映画『国宝』観てきました。パチパチ!
6月はなかなか時間が取れなくて、気付いたら7月も半ばに。でも、ロングランでまだやってて良かった(^^)

観終わって、出口に向かって歩いていたら、おおたかの森嬢(かつて円東寺で開催していた『森のベジカフェ』のシェフ)にばったり。
彼女は原作を読んでいたそうです。原作って『悪人』の吉田修一なんですねー。なるほど~という感じでした。
「混んでましたねー」
「ねー!昨日ネットで見た時は空いてたんだけど、、、、」
つまりはお年寄りの観客(チケットを直接映画館で買う人)が多いということで、そのことや、その方たちの鑑賞マナーに関しては、諸般の事情により割愛します(^^;)
以下、ネタバレあり(反転させて読んでください)
桜咲く下の自転車の二人乗りや橋の上での語らいなどの王道青春描写とか、舞台の映像の美しさとか総じて素晴らしかったです。楽屋とか奈落とか、歌舞伎の舞台裏が見られるのも良かったなあ。片足義足でもう一本も壊死しかけている状態での『曽根崎心中』とか、幕が下りたところで思わずこちらも拍手しそうになりましたし、感動してちょいちょい泣きました。
住職仲間が、「我々の業界と似ていると思った」と言うので、そこら辺にも期待したのですが、私の感想は「少なくとも自分は、あんなに棒で叩かれながら稽古(修行)とかしてないし、舞台(本堂?)で死ぬのが本望だとも思って無いなあ」と。
ただ、寺島しのぶが、人事に口出ししたり 名跡を財産のように扱っているのを見て、出家者ではないお寺の奥さんが、良くも悪くも意外と寺を仕切っていたりするのは似ているかもとは思いました(^^;)
劇中で森七菜に「どこを見ているの?」と言われ、喜久雄がハッと気付いた「どこ」が役者と家族、住職と家族でそれぞれ違うんですよね、、、、、
横浜流星演じる花井半弥の『曽根崎心中』お初の演技はもちろん、渡辺謙演じる花井半二郎が自らの襲名披露の時に血を吐きながら「幕を開けろ」ともがいたり、人間国宝の万菊が、ディオゲネスの樽じゃないけど、ドヤ街の簡易宿所で最期を迎えようとしていたりする、それぞれの役者バカ様に胸が熱くなりました。三浦貴大の「あんな生き方できないよな」というセリフが、まさに私の感想です。
あとは、綾乃(主人公である立花喜久雄の隠し子)役の瀧内公美が「あなたを父親と思ったことは無い。あなたが舞台で拍手をもらうまでに、いったいどれだけの人が犠牲になって、、、」と毒を吐きつつも「本当に日本一の役者になったね」と言うのですが、総じて、役者とか芸人ってそういうものだろうなと思っています。
だからこそ日本一を目指して欲しい。今はスキャンダルでさっさと表舞台から姿を消す芸能人が多いですが、二人は違った。ドサ周りをしながらでも役者を止めなかった。だからこそ、あの景色に辿り着いたんだと納得できるラストでした。
ただいつもの職業病で、お墓に卒塔婆立てが無い(浄土真宗?)のに、位牌に刻まれているのは戒名であって法名(浄土真宗)じゃないとか変なとこが気になってしまって、、、(^^;)
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