円東寺住職になって20年以上経つのですが、ようやくお寺の歴史に手を付け始めました。パチパチ!
今更でごめんなさい。
円東寺は江戸時代の初め、元和年間(1615~)の創建と言われ、実際にその頃授けられた戒名などが、明治時代に書かれた過去帳にも記載されています。
ですが、「室町時代の創建とされ、、、、」という文献もあり、何とも分からないのです。実際、織豊時代(戦国時代末)かな、とも想像され、、、、、
調べれば調べるほどおもしろい。
Aだよ、だってBだから
→え?Bってなに(^^;)?
BはCに由来するよ!
→だからそのCって何(^^;)?
のように、どんどん新たな課題や疑問点が見えてくるのです。とりあえず〆切がある訳じゃないし、楽しい作業です。
何となく見えてくるのは、昔は一つのお寺に多くの僧侶や尼さん(女性僧侶)、物臭道心、寺男がいて、みんなお寺を中心に生活していたんだろうなあということ。それくらい、たくさんの方の名が過去帳に記されているんです。
純粋に仏教にひかれ、悟りに憧れてという人もいたでしょうが、働きたくないから僧侶になった人もいるだろうし、夫に早くに先立たれて尼になった女性もいたでしょう。いろいろな理由で農作業が出来なくて僧侶になった人も、家では手に負えなくて寺に預けられた人、それからそれから、、、、、もう、赤ちゃんポストじゃなくて、大人ポストです。
現代は、学校に行かなきゃいけない、働かなきゃいけない、結婚しなきゃいけない、子どもを作らなきゃいけない、、、、、などに振り回され、それ以外の選択肢を選びづらい雰囲気があるように感じます。
きっと昔はもっとおおらかで、「世の中や社会がいやなら出家して坊さんになればいい」という道がちゃんとあったのでしょう。とりあえず朝起きて掃除してお経さえ読めば(読めなくても)生活はできるよ。世間がいやなら出世間、世間が無理なら出世間だよ、と。
写真~
樹木葬「おおたかの森庭苑」の紫陽花が盛りです~

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