メランコリア

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アルバン・ベルク歌劇『ルル』(全3幕)

2010-12-16 20:15:52 | 演劇・オペラ
アルバン・ベルク歌劇『ルル』(全3幕)
指揮:ピエール・ブーレーズ
パリ・オペラ座管弦楽団
演出:パトリス・シェロー 
出演:
テレサ・ストラータス(ルル)
イヴォンヌ・ミントン(ゲシュヴィッツ伯爵令嬢)
ロバート・ティアー(画家ヴァルター)
ケネス・リーゲル(作曲家、シェーン博士の息子・アルヴァ)
フランツ・マツーラ(シェーン博士・切り裂きジャック)
ゲルト・ニーンシュテット(ロドリーゴ)
ハンナ・シュヴァルツ(学生・ボーイ)

【収録:1979年,パリ・オペラ座】


ドイツ語のオペラ。退廃的な狂気に満ちた雰囲気はケン・ラッセル映画を観ているようだった。
延々とつづく不協和音。このオペラの楽譜を見たら、さぞビックリするだろうな
歌わないで感情のままに言うセリフもけっこうあったし。幕間の絵は月夜だろうか?

このルル役の歌手は、以前観た『外套』の人だ!/驚
年齢と役が合ってないのがちと残念


あらすじ
画家ヴァルターに絵を描いてもらっている時に激しく言い寄られるルル。
帰ってくるなり、それを見てショック死してしまう夫ゴル博士
遺産が入って喜ぶルル。

ヴァルターと結婚したルル。貧しかった子どもの頃に育ててくれたシェーン博士が訪ねてくる。
彼が婚約した知らせを聞いて激しく嫉妬するルル。昔の愛人シゴルヒも金の無心にやって来る。
シェーン博士はヴァルターにルルの正体を明かし、ヴァルターもまた自殺してしまう/驚

シェーン博士の息子アルヴァの作曲したバレエを踊り好評を得ているが、
博士が婚約者と観に来たことに動揺し、舞台を抜けて、博士を責め立て、誘惑し、
とうとう婚約解消の手紙を書かせる。

博士と結婚したルル。だが、ビアンのゲシュヴィッツ伯爵令嬢、ボーイなどなど、
ルルの浮気相手は数知れず、半狂乱となった博士は銃を渡し「これで自分を撃て」と強要。
もめた末にルルは博士を撃ち殺してしまう

牢獄に入ったルルを脱獄させようと、伯爵令嬢は流行りのコレラを自らに伝染し、
それをルルにも伝染して、身代わりとなって脱獄に成功。

株で儲けた連中のパーティで、ルルは「警察に密告されたくなければ、エジプトの売春宿に行け」と強請られる。
株が暴落した混乱を利用して、ボーイと服を交換し逃亡するルル。

シゴルヒ老人、アルヴァとともにロンドンの屋根裏部屋でとうとう客をとっているルル。
伯爵令嬢はルルの若かりし頃の絵を持ってきて、彼女を失望させる。
アルヴァは黒人の客に殴り殺され、シゴルヒは去ってゆく。
シェーン博士に似た客をとってきたルル。実は彼は有名な切り裂きジャックで、
ルルも令嬢も殺されてしまう。


とことん堕ちてゆくヒロイン・ルルと、彼女に熱狂する変質的な男女。
最後は登場人物のほとんどが死んでしまうという、今までで最高に陰鬱な悲劇だった。
こんな風になんでもありな題材もあるんだね、オペラの世界って広い!!!



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