メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『はじめての木彫りどうぶつ手習い帖』(雷鳥社)

2017-03-14 12:01:17 | 
『はじめての木彫りどうぶつ手習い帖』(雷鳥社)
はしもとみお/著

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HPも可愛すぎる!

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hashimotomio


はしもとみお
17歳より、現・象鯨美術学院 西村浩幸先生にデッサン、美術の基礎を学ぶ
近年は、動物の彫刻たちの移動動物園イベントなどを開催中



ツイッタで知ったみおさんの作品があまりにも可愛くて、
早速、ツイッタもインスタもフォローして毎日癒されている

作品の作り方をまとめた本を出されたという話を聞いて間もなく
近所の図書館の「新刊コーナー」に並んでいたので借りてきたv

図書館のスタッフの女性も
「今とても人気の作家さんなんですよ」と言っていた


若いのに自分の技術を継承してくれる方がいたらと
ワークショップを開いたり、自分も使っている道具を売ったりしてスゴイ!
こんな大好きな動物たちに囲まれて、毎日、自然の中で働く仕事もあるんだなあ



(写真はすべてインスタ、ツイッタの画像を借りました

でも、まずは師についてデッサンの修行、そして何度も何度も作ることなんだな

作品を改めて観ると、いわゆる美術館に展示されるような芸術家の「彫刻」とは違うことに気づいた

自然、生き物が大好きで、今ここにいるコも、今ここにいないコも
温かみ、ふくらみ、今にも動き出しそうな永遠の命を与えられている


「木の中に埋まっているコを彫り出す」って、
江戸時代の仏像の彫り師みたいなことも書いてある

彼女には、きっと彫る前から、明確にそこから生まれてくるコの
表情、手足の細部まで見えているのではないだろうか

この本を見ても、私にはとても真似できないけれども
ものづくりが好きな人はハマると思う

そうして世界中に素朴な木彫りの動物だちが増えていくといいなあ




機関銃や剣で人を次々と殺していくゲームや
プラスチックのけばけばしいフィギュアよりも
子どものオモチャとしても、自然や生き物への豊かな愛情を育むことだろう

たとえ、彼女のように上手く彫れなくても、
私は、なんだか得体の知れない土偶のような
ゆるーーーい造形物も大好きだ

それらは、作った人からしか生まれ得ない本当に世界でたった1つのもの


「木はホームセンターやハンズなどでも売っています」て
そういう木はどこから、どうやって仕入れてくるのか気になった

著者は、犬の散歩の途中で見つけた廃材なども使っているみたい


彼女の長年の相棒、黒柴犬の月くんも本当に可愛い!!
自然に囲まれた三重の工房で、黙々と彫る姿を
ずっと見つめてきたんだろうね
いつまでも元気でいてね




【内容抜粋メモ】


<はじめに>

ものを作るということは、ものの美しさを学ぶということです

型取りではなく、自分の思い描く形で作った彫刻は
そのままそっくりの形でなくても、確かに生きています




<作るにあたって>

まず、モデルとなる動物をじっくりと観察をします
第一印象の記憶の形を、しっかりと自分に焼きつけます




<スケッチ>

彫刻を作るために、一番大切な工程です
描きながら、その子を3次元で記憶にとどめていきます

何をしている、どんな瞬間を作りたいかを決めることでより実感を持てます

描くことは、よく見ることにつながります


<木を選ぶ>

まず木目の方向や性格をよく読み取ります
正しい形でその子が埋もれていると感じとれる材を、自分の目で選びます
私は香りの好きな楠を使います


<木取り>

大きな彫刻は、チェーンソーやバンドソーを利用します
(バンドソーって工作の時間に使ったことあるのを思い出した!


<彫刻>

集中力、正しい判断、勇気、決断力のいるとても難しい世界
命を吹き込むのではなく、命は、木の中にすでに埋まっていて
ワクワクと彫り出されるのを待っているのです


<彩色>

塗るのではなく色をつけ、その子の手触りに近づける気持ちで
漆はかぶれる人もいるので「カシュー」(人工漆)がオススメ
本書ではアクリル絵の具のリキテックスを使用
(梅皿って可愛いな


<風景の中で>

いちど自然の中で彫刻を見てみます
ちょっと違うと思ったら、色をつけた上から彫り直します

人の手によって、木でできた動物たちは
見る人、触れる人に、特別な温かさを届けてくれます

本当の動物の行けなかった場所へ、木でできた新しい命は旅に行くことができます




<木の種類>

ウォールナット、サクラ、クス、ヒノキ、ホウ(朴)、カツラ



初級者編からだんだん難しくなっていく感じの構成

ねこのブローチ



注意:
木はタテに割れやすい
刃先に指がこないようにする!

1.下描き
2.木取り
3.粗取り
4.面取り
5.仕上げ
6.彩色
木の色も1色ととらえる
重ね塗りは、発色が鈍く、木の質感も失われるのでしない
「ドライブラシ」で水気をふきとる
7.加工
汚れ、耐久性を高めるため、表面にニスを塗る



子どものペンギン
どのコもホントに可愛い! 後姿とかも


ねむるねこ
肉球マニアにはたまりません
面相筆で「でごまぶち」を入れる(動物の各部位の名前も勉強になるv


ブランコにのったくま
くまさんはなで肩なのね
首筋を背中から彫る姿もステキすぎる!
「マズル」(鼻口部のこと


小さいロバ(四足の部分難しそう
筋肉、骨格を意識しながら彫る
(やっぱりね 絵もちゃんと生物の体の仕組みや、生態をまず分かっていなきゃダメだね


<作品集>
ツイッタ、インスタの写真をお借りします





<作品紹介>

けっこう動物園などに実際行って観察していることが分かった
(多摩動物園のオランウータン、上野動物園のゴリラなど

ブレーメンシリーズは、彼女のお気に入りなのかな
これってきっと全部の動物がつながって彫られているんだよね? 神業・・・


<彫刻の心得十箇条>

高村光太郎『造形小論』(1926)から出典

彫刻の本性は立体感、彫刻の命は詩魂にあり。

似せしめんと思うなかれ。

いかなる時にも自然を観察せよ。自然に彫刻充満す。


<おすすめ図書>

『世界動物大図鑑 ANIMAL DKブックシリーズ』
『BABIES』内山晟 東京書籍
『みんなのかお』戸田杏子
『木のいのち木のこころ 天・地・人』
ほか



<おわりに>

動物の木彫りを初めて作ったのは、家出をしていなくなってしまった猫を思い出すためでした
思い通りにいかないこと、うまく作れないこと、体力がもたないこと、たくさんの苦しいこともありますが
その彫刻を見るたびに、涙がでるほどその子を思い出すことがあります




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