大人ってどういう人でしょう

明日1月8日は流山市の『令和5年成人式 ～二十歳の集い～』ですね。新成人の皆さん、おめでとうございます。パチパチ！
もう5年ほど前ですが、全日本仏教会の冊子に寄稿した子ども向けの文章があります。
成人式に寄せて、あらためてブログでも紹介させていただきます。※今は20歳ではなく18歳が成人になりましたが。




『大人ってどういう人でしょう』

みなさんは子どもですね？やがて、みなさんも大人になります。では、どうすれば大人になれるのでしょう。そもそも大人ってなんでしょうか。

私たちの暮らしている日本では、20歳になったら成人式という、お祝い会をするので、その時から大人だ、と言う人もおります。しかし、世界を見渡すと、国によって成人の歳は違いますし、日本でも、昔は15歳くらい、人によっては、なんと5歳や10歳で、もう、大人になるお祝い会をしたのだそうです。ちょっと驚いてしまいますね。

歳さえとればいい、というのなら、学校を卒業しなくても、仕事や結婚をしなくても、歳はとりますし、身体も大きくなりますから、どうやらちょっと違うようです。こうして、いろいろと考えてみると、どうしたら、大人だ、と言えるのかは、よく分からなくなってしまいます。


ところで、私たち、お坊さんは、お釈迦さまや、昔の立派なお坊さんが、伝え残してくれたお経を、おとなえしたり、修行というものを、行ったりしています。それらはすべて、いらいらしたり、苦しかったり、悲しかったり、怖かったり…、そんな心を無くすためのものです。そうやって、自分の心をおだやかにするのが、お坊さんたちの目標です。みなさんの目標はなんですか。何のために、学校で勉強や運動や音楽を学んでいますか。

お坊さんの修行は、仏さまや昔の偉いお坊さんの真似をしている、とも言えます。みなさんが学校で学んでいることも、昔の立派な方々が、伝え残してくれたものですね。ですから、勉強も運動も、音楽も図工も、みんな、昔の人たちが考えたこと、やったことを真似していると言えます。そもそも、「学ぶ」とは「真似ぶ」という言葉が起こりだ、とも言われているのですよ。そして、真似ができるようになったら、次は、みなさんの番です。今までに誰もやらなかったことを、みなさんがやるのです。誰も考えつかなかった発見や、思いつかなかった音楽や、できなかった運動の記録を作るのです。そして何よりも、誰も歩いたことのない、明日という、真っさらな日に、皆さんが一歩を踏み出すのです。

誰かの真似ではない、自分で考えた、自分だけの毎日を、自信をもって過ごす、そんなことができるようになったら、大人ではないか、私はそう思います。その為に、みなさんは、まず、一生けんめい真似をしましょう。そして、将来、誰かの人生ではない、あなただけの人生を歩んでください。