メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『硫黄島からの手紙』

2009-02-10 10:41:33 | 映画
『硫黄島からの手紙』(2006)アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童 ほか

渡辺謙出演作シリーズ。以前から気になってたものの重いテーマに借りるのを渋ってたが、
少し風変わりなやり方だが、国と兵士を一番に考え、戦略を練った栗林中将役の渡辺謙の重厚な演技はやはり作品全体の要だった。
兵士が思い出す故郷での家族との生活はカラーだが、ほとんど戦場でのシーンは砂のような色で抑えている。
国内、海外に関わらず、島にはいろんな深い歴史、深い影があるんだな。
でも、こうして映画で観るまでは硫黄島のこともまったく知らなかった/汗
以前観た、孤島で戦いぬいた女学生たちの『ひめゆりの塔』を思い出した。

story(goo参照)
補足:「海岸から来る米兵をまず食い止めるべき」という部下に、「そこで大勢を失うより、
洞窟を掘って1日でも長引かせ、本土を守るべき」という作戦を押し進める栗林中将に反発する者も出、足並みが揃わない。
ついに米兵上陸、次々と砦は全滅、でも無意味な自決を禁じ、本部に合流するようにとの栗林の命令はなかなか末端まで届かない。
元憲兵の清水は投降することを決意。いったんは捕虜として扱われるが混乱の中で殺されてしまう。。。

パン屋を営んでいた西郷昇陸軍一等兵役の二宮和也は、残してきた妻と産まれたばかりの娘を想い、
生きて帰る信念で部隊のさまざまな最期の姿を見届けるという形で観客に戦争の悲惨さを伝える役割。
彼の斜に構えた性格故に、冷静かつ俯瞰気味に戦争のばかばかしさ、様々な偽りが見えてくる。
「アメリカ人は愚かな鬼」というイメージを植えつけられた日本兵の前に傷ついた米兵の母からの手紙が読まれ、
敵もまた家族と故郷がある普通の人間だと知って驚く。

今作は、栗林中将が書いて、西郷一等兵が埋め、後に調査隊によって見つけられた絵手紙が元になっている。
当時の生々しい戦いの様子と、兵士の家族を想う素直な心境が伝わる。
そういえば、以前、靖国神社(遊就館だったか?)で兵士からの手紙の展覧会を見に行ったことがある。
父から息子へ宛てた戦場からの素朴な文面の手紙にはじぃーんとしたっけ。

ウィキには「硫黄島は、現在米軍施設及び海上自衛隊の基地があり、島自体が軍事基地施設であるため、
東京都の許可がないと上陸することはできない。」と書いてあったのが残念。



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