メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

知ってほしい・・・。“いじめ後遺症”@あさイチ

2017-02-24 13:21:24 | テレビ・動画配信
知ってほしい・・・。“いじめ後遺症”@あさイチ

専門家ゲスト:長尾圭造さん(精神科医)
ゲスト:坂下千里子さん、青木さやかさん
VTRゲスト:友田明美さん(医学博士 福井大学子どものこころの発達研究センター 教授)
リポーター:古野晶子アナウンサー

いじめの認知件数は、22万4,540件と過去最高(文科省調査・2015年度)
 そんな中、子どもの頃にいじめを受けた人が大人になっても
 その後遺症に苦しむ“いじめ後遺症”の実態が、最近明らかになってきました。

 容姿のいじめをきっかけに何十年も「摂食障害」に苦しむ女性や、
 いじめから20年後に突然思い出して「対人恐怖症」に陥った女性もいて、
 多くの精神科医がその深刻さを訴えています。

 いじめ被害者のその後を追ったイギリスの調査では、40年たっても
 うつ病のなりやすさや自殺傾向がいじめられていない人と比べてかなり高くなることが疫学的に明らかになっています。
 いじめはその人の健康リスクや人生までも脅かすのです。

 さらに、最新の研究では、いじめなどの幼い頃のストレスが、脳の形や機能に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
 番組では、知られざる“いじめ後遺症”の実態を明らかにするとともに、
 いじめの過去を精算する克服法もお伝えし、“いじめ後遺症”について考えました。”


【ブログ内関連記事】

“原発避難いじめ” 子どもに何が?大人はどうする?@週刊ニュース深読み

ドラマ『海底の君へ』


大人になってからも影響が出る「いじめ後遺症」
「いじめ後遺症」という言葉自体は、当事者、精神科医の間で使われるようになった

ヤ:トラウマとかPTSDとどう違うのか分からない


いじめられた経験のある子どもを研究したイギリスの論文が世界で高い評価を受けた


うつ、不安障害の発症率が高くなることが分かった
 


今回のアンケート調査では、直接会ったり、電話も怖いため、メールでのやりとりになった方もいる


 

 

 

 


当事者の経験談(Aさん 女性 39歳
マスクと髪、マフラーで顔のほとんどを隠した状態でいつもいる

A:
周りにブサイクと言われるのが嫌で顔を出したくない

そう思われるんだろうなと思うので隠したい

病院で事務員として働いているが、ほぼ1年中マスクは手放せない

<きっかけは中学時代のイジメ>
 

男子生徒から何度も言葉のいじめを受けていた
人がいなくなってから、机に書かれた文字を必死で消そうとしたことが
今でも心に突き刺さっている



A:
消えないないです 思ってますよ ずっと
消えるわけないじゃないですか いちばん言われて嫌な言葉
私は「顔面凶器」 だから隠したい
少しでもちっちゃくなりたい


お金を脅し取られたりもして、次第に自分が価値のないものと思うようになった

A:
誰かに認めてもらいたいと思うほうが高望みだし
なら、自分が我慢すればいい

とにかくその言葉と、自分の容姿と性格だから
なにかいらないことは言わないように、人を傷つけないように

Aさんは出来るだけ目立たないようにひっそり暮らしてきた

A:
自分が嫌い 大嫌い ほんとに嫌い
みんな、自分を好きなんかなって思います
羨ましい 自分に自信をもって歩けるって



<手の傷>



A:
いつも食べたら戻しているので「吐きだこ」ができていて
指を突っ込んで吐くので、歯がどうしても当たる
それが傷になって積み重なって


少しでも顔や体を小さく見せようとして、毎日吐いている
お腹が一杯にならないと吐けないので、無理をしてお菓子を食べた後
さらに1人前の食事をとって吐く生活を続けている


<日々の買い物も辛いことの1つ>

今も地元で暮らしているため、いじめた人に会う可能性があるから
町を出たいとも思うが、両親の介護があるため出られない

Q:25年以上続いた苦しみを、今話してくれた理由とは

A:
私みたいにならないで
私は間違ったことをしてるか
自分の体を傷つけるようなことはしないでほしい
ちゃんと誰かに愛されてほしい
言えないかもしれないけれど、誰かに大切にしてもらってほしい


<キャベツを刻むこと>

今、Aさんはいじめられた過去から少し逃れられる方法を見つけた


A:
何も考えない 思わない時間っていうのがこの時間
今のこれ(手の傷)を見ると やはり思います

自分が言われた言葉によってするようになった“吐く”という行為は
この手が証拠として残っている

でも、(キャベツを)切っている時は、これは見えない
見るのはキャベツと包丁

1週間に4球以上のキャベツを切ることで辛さをしのいでいる


専門家:


キャベツを切っている時だけが、心が休まる時っていうのは子どもにもよくある
1本のクレヨンがなくなるまで一心不乱に描き続けて
クレヨンがなくなって、やっとため息をついて終わる

絵じゃなかったりする “非生産的なこと”と私は呼んでいるけれども
それによってちょっと気持ちがホッとする


患者の中には自身で気づかず、話していくうちに「いじめ後遺症」ではないかという方もいる

専門家:
漠然とした不安がある、気分が落ち込むという方が来られたら「いつからですか?」と聞く
「高校生の時は?」「中学生の時は?」と聞いていくうちに
「そういえば、いじめの時から少し思っていた」と気づく
忘れていたけれども、なにかあるごとに不安が強まっていくということはよくある

イ:パニック障害、対人恐怖症、うつと診断されてしまうと、それが原因だと思いがちでは?

専門家:スタートはだいぶ過去にある

ヤ:医師のところに来るまでは気づかないんですか?

専門家:結びつかない

イ:結びついた後はなにか変わる?

専門家:
今の不安だけを取り除いてもダメ
遡って「根治療法」 もとから少しずつ治していかないと
同じようなことがあるとぶり返す可能性がある


●「いじめ後遺症」の方は「自責の念」をもちがち

専門家:
いじめは人間関係の軋轢から起こる

自分にも非があるのではないかと思って、自分を責める
自分に悪いところがあると思っているから、なかなか人に言えない
それが1つ、いじめられている子どもたちが親や先生に言わない背景になる


ヤ:言い返すことも出来ない?

専門家:
言い返せたらケンカ

いじめるコは攻撃的で支配的なコ、いじめられるコは受け身的で優しいコ
家でも親が「人に親切にしなさい」「迷惑をかけてはいけない」などとしつけられている
人の話を受けてしまう


●「自責の念」が出ると「自尊感情」が低くなる

専門家:
ヒトはみんな社会生活をしていますから、学校、地域の中でうまくいってるかどうかというのが自尊感情
いじめられた人は、まず人間関係がダメですから、物事に集中できないと宿題とかだんだん物事も出来なくなる
すると達成感も得られない 自分の評価が落ちる 自尊感情も同時に低下してしまう

「自傷行為」「摂食障害」にもつながる


いじめられていた過去をすっかり忘れ、大人になってから突然思い出すこともある
例2:Bさん 52歳 10年前に突然「いじめ後遺症」を発症 今は回復している

 
「マジ、デブですw」

体型を理由に男子生徒から「ブタ」などと言われて、毎日のようにいじめられていた
いじめはエスカレートし、殴る、蹴るという暴力に発展
それでもBさんは自分のせいだと思っていた

B:
自分は太っている すぐ泣くから、というのがたぶん原因じゃないか
それを信じ込むというか「私が悪いんだ」と、
すべての原因を私が作っているみたいに埋め込まれた感じはある

もういじめられたくないと思い、地元の中学には進まず、私立に進学
大学卒業後、結婚、2人の子どもと幸せな日々を送っていた

10年前 事務職として働いていた40代の頃
上司が女性社員をランチに誘い、自分だけ誘われず一人残されたように感じた
すると、小学校時代のいじめられていた時の感情がよみがえってきた


B:
無視されたり、知らん顔されるのも「私に原因があるのかしら?」とか
テーブルの物がひっくり返ったら「私が揺らしたかしら?」
全然関係ないことでも、すべての原因が「私が悪いのか?」ていう感じで

次第に人の目が怖くなり、退職してしまった
「対人恐怖」に陥り、家に引きこもるようになる
つねに誰かに怒られるのではないかと怯えて、ひたすら隅々まで拭き掃除をし続ける日々を送っていた

買い物など外出しなければならない時は、必ずヘッドフォンをしていた
人の声が聞こえてくるのが怖いため


B:
自分が悪いから無視されたんだ、それをずーっとたどっていくと
小学校の時、いじめられたことまで遡って
心の中で繰り返し繰り返し(思い出して)怖くなって
「私という人間が世の中で存在することさえ許されない」と思った


専門家:
普段、過去の記憶は脳に残っているが、日常生活の中で忘れたままになっている

でも、似たような雰囲気、出来事に遭遇すると、急にきっかけ「リマインダー」となって思い出して戻ってしまう
記憶だけじゃなく、感情、考え方とかも戻って、いじめられた時とまったく同じ状況がふりかかる
大きな声でいじめられていたら、誰かが大きな声を出した時にふとよみがえるなど


FAX:
「子どももいじめられているのではないかと、自分の記憶がフラッシュバックして影響するのではないかと思う」

「男性恐怖症でしたが、幸い結婚し、男子を授かりましたが、
 我が子なのにどこか怖くなり虐待に近いことをしてしまいました
 なんとか立ち直りましたが、いまだに夫の兄弟たちが苦手です」


有働:思い出と違って、前とまったく同じ状態になるのはなぜ?

専門家:
その時にとっても嫌な思いをしたから
記憶はその出来事ごと覚えている 知識としての記憶とは違うので
出来事そのものがよみがえってくる

有働:よみがえらないようにすることはできない?

専門家:
できます それが治療
過去の記憶が冷凍保存されているような状態ですから
それがなにかのきっかけで解凍してポッと出てくる

ヤ:いつ解凍するかは人それぞれなんですか?

専門家:きっかけ次第

アナ:自分の頭の中で過去がちゃんと整理できれば、すべての人がよみがえるわけではない

専門家:
気持ちの整理ができていればいい
トラウマというのは、その時の気持ちが加工されずにそのままあるから戻る

ヤ:整理とはどういう?

専門家:
出来事を自分で受け止めて、ああいう事があって、自分はこう思ったけれども
相手はこういう事情があって、自分にそれほど悪意はなかったけれども
こういうことをしたんだなというように
自分のせいじゃないという考え方がもてるようになる


10年、20年経てば、人格も成長する
物事の考え方、受け止め方も変わってくる
あの時はそう思ったけど、今考えてみれば、こうだなと加工できればだいぶ減衰する

イ:
いじめられた時の年代にもよるのかな 小さい頃の虐待もいじめじゃないですか
その時、思い出さないようにフタをしてしまったら、整理できないまま大人になっちゃうと思う


FAX:
小学校高学年にいじめを受けた 担任に相談しても、
いじめる側から嫌われたくないため、味方になった嫌な思い出があります
やはり大人になった今でも人が怖いです

アナ:いじめられた本人はもちろん、周囲も非常に大きなカギを握っていることになる


例3:Cさん 43歳 いじめられてから30年以上後遺症に苦しんできた
今も「対人恐怖」があるため、職場を短期に変えられる派遣の仕事をしている
いじめられた中学時代に、大人が誰も助けてくれなかったのがとても辛かった

C:
孤独だし、辛いし、


当時、Cさんはクラスメイトから突然無視され、「臭い」「汚い」と毎日罵られるいじめを受けていた
追い討ちをかけたのは担任の教師の対応 いじめを知っていながら何も行動を起こしてくれなかった

C:
先生だから助けてくれると思うじゃないですか
なんで先生なのに助けてくれないの?という感じがありました


さらに失望したのは親の態度


「それぐらい我慢しなさい」

C:
なんで分かってくれないのか 悲しい気持ちでした
学校が辛いのはいじめなのに、(大事なのは)将来じゃなくて今なんだよって思った
誰よりも分かってほしいじゃないですか、親には
一番分かって欲しい人に分かってもらえなかったのが辛い


イ:最初に22万件て出たけれども、もっと多いんじゃないかって思う

アナ:いじめは子どもだけでは解決できないですものね

専門家:
22万件もあるようなことを子どもに任せていいのかと やはり大人の力がいる

子どもは、生活が家と学校しかない 学校でいじめられ、家では親にああいう言葉を言われる
そうするともう住む世界がない


しかも、自責の念があって、自尊感情が落ちていますから
もう自分なんか死んでもいいんだと思っても不思議ではない


有働:親が言ってはいけない言葉にはどんなものがある?



専門家:
これってフツーの親がフツーに言う言葉 しつけとしてはこれでいい
でも、今困っている たとえば風邪をひいて熱を出しているのと同じ
そんな時にこんなこと言うでしょうか?

やはり親は困っていることに対処しないといけない
それはどうなの?と聞き役に回る 看護婦さんのように

ヤ:
親も日常が忙しいと、なかなか子どもの発した言葉を正面から受け止めずに
こういう言葉で返してしまうのはありそう

専門家:
日常が大事 日ごろから子どもの言葉をしっかり聞いている親なら、たぶん子どもも言うでしょう
でも、このような返事しか戻ってこないとなると、ああ、もうこの親はダメだなと思って言わない
学校でも家でも言えずに黙ってしまう


青木:親の自尊心が低いと、子どものいじめを受け止めるのも辛いですよね

イ:
「子どものケンカに親が出るのはどうなのか」とずっと昔から言われているけれども
これはケンカじゃないんだってことですよね

坂下:優しいコに育てるといじめられる側になっちゃうってところがひっかかる

専門家:
どうしても力関係が強いコと弱いコがいる それが強まると支配する側と支配される側の関係になる
この構造は一瞬にしてできるわけではない

有働:じゃあ、どう言えば子どもはちゃんと話してくれる?

専門家:
日ごろ、「今日は困ったことなかった?」「学校で何があった?」と聞く姿勢があるといい
いつも親は指示・命令・判断して「こうしなさい」と言ってしまう
これはしつけの基本ですが、そう言ってしまうと、聞く態度はなくなるのでダメ
聞いてから、言うだけ言わせてから、「こうしたら?」という両面がないと不十分

(命令口調は直らないな 親は一生“子どもは子ども”と思っているから




なぜ「いじめ後遺症」が起こるのか、最新のメカニズムが脳科学から分かってきた
 

友田さんは、子どもの頃のいじめの強いストレスが脳に与える影響を調べている
「いじめ後遺症」は脳が変化した結果と考えている

友田:
高齢者になっても、いじめ体験はずっと引きずって残っています

言葉による暴力 体には傷をつけず、心理的ないじめ体験でも
脳は少なからず変化するということもあり得る


ハーバード大学と共同で行った「暴言虐待」を受けた子どもたちの脳がどう変化したのかを調べた研究(2011)

赤い部分「聴覚野」の容積が14%増加している
 

それによって脳に人の声が入りづらくなり、対人関係に支障をきたすことにつながる

友田:
脳の防衛本能かもしれない「これ以上ストレスに耐えられないよ」
「言葉の暴力を入れたくない」という悲しい脳の適応かもしれない


この他にも、厳しい体罰を受けると感情や思考に関わる「前頭前野」の容積が約19%減ることが分かっている
うつ病の原因となる「気分障害」につながることが指摘されている



友田:
いじめも被害者にとっては、一生引きずるような心の傷になりうる
癒されにくい心の傷が脳に刻印されてしまう


イ:大人になってからいじめを受けた人もそうなるんですか?

アナ:これは子どもの成長過程の中での研究結果

専門家:
神経細胞は、昔は変化しないと言われていたが、やはり活動していて変化する
なので回復する 神経細胞が元に戻る可能性もある 「リハビリ」


「扁桃体」(感情をつかさどる部分)


(毎回出てくるね、「扁桃体」

アナ:治療によって変化することが分かった



有働:その治療はどこへ行けばできる?

アナ:心療内科とかに行くことで分かる
(心療内科はそんなに進んでいないぞ ただクスリを出すので精一杯 カウンセリングは高額だし


FAX:そもそも「いじめ後遺症」になる人、ならない人の違いは何ですか?

専門家:
受け止め方をどう処理するか 問題解決力
それから、周りにサポートしてくれる人がいるかどうか
環境によっても変わります
ちょっとしたサポートでも考え方、受け止め方が変わる、関係が変われば、後遺症は減ります


イ:精神科医の方はみなさん「いじめ後遺症」について分かっている?

専門家:それはもう分かっている(どうかなあ?

FAX:
「“いじめられっ子”という言葉自体に大きな違和感を感じます
 それだけで傷つく人もいます “いじめ被害者”と言うべき」

専門家:
そういう子どもがいるというのではなく、被害者と加害者がいるということなのでご指摘は正しいと思う


FAX:
「私は、またいじめられるのでは?という恐怖心から、進学してからいじめる側になってしまいました
 今ではいじめ関連のニュースを見るたびに、怒りと後悔が浮かびます 20歳女性」


「小学生にとって教室という空間は、世界の大きな部分を占めます
 クラスのバランスを崩してはいけない、という強迫観念に似たものに縛られます
 “異質なもの”と判断される怖さ 弾き出されてはいけない
 すべてはみんなが作り出した雰囲気だったのではないかと思う」

(今の閉鎖的な教育環境、歪みが見えるし、大人にも“異質なもの”を排除する気持ちはあるからその反映でもある


ヤ:
一様に責めたくはないけれども、机に落書きされていたのを見た先生がなぜ手を打たなかったのかとか
教室の中での大人である先生ってなんなんだろうなって改めて思った

専門家:
学校によって適切な対応をされているところは多々あります
何十万件もある中で1つでも漏れると、ほんとはいけないことだけれども
多くはかなり頑張っておられます しかし漏れる瞬間もないこともない

先生がたまたま教員室に行った時にやっちゃうとか
大体、大人の目があるところでは誰もいじめませんから
隙間、隙間でやる その隙間を作らないことが学校が一番やるべきこと

ヤ:最近のニュースでは「これはいじめではない」と言ってしまう大人もいるから首をかしげたくなる



「いじめ後遺症」を克服したBさん
10年が過ぎ、今では回復して、週に6日介護の仕事をしている

Bさん:
人から褒められても素直に信じられなかったのが今では全部真に受ける
「可愛い」と言われると「そう、私、可愛いんだ!」てw


<引きこもって1年後に転機が訪れた>

夫のすすめで心療内科を受診し、1年間かけていじめられた体験と向き合い、医師に包み隠さず話した

医師は繰り返し「あなたは悪くありません いじめたほうが悪いんです」と言葉をかけた
この言葉を聞くうちに「自分が悪い」という思い込みが消えていった

Bさん:
「あなたはいじめの被害者なんですよ」て言われて、ストーンて
「そっか、私は被害者か」て、今までは「自分が悪いからいじめられる」と思っていたから
ぶったり、蹴られたりして傷ついているのは私なんだ
私が誰かを傷つけていたのではなく「私が傷ついているんだ」と初めて思った


<回復を大きく後押ししてくれた言葉があった>


Bさんが投稿して掲載された新聞記事を見せたところ
医師「あなたは素晴らしい文章を書きますね 自分に自信をもっていいんじゃないですか」
そう褒められて、自分を肯定出来るようになった

Bさん:
みんなが「ダメだ ダメだ」て言う中、「そんなこと絶対ないから」て先生がゆってくれて
ほんと嬉しくて、なんか人と関わりたいと思うようになって
仕事を再開したいなという気持ちが出てきて

認めてくれるっていうのは、エネルギー、ふつふつと湧き上がるものがある

その時から少しずつ自分の心が開くようになって
それまで見えなかったものが、前がちょこっとだけ見えるようになった

(なかなか褒めてくれないんだなあ、一番褒めてほしい人からは
 その人もきっと褒められてこなかったんだと思う
 だから私はできるだけ褒めるようにしているんだ


専門家:
「あなたは悪くない」というだけで、自責の念がなくなる
マイナス面がないとなると、自分にプラス面があるかどうかを考えはじめる
それを人から言ってもらえるのはとても嬉しい

友だちが言ってくれると一番嬉しいんですけど
友だちに褒める人がいてくれるとかなり楽になる

(私は友だちに恵まれていたんだな そのことを時々忘れてしまうけれども/謝



●長尾さんがカウンセリングやっていることは「いじめ模擬裁判」


長尾:
子どもが毎日いろいろ喋る中で、
「君の話をずっと聴いてるけれども、まとめると結局、相手はどういう点が悪かったの?」とサマリーをまとめさせる

一定のパターンの紙を使って1、2、3と書かせると
嫌がる子もいますが、書いてくれる子もいる

長尾さんが裁判官(聴き手)になって、話を聞き取りながら書いていく
悪いのは加害者だと被害者にわかってもらうのが目的


<実際に使っているもの>

 

ポイント1:
加害者の顔を描いたり、相手の嫌なところ、自分の気持ちを書いてもらう
吐き出すことで、自分ではなく相手が悪いんだということを意識させる


ポイント2:求刑→終身刑 などと刑罰を決める
罰することにより、相手が悪いことを確認する作業

長尾:
今まで受け身になっていた自分が、こうだと決めていく作業を通して能動的な態度に変わる

ヤ:仮に「死刑」だとまた別の問題にならないか?

長尾:
思っていることが出ただけ それぐらい悪いと思っているということ

イ:これを家で親とやるのではなく、プロの方とやらなきゃいけないですよね

長尾:
いろんなプロセスがある 10段階くらいあると思ってください
これは3、4段階目くらいでやることの1つ いろいろコースがあるので
これもやる子はやる、やらない子もいる 全体の一部分

この小さい字は私が聞き取って書いている
「君が思っているのは、こういうことじゃないか」と

イ:客観的に自分を見られるということですね

長尾:
気持ちの整理だからノートに書いてもいい
自分の思っていることが紙にうつると客観的に見れる 物事を客体化できる


じゃあ、次どうするか これを解決すればいい
内面でクヨクヨ考えていることはとりあえず置いておいて
これをどう処理できるか、解決に向かえる



<FAX>

 

 

 

 


加害者にならない対処法は?

長尾:
一番大事なのはヒトを尊厳する、大事に思うのがキーワード
それをいかに家で、抽象的な言葉でなく、具体的に教え、伝えられるか
ヒトへの尊厳を失ったら、たちまち世の中はグチャグチャになる

ヒトの話をよく聞いて、友だちになにかした時、自分が同じことをされたらどう思うかということをいつも考える
もしされて親に怒られるようなことをしてはいけない、これが一番分かりやすい

もう1つは、いじめを見た時はヒト(先生、親など)に伝えること
言った時に「言いにくいことをよく言ってくれた」と褒めること



イ:もし、ほかのヒトから「お宅のお子さんはいじめてますよ」て言われたらどうしたらいい?

長尾:
すぐに「学校から連絡あったよ」なんて言ったらダメ
いじめているほうが実は病理は深い 精神的に悪い状態
「今困ってることないの?」といじめている子に逆に聞いてあげるのがポイント

人間だから気分の浮き沈みがある
ハイテンションの時は自分が偉くなってる気がしているから、
そういう時にいじめ行為ができやすい

それは日常で見ていても分かる 家でも乱暴だったり、食事が雑だったり
時間を守らなかったり、行動ですぐ分かる
いつもと違う変化が起きていることに気づいて、様子をみるか、専門家に相談する

子ども本人に聞いても分からない 子どもは自分の内面の変化に気づけない
自分は自分らしくやってると思っている でも外から見ると分かる そこを見逃さない
長い目で見ない すぐそれをやる

宿題をいつもなら1時間やるのに15分で切り上げたりする
夫婦ゲンカをしてて気に入らなかったのかもしれないし

イ:親も自分の態度を1回考えてみることが大事ですね

(むしろ大人が主な根因だと思う


優しい子に育てるしつけは正しいのでは?

長尾:
ヒトに優しくは当然
その次に大事と言われたら、とにかく1日起きたことは親に言いなさい、ということ(また命令口調だけどいいの?
見たこと、感じたことを言う 日ごろのコミュニケーションがないと見つけにくい

ヤ:なかなか子どもって喋らないですねよ

(そのコミュニケーションが上手くとれてないから、心のバランスが崩れてるんだよね





パニ障の自分としては、きっかけは学校のいじめでないにしても
一番分かってほしい人に分かってもらえない辛さを体験しているだけに
被害者の言葉を聞くのも辛いし、いろいろツッコミどころもあった

今では、親に対して「嫌なものは嫌だ」という感情を出すようにしているけれども
「私がパニ障になってから変わってしまった」と言われた
どうしてもズレるんだな

この歳になっても命令口調は変わらないし
「褒めてほしい」と頼んでも、褒め方を知らない

母は「自分は小さい頃、ガキ大将で、よく弱いコをいじめたりしてた」と笑って話している
「相手の気持ちになって考えてみてよ」とゆったが「なってるよ」と返ってくる

きっとこの番組を見せても「自分は違う」「気にしすぎだ」と言うだろう
いじめる側も弱い人間で、自分を守ろうという本能が働くから

クリニックの担当医には「過去に遡れば、その親、またその親とキリがない」と言われた
心療内科に行けば、みんな親身な治療が受けられるというわけでもない

私の場合は、カウンセリングを受けて、根因に気づいてから、変わりつつあるけれども
まだまだその渦の中だな

「いじめるほうにも心の歪みがある」と思うことで、
自分も相手の言葉を流せるようになれればと思うが、なかなか難しい
それが出来ないから悩むんであって・・・

きっと、みんなが魂の世界に戻ってから、それぞれの課題が全部クリアに分かるんだと今では思う

それにしても辛い話だ
フタをして開かないように必死に閉じてきた自分自身と向き合うことほど辛いものはない
でも、そこに自分が生まれてきた意味があることは分かっている


**************************


“いじめ後遺症”反響編 Q&A特集

専門家ゲスト:友田明美さん(福井大学子どものこころの発達研究センター教授・小児神経科医)
ゲスト:山口もえさん・足立梨花さん
リポーター:古野晶子アナウンサー

 

ものすごいFAXの数だなあ・・・
これだけの差別意識がある中で、他国の云々など言えないのでは?
まずは、自身の中に「排斥感情」などないか、我が振り直せだ


友田:
まずはじめに言いたいのは、「あなたが悪いんじゃない」
自己肯定感がずっと低いままで大人になってしまうと、
やはりいろんなメンタルヘルスの問題が出てくる

医療機関に行くのが敷居が高いと思うのであれば
近くの精神保健センター、一般的な保健センターの窓口で相談なさることをオススメします

仕事の意欲がわかないとか、睡眠がとれない、子育てのストレスが続いているなどでも
過去にいじめの経験があるなら、言ってくれたほうがいいと思う

(私も保健センターでいろいろ相談にのってもらって、医療機関も紹介してくれた
 カウンセラーではないから、何度も通うことは出来ないんだけど

イ:
うつ病と診断されていて、クスリを処方されていても全然改善しない人の中に
実は「いじめ後遺症」だったってこともあるのでは?

友田:
トラウマは心の奥深いところにしまいこんでしまっているんですね
それをうまく専門家と一緒に処理する作業が大事

ヤ:それは外科手術みたいなものなんですか?

友田:
外科手術は1度で終わるかもしれないけれども、心理的な処理は何回もしないといけない
ひきずっていると、老年期までずっと苦しむことがあり得る

イ:自分で処理することで脳の形は変わってくるもの?

友田:
もちろんです 癒され得る傷です
脳もきちんとした心のケアで回復していくことが分かっています



「あなたは悪くない」

友田:
いじめの被害者にとって一番大きな苦痛は「恥」の感覚だと言われている
「いじめられた自分が悪い」「とても恥ずかしいことだ」と思い続けているから
回復できないと言われている

周りの大人、とくに親御さんは
「あなたは悪くない 暴力を振るった相手が悪いんだ」という心理教育をする必要がある


もえ:どう向き合ったら後遺症にならずに済むのか?

友田:
子どもと向き合って「評価」せずに話を聞いてあげること
「あなたも悪かったのでは?」ではなく、子どもの話を受け止めて聞いてあげる

(これが一番難しいんだよね つい「こうすれば?」とか「こうしなさい」になっちゃう


友田:
認知というのは1回では修正できないので、何回も何回も
「あなたは悪くないのよ」ということを伝え続けていくことが大事

イ:
大人でもいじめはある 大人になっても無視するの?!って思うけど
周りの大人が子どもをいじめるパターンもある
親からとか、先生からいじめられてるって話も聞いたことがある


そういう場合はどうしたらいいんですか?
子どもの行動範囲のほうが狭いし、知り合いの大人もいないだろうし

友田:
子どもが日常生活で一番時間を費やすのは学校
そこには担任以外にも、養護の先生、スクールカウンセラー、
ソーシャルスクールワーカー、第三者的に子どもの目線で考えてくれる人もいる


イ:高学年なら行けるかもだけど、低学年だとどうしていいか分からないのでは?

友田:
親御さんは子どもの一番の応援団 子どもの話を真摯に受け止めてあげる余裕がないといけない
これは事態が深刻だというのであれば、学校関係者やスクールカウンセラーらと連携して
子どもたちを見守っていく

言葉の暴力、無視する人のほうが100%悪いんだと言い続けてあげるのは周りの大人の義務



(分かる

友田:
患者さんと医師が信頼関係がもてないといい医療も出来ないので相性でもある
あまり医師が信じられないと決めつけてほしくはないですが

イ:人間不信になって、自分のことを話したくないとなると診察も難しいのかな

友田:
でも、この方の場合は、すでに「セルフケア」をされている
自分の苦しみをメールやFAXで伝えるという作業をしている

夏目漱石はうつ病の克服のために小説を書き出したと言われている
日記、ブログであれ、辛い経験を第三者に伝えることは、ある意味「セルフケア」なんです



ヤ:甘やかしにはならないですか?

友田:
過保護とは違います

見極めは、子どもは安心した信頼関係のある大人に話す
親御関係が健常であれば、いろんな問題をまず最初に伝えるはず

それが出来ないのは「自分が悪い」と思って、開示できない
親にゆっても解決しない、親に心配かけたくない

「よく言ってくれたね」って褒めてあげる

認めてあげる 成功体験につながるような「よくやってくれたね」て褒めてあげるだけでいい
料理を一緒に作ったりして「よくできたね」と言うことから、話せるようになることもある



 

友田:
このお母さん辛かったと思います ですから子育てにも相当なストレスがあると思う
今、お子さんに言ってあげられるのは、自信をつけるような子育てをしていただきたい
認めて、褒めてあげる

そういう中で、ご自分も過去のモヤモヤした経験を第三者に話す、最寄の相談機関に行くことも大事だと思う
保健センターは相談料も無料です

自分に自信がないのが子育てにも影響すると悪循環になってしまう




友田:
いじめる加害者にも、いじめ被害があることが分かってきている
親子のしっかりした会話ができなかったとか

だから、その子の話もちゃんと聞いてあげることがケアだと言われています
ココロの予防が大事 「早期介入」がこれから大事になると思う




*******

FAX3000通も来た割にあっさり終わっちゃったな
もっと深層心理は根深い社会問題でもあるから、
メディアでも何度も取り上げてほしい

高齢者問題も大変だけど、これから世界を生きていくのは、子どもたちなんだから



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