキ食べましょ
S:ここんとこ、どこだか分からないが、呼ばれてる気がする
おぶって帰る
S:
女房にゃ悪いことした このまま行って、なんのつながりもなくなるのが怖かった
Yさんがまた来てくれて、こうして気持ちが決まるんだなあ
ベッドに寝かせると、周囲が明るくなり花だらけ
M:Sさん、いつかまた奥さんと会えるよね
Y:さあ・・・やりたいことやって、やっと安らかになれるのかもね
抱きしめようとすると拒むY
Y:ごめんね
朝になるとSはいない
部屋はどこもすっかり荒れ果てている
(人が住まないとこうなるのか
また電車に乗る
中華屋でギョウザを作るY
この家にも泊めてもらう
Y:
初めてここでギョウザ食べた時すごい美味かった
でも金がなくて、働かせてくれたよ
ゼンナイさんとフジエさんは生きている人たち
店を手伝う2人
ガサガサだった手がツルツルになったのは水のせいと知るM
(どこに行っても料理ができるって立派な才能だな/羨
M:2人でここに住まない? ずっとこの町で暮したいな
Y:ギョウザ屋もいいな なんでオレは歯医者になんかなったんだろう?
銭湯から帰る2人
M:私、今が一番好きかも
部屋にピアノがある
フジエが子どもの頃に親が買って練習が嫌だった
Mの両親は随分前に亡くなったと話す
Mは「天使の合唱」という楽譜を見つけてピアノで弾いてみると
慌ててフジエが来て怒る
M:
すみません こういう楽器って持ち主の一部みたいなところがあるから
勝手に触るべきじゃありませんでした
フジエ:
8つ離れた妹がいた 腸が弱くて苦しんであっという間に死んじゃった
その楽譜が大好きで、何度も練習して、すっかり耳にこびりついちゃったの
一度彼女をひどくひっぱたいた 10歳の子どもに二度と触るなって怒って
それからすぐ妹は死んじゃった だから私もピアノをやめたの
親がピアノを捨てるのを止めて引き取った
そんなどうでもいいことがタコ糸みたいに絡みついてて
年をとるほど一歩も先に進めないほど過去につなぎとめてる
ほんの一瞬でもいいから戻ってマコちゃんに謝りたい
お姉ちゃんのこと許してね また天国で会おうね
あれからもう30年も経ってしまった
妹が現れ、Mはマコにピアノを弾かせる 途中でつかえると
M:自分のテンポでもう一度最初から
なめらかな演奏になって、弾き終わり笑顔になって消える
店を出る2人
主人:また、おいで
バスに乗る
バッグの中から、松崎朋子からのはがきを見つける
Y:
そういうの気にするタイプじゃないと思った
遊びに行った女でしょ どーでもいい女だし
怒って途中で降りるM
Y:終わったことなんだから
M:
私の中では全然終わってない! いつまでもバレないと思ってたの?
私はこの先10年でも20年でも絶対忘れないから!!
逆のバス停に行く
自宅で目が覚める
植物は枯れ、郵便物はたまり放題
Yの病院から郵便が届いていて、病院までトモコに会いに行く
M:Yから元気にしてるって連絡があったんです
トモコ:
私、どういう方と結婚されてるのかずっと知りたかった
想像通りで拍子抜けしました
M:トモコさんには随分励まされた 絶対私が先に見つけてやるって
トモコ:私は他の女にとられるくらいなら、いっそ死んでしまえと思うタイプです
M:私たちがごく普通のまっとうな夫婦だと知ってほしくて
トモコ:
分かります 私も結婚してますから 秋には子どもも産まれます
きっとこれから死ぬまで平凡な毎日が続くんでしょうね
でもそれ以上に何を求めることがあります?
家に戻り、また慌てて白玉を作ってYを待つ(Yが戻ると分かるんだね
また旅に戻り、バスで山奥に着く
星谷は大歓迎 Yは寒村のみんなに勉強を教えていた
星谷:先生の話はぐいぐい引き込まれて面白いんですよ
好きなだけいてくれというH
嫁のカオルは挙動不審
Kの息子リョウタが来て、みんなに知らせると大勢プレハブに集まる
Yは、光の粒の質量がゼロだというアインシュタインの話を始める(難しい・・・
Y:
何もない粒って何でしょう
小さな世界ではゼロがゼロではなかった
宇宙も無数のゼロで埋めつくされている
無こそすべての基本なんです
山も川も地球もニンゲンも、この“無”の組み合わせからなりたっているんです
どうもそれがこの世界の本当の姿のようですね
(宮沢賢治みたい 小さな教室で農民に哲学を教えて
M:
Yと会う前の話してもいい? 1つだけ言ってなかったことがある
短大に入って半年くらいの時、先輩と付き合って4年も続いた
でも結婚て言葉が一度も浮かばなかった
だから別れても全然サッパリしたの
ヒトとヒトの縁てフシギね
ほんはまだ言ってないこといっぱいあるの ヒミツw
カオルが河川敷で何か探しているのを見るM
リョウタが忘れたお弁当を夫婦滝まで届ける
リョウタ:あそこの黒い部分見える? 洞窟 死んだ奴の通り道なの
M:そうか あの人はここから来たんだ
リョウタ:何ゆってんの バスで来たんだよ お母さんといっしょに
H:
あんたにカオルはどう見える?
うちの息子が死んで2年になります
ウチを売るとかで口論になって、そのままウチを出ていってあいつは死にました
旅先で風邪をこじらせて 野垂れ死にってやつですか
骨を拾いに行こうとしたら、自分が行くと言ってカオルはそれっきり
覚悟を決めていたら、Y先生と帰ってきました
手足もアザだらけで、すっかり痩せちまって
何も話したくないって言うし、魂が抜けたみたいにボーっとしてるだけで
滝へは行かれましたか?
昔話を信じるわけじゃないが、たぶんカオルはもう生きてはいないんでしょう
私はこれ以上ここから誰か消えるのはガマンできない
その気持ちがあのコを留まらせているわけですよ
でも、いつまでも続かんわね
Y:
カオルさんは全然違うよ オレと同じなのは亭主のほう
あの男は崩れかけてるのに、カオルさんをズルズル連れまわしている
このままだときっと得体の知れないゾッとするものになっていくんだろうね
また滝へお弁当を届けに行くM
気配を感じて、父を見つける
父:
父さんはお前が心配でたまらなかったんだ
私が死んだ時、お前はたった16だった ずっとお前を見ていた
あの男と結婚した時は大変だと思った
M:こうなると分かってたの?
父:
ああ、本当にすまない かばうんじゃない
あいつがお前にしたことといったら・・・
M:お母さんが5年前亡くなったの知ってるよね? 向こうで会えた?
父:穏やかに暮してる あの男のことは忘れろ
M:私は大丈夫 そうお母さんにも伝えて
(たとえ守ってくれていても、私生活丸見えってプライバシーないのはヤダなあ・・・
M:
違いなんて何もないのかもね Yと私と
だったら私もさっさとそっちの世界に行ってもいいのかな
Y:いいんじゃない 今のままで
リョウタが「お母さんが知らない人と歩いてた」と言い、森に探しに行くと
ヨロヨロした夫タカシとカオルがいる
タカシ:その気はヒトじゃねえな 意志の弱い女だ
Y:
いつまでそんなことしてるつもりだよ
あんたたっぷり生きたんだよ 性根が腐るほど
タカシ:未練があるのはあいつのほうだ
K:この人は私が看取ります!
M:このままにしといてあげよう 区切りなんてつけないほうがいいことだってあるよ!
タカシ:こうやって終わるのか 不安だよ
Y:今の望みを言えよ!
タカシ:死にたくなかった カオルにそう伝えてくれ
タカシは消える
Y:痛いんだ 空も風も
フラフラで教室に来るY
Y:
今日は宇宙の話をします 始まりがあったなら終わりもあるはず
そろそろ終わりが近づいているんでしょうか?
そうではないんです 宇宙はどんどん広まっている
ニンゲンが知ってるのはたった4%しかない
だから137億年なんて一瞬 宇宙はまだ生まれたばかり
みなさんは幸運にもこの誕生したばかりの若々しい宇宙に産まれることが出来ました
これってスゴイと思いませんか?
計算によると28億年後には地球の温度が140度まで上がってヒトが住めなくなり
40億年後には銀河系とアンドロメダ銀河が衝突するが、それもささいな出来事なんでしょう
我々は宇宙のはじまりに立ち会っている
生まれてきて本当によかった
それがこの時代で本当に幸運でした
ボロボロになって帰るY
Y:みっちゃん好きだよ
翌朝、祈願書を見て、「案外効き目があったのかなw」
マッチ箱を渡し「帰る時はコレ燃やす約束でしょ?」
またバスに乗る
M:Yがゆってた場所ってここ?
Y:その1つ でももっとあるんだ
M:行かなきゃいけないの? そんな所行かなくていい ウチに一緒に帰ろうよ!
Y:ちゃんと謝りたかった でもどうしたらいいかずっと分からなかった
M:望みは叶ったよ また会おうね
あっという間に消える
祈願書を燃やすM
おくり人みたいな2人だったな