■ヴェルディ歌劇『リゴレット』(全3幕)@アレーナ・ディ・ヴェローナ2001
原作:ヴィクトル・ユーゴー
台本:F.M.ピアーヴェ
演出:シャルル・ルボー
指揮:マルチェッロ・ヴィオッティ
出演:
マントヴァ公爵:アキレス・マチャード
モンテローネ伯爵:ジュゼッペ・リーヴァ
リゴレット(マントヴァ公付きの宮廷道化師):レオ・ヌッチ
ジルダ(リゴレットの娘):インヴァ・ムーラ
スパラフチーレ(刺客):マリオ・ルベーリ
マッダレーナ(スパラフチーレの妹):サラ・ムブンガ ほか
途中から、以前観たかも・・・と思い始めたが、以前、CDでオペラを聴き漁っていた頃だった
・ヴェルディ歌劇『リゴレット(全3幕)』全曲
でも、映像で観るのは、これが初。
コロッセオみたいな劇場からしてビックリ!(トイレとかはちゃんとあるんだろうか・・・
そのセッティング、衣装づくり、メイクなどの舞台裏から映しているのも興味深い。
マントヴァ公爵役のアキレスさんが、「モテ男」にも「貧乏な学生」にも「心をときめかせる青年」にも見えない(失礼)ところが可笑しい
【ライナー抜粋メモ~上演について 城所孝吉(音楽評論)】
この舞台は2001年7月21日、アレーナ・ディ・ヴェローナでプレミエを迎えた、新演出公演である。
『リゴレット』は、ヴェルディの最大傑作に数えられる作品だが、映像数は意外に少ない。
ヌッチといえば、現代を代表するヴェルディ歌いとして、世界的な成功を収めているバリトンである。
同様に注目されるのが、ムーラの演じるジルダ。ムーラは、2002年に新国立劇場で『椿姫』を歌って、
センセーションを巻き起こしたリリック・ソプラノ。
指揮のヴィオッティは、百戦錬磨のオペラ指揮者だけあって、きわめて安定したヴェルディを聴かせる。
ベルリン・ドイツ・オペラ、ミラノ・スカラ座等にも頻繁に客演していたが、2005年に50歳で急逝した/驚
見物なのは、アレーナの会場と上演の雰囲気である。
この音楽祭は、今や国際的観光イベントとして定着しているが、観客はまさにお祭り気分で、全体的に気前が良い。
さらに意外なのが、アリアのアンコールが「日常的」らしいことである。
一般にアルプス以北のオペラハウスでは、アンコールはよほどのことがないかぎり起こらない。
しかし、ここでは、ドラマの展開からすれば自然な箇所(第2幕フィナーレ)でも、歓声に応えてアンコールが行われる。
【ライナー抜粋メモ~大輪公壱(作曲家)】
管楽器は2管編成を母体とし、舞台上には弦楽器、舞台裏には金管・木管・打楽器を含むバンダ(別働隊)が配置されている。
▼あらすじ
[第1幕]
16C、マントヴァ公爵邸宅での舞踏会。
好色なマントヴァ公爵は、チェブラーノ伯爵がいるのも構わず、彼の夫人が美人だとかゆって誘惑する。
それをからかう宮廷道化師のリゴレット/取り巻きらも普段からネタにされていてリゴレットを憎んでいる
そこに現れたのは、チェブラーノ夫人の父・モンテローネ伯爵。
自分の娘を辱めたマントヴァ公爵に怒りをぶつけ、それを嘲笑するリゴレットに対して「いつか必ず悪業の報いがあるぞ」と呪う。
呪いに慄くリゴレットの前に、始末屋だというスパラフチーレが現れる。
「半額をもらったら、妹が誘い、家の中で殺す。その後、もう半額をもらう。死体は川の底だ。
自分は毎晩この辺にいるから用があったら呼んでくれ」と言って去る。
リゴレット「わしと奴は同じだ。私は人を罵り、奴は人を殺す。
「私は好きで道化師などやっているものか!」と、自分の不具(背中のコブ)を嘲笑する取り巻きたちを呪う。
家に戻ると愛娘・ジルダが待っている。
「娘こそ私のすべて」と歌う父。なにか心配事で悩む父を気遣う2人のシーンはまるで熱い恋人同士のよう。
「母のことを教えて」
「あの天使だけは私を憐れんでくれたが、逝ってしまった」
ジルダは父が道化師ということだけでなく、父の名も知らない!?
「ここに来て3ヶ月。町も見ていない」
乳母に「どうか守ってくれ、この花を清らかなままに」
娘に悪い虫がつかないよう教会にしか行かせないなんて、監禁じゃん
公爵の取り巻きたちは、ジルダをリゴレットの愛人と勘違いして、いつか復讐するぞと策を練る。
父が去った後、ジルダは乳母に「本当は私、恋しているの」と告白する。
教会で見かけたステキな青年で、「貧乏な学生」だと言うが、それは公爵の仮の姿。
公爵は隙を見て家に忍び込み、名をグアルティエール・マルデーだと嘘を言い、早速ジルダに求愛する。
純粋なジルダはそれに応える歌をうたう。素晴らしい高音
取り巻きは、ジルダをさらって、公爵の愛人にしてしまおうと計画し、
リゴレットには目隠しをして、チェブラーノ夫人を誘拐するのだと偽ってハシゴの番をさせておく。
騙されたことに気づくリゴレット。「これこそ呪いだ!」
[第2幕]
公爵はジルダがさらわれたと聞いて「どんなに心細いことだろう」と珍しく悲しい歌をうたうが、
ジルダが自分の邸宅内にいると知って、喜び勇んで駆けつける。「王座にあっても、私は愛の奴隷だ」
「ジルダは私の娘だ! 返せ!! いくらであれを売った?! どうか返してくれ、この世のすべてなのだ」と取り巻きに泣きつくリゴレット。
(ソロのたびに大歓声が沸く
ジルダは衣服もはだけた姿で逃げてくる。「恥ずかしい話は父だけに・・・」
教会で出会って、家で告白しあった話、突然、誘拐された話も全部明かす。
リゴレット「お泣き、私の胸の中で」
公爵に復讐を誓うリゴレット。ジルダは「それでも殿が好きだから許してあげて」と頼む。
ここでアンコール!
[第3幕]
リゴレットは娘に「まだ公爵が好きか? よく見るがいい、あいつの本当の姿を」と物陰から見せる。
公爵は、スパラフチーレの家の前で有名なアリアを歌う。
♪女は気まぐれ(女心の歌)La donna e mobile を公爵が歌い、ここでもアンコールがかかり、もう一度歌う/すごいドヤ顔w
スパラフチーレの妹・マッダレーナは、公爵を誘惑する。
♪快楽と情事の前では、分別なんぞしまっておこう
それを見て「ひどい裏切り!」と傷つくジルダ
リゴレット「お前は男装してヴェローナへ行け。あとは私が・・・」
スパラフチーレに半額渡し、「川へ投げ捨てるのは自分でやりたい」と頼む。
「嵐になるから、どうぞ家へ」と招くスパラフチーレ。
マッダレーナ「イイ人なのに・・・」
スパラフチーレ「奴が寝たら、いつものように剣を持ってこい」
マッダレーナも公爵が好きになり、「命だけは助けてあげて」と兄に頼む。
兄「それじゃあ商売にならない」
妹「半額を持ってきた男を代わりに殺せばいい」
妹の気持ちを断れない兄。
男装のジルダは、物陰でその会話を聞いてしまい「それでは父が殺されてしまう。私が身代わりになろう」と、戸を叩き、
「一夜の宿をお恵みください」と言って家に入り、公爵を救おうとする。
リゴレット「フシギな夜だ」
袋に入れられた死体を川へ捨てようとすると、高らかな公爵の♪女は気まぐれ が聴こえてくる。
「聞き違いだ。いや、まさか!? じゃあ、奴の代わりは誰だ?」
袋の中には剣で刺されて、まだ息のある(!)ジルダが入っていた。
「あの方の代わりに私が死にます。空の向こうで、お母さまのそばで、
いつまでもお父さまのためにお祈りしています」
原作:ヴィクトル・ユーゴー
台本:F.M.ピアーヴェ
演出:シャルル・ルボー
指揮:マルチェッロ・ヴィオッティ
出演:
マントヴァ公爵:アキレス・マチャード
モンテローネ伯爵:ジュゼッペ・リーヴァ
リゴレット(マントヴァ公付きの宮廷道化師):レオ・ヌッチ
ジルダ(リゴレットの娘):インヴァ・ムーラ
スパラフチーレ(刺客):マリオ・ルベーリ
マッダレーナ(スパラフチーレの妹):サラ・ムブンガ ほか
途中から、以前観たかも・・・と思い始めたが、以前、CDでオペラを聴き漁っていた頃だった
・ヴェルディ歌劇『リゴレット(全3幕)』全曲
でも、映像で観るのは、これが初。
コロッセオみたいな劇場からしてビックリ!(トイレとかはちゃんとあるんだろうか・・・
そのセッティング、衣装づくり、メイクなどの舞台裏から映しているのも興味深い。
マントヴァ公爵役のアキレスさんが、「モテ男」にも「貧乏な学生」にも「心をときめかせる青年」にも見えない(失礼)ところが可笑しい
【ライナー抜粋メモ~上演について 城所孝吉(音楽評論)】
この舞台は2001年7月21日、アレーナ・ディ・ヴェローナでプレミエを迎えた、新演出公演である。
『リゴレット』は、ヴェルディの最大傑作に数えられる作品だが、映像数は意外に少ない。
ヌッチといえば、現代を代表するヴェルディ歌いとして、世界的な成功を収めているバリトンである。
同様に注目されるのが、ムーラの演じるジルダ。ムーラは、2002年に新国立劇場で『椿姫』を歌って、
センセーションを巻き起こしたリリック・ソプラノ。
指揮のヴィオッティは、百戦錬磨のオペラ指揮者だけあって、きわめて安定したヴェルディを聴かせる。
ベルリン・ドイツ・オペラ、ミラノ・スカラ座等にも頻繁に客演していたが、2005年に50歳で急逝した/驚
見物なのは、アレーナの会場と上演の雰囲気である。
この音楽祭は、今や国際的観光イベントとして定着しているが、観客はまさにお祭り気分で、全体的に気前が良い。
さらに意外なのが、アリアのアンコールが「日常的」らしいことである。
一般にアルプス以北のオペラハウスでは、アンコールはよほどのことがないかぎり起こらない。
しかし、ここでは、ドラマの展開からすれば自然な箇所(第2幕フィナーレ)でも、歓声に応えてアンコールが行われる。
【ライナー抜粋メモ~大輪公壱(作曲家)】
管楽器は2管編成を母体とし、舞台上には弦楽器、舞台裏には金管・木管・打楽器を含むバンダ(別働隊)が配置されている。
▼あらすじ
[第1幕]
16C、マントヴァ公爵邸宅での舞踏会。
好色なマントヴァ公爵は、チェブラーノ伯爵がいるのも構わず、彼の夫人が美人だとかゆって誘惑する。
それをからかう宮廷道化師のリゴレット/取り巻きらも普段からネタにされていてリゴレットを憎んでいる
そこに現れたのは、チェブラーノ夫人の父・モンテローネ伯爵。
自分の娘を辱めたマントヴァ公爵に怒りをぶつけ、それを嘲笑するリゴレットに対して「いつか必ず悪業の報いがあるぞ」と呪う。
呪いに慄くリゴレットの前に、始末屋だというスパラフチーレが現れる。
「半額をもらったら、妹が誘い、家の中で殺す。その後、もう半額をもらう。死体は川の底だ。
自分は毎晩この辺にいるから用があったら呼んでくれ」と言って去る。
リゴレット「わしと奴は同じだ。私は人を罵り、奴は人を殺す。
「私は好きで道化師などやっているものか!」と、自分の不具(背中のコブ)を嘲笑する取り巻きたちを呪う。
家に戻ると愛娘・ジルダが待っている。
「娘こそ私のすべて」と歌う父。なにか心配事で悩む父を気遣う2人のシーンはまるで熱い恋人同士のよう。
「母のことを教えて」
「あの天使だけは私を憐れんでくれたが、逝ってしまった」
ジルダは父が道化師ということだけでなく、父の名も知らない!?
「ここに来て3ヶ月。町も見ていない」
乳母に「どうか守ってくれ、この花を清らかなままに」
娘に悪い虫がつかないよう教会にしか行かせないなんて、監禁じゃん
公爵の取り巻きたちは、ジルダをリゴレットの愛人と勘違いして、いつか復讐するぞと策を練る。
父が去った後、ジルダは乳母に「本当は私、恋しているの」と告白する。
教会で見かけたステキな青年で、「貧乏な学生」だと言うが、それは公爵の仮の姿。
公爵は隙を見て家に忍び込み、名をグアルティエール・マルデーだと嘘を言い、早速ジルダに求愛する。
純粋なジルダはそれに応える歌をうたう。素晴らしい高音
取り巻きは、ジルダをさらって、公爵の愛人にしてしまおうと計画し、
リゴレットには目隠しをして、チェブラーノ夫人を誘拐するのだと偽ってハシゴの番をさせておく。
騙されたことに気づくリゴレット。「これこそ呪いだ!」
[第2幕]
公爵はジルダがさらわれたと聞いて「どんなに心細いことだろう」と珍しく悲しい歌をうたうが、
ジルダが自分の邸宅内にいると知って、喜び勇んで駆けつける。「王座にあっても、私は愛の奴隷だ」
「ジルダは私の娘だ! 返せ!! いくらであれを売った?! どうか返してくれ、この世のすべてなのだ」と取り巻きに泣きつくリゴレット。
(ソロのたびに大歓声が沸く
ジルダは衣服もはだけた姿で逃げてくる。「恥ずかしい話は父だけに・・・」
教会で出会って、家で告白しあった話、突然、誘拐された話も全部明かす。
リゴレット「お泣き、私の胸の中で」
公爵に復讐を誓うリゴレット。ジルダは「それでも殿が好きだから許してあげて」と頼む。
ここでアンコール!
[第3幕]
リゴレットは娘に「まだ公爵が好きか? よく見るがいい、あいつの本当の姿を」と物陰から見せる。
公爵は、スパラフチーレの家の前で有名なアリアを歌う。
♪女は気まぐれ(女心の歌)La donna e mobile を公爵が歌い、ここでもアンコールがかかり、もう一度歌う/すごいドヤ顔w
スパラフチーレの妹・マッダレーナは、公爵を誘惑する。
♪快楽と情事の前では、分別なんぞしまっておこう
それを見て「ひどい裏切り!」と傷つくジルダ
リゴレット「お前は男装してヴェローナへ行け。あとは私が・・・」
スパラフチーレに半額渡し、「川へ投げ捨てるのは自分でやりたい」と頼む。
「嵐になるから、どうぞ家へ」と招くスパラフチーレ。
マッダレーナ「イイ人なのに・・・」
スパラフチーレ「奴が寝たら、いつものように剣を持ってこい」
マッダレーナも公爵が好きになり、「命だけは助けてあげて」と兄に頼む。
兄「それじゃあ商売にならない」
妹「半額を持ってきた男を代わりに殺せばいい」
妹の気持ちを断れない兄。
男装のジルダは、物陰でその会話を聞いてしまい「それでは父が殺されてしまう。私が身代わりになろう」と、戸を叩き、
「一夜の宿をお恵みください」と言って家に入り、公爵を救おうとする。
リゴレット「フシギな夜だ」
袋に入れられた死体を川へ捨てようとすると、高らかな公爵の♪女は気まぐれ が聴こえてくる。
「聞き違いだ。いや、まさか!? じゃあ、奴の代わりは誰だ?」
袋の中には剣で刺されて、まだ息のある(!)ジルダが入っていた。
「あの方の代わりに私が死にます。空の向こうで、お母さまのそばで、
いつまでもお父さまのためにお祈りしています」