種山壮(shuzanso)NY

ラスベガス編

State Dinner - Korean President Lee Myung-Bak

2011年10月27日 | アメリカ素描

下記は産経ニュース(10月23日)頭の部分ですが、ちょっと気になりました。 

 

先ごろ米ホワイトハウスで行われた韓国の李明博大統領に対する国賓晩餐(ばんさん)会の際、メニューに日本料理が出されたと韓国で“不満”の声が出ている。とくに韓国のメディアは「ホワイトハウスの深刻なミス」と批判している。

 

http://sankei.jp.msn.com/world/news/111025/kor11102501340000-n1.htm

 

詳しくは産経の記事を見てもらうとして、早速メニューを調べて見ました。(下記参照)

 

Wagyu, Masago, Daikon, Kabocha 等 確かに日本名の食材が使われていましたが、日本料理ではないです。

サラダにはオバマ大統領夫人の肝いりでホワイトハウスの庭で栽培された野菜が使われています。また蜂蜜もホワイトハウスにおいた巣箱で出来たものです。

メインコースに使われた「Wagyu」ですが、これは本当の意味での「和牛」ではありません。アメリカの環境、放牧の仕方に適するようにアメリカのアンガスという品種と日本の和牛との交配で出来たアメリカの新しい品種なのです。いわゆる しもふり(marbled)で American Style Kobe Beef(あるいは単にKobe Beef)として高級品扱いされています。

 

Masago, Daikon, Kabochaなど高級食材としてアメリカでは定着してるようです。ケーブルテレビの料理番組でも良く見かけます。日本料理=高級ということでこれ等の食材に日本名が付いてたのでしょう。多分DaikonにしてもKabocyaにしてもアメリカの農場て生産されています。勿論Amerikan Style Kobe Beefのようにアメリカの環境に合うようにそれなりの品集改良はされてはいると思いますが。

 

ホワイトハウスの厨房の料理長、Ms. Cristeta Comefordが「Daikon is that wonderfull Korean ingredient」と言ってますが、ちょっと待ってよ、Daikonは日本の食材だよと反発もあるやもしれません。韓国人だってダイコンを食べますので、韓国の食材には間違いないでしょう。でも「大根」ではなく、「ダイコン」でもなく「Daikon」 でもないのです。でもアメリカではこの食材を「Daikon」と称してるのです。ちなみにグーグ翻訳では「Daikon」はハングルで「?=口の下にT」だそうです。

 

実はアメリカの料理人の間では Wagyu, Masago, Daikon, Kabochaなどは要するに食材の名称なのです。日本語を源とした名称なのですがもう日本の社会とは関係なく一人歩きしてます。 今、生ガキが旬ですが、Kumamoto Osyster と名の付いた高級カキがあります。クリーミーでコクのある味です。実は多くの人が何故Kumamoto Oysterと呼ぶのか知らいし、Kumamotoが日本語が源だということも知れません。(知日家、親日家はべつですが)

 

日本語を源とした食材の名称がメニューに書いてあることで韓国の一部の人にとっては反発もあるでしょう。ホワイトハウスの厨房には他意はなかったでしょうが、ちょっと工夫も必要だったかもしれません。

 

 

Here’s the menu released by the White House:

First course

Butternut squash bisque, honey poached cranberries, Virginia cured ham, pumpkin seed praline, crème fraiche.

Second course

Early fall harvest salad on daikon sheets, masago rice pearl crispies, rice wine vinaigrette.

Main course

Texas Wagyu beef, orange-ginger fondue, sauteed kale, roasted kabocha squash.

Dessert:

Chocolate malt devil’s food layers with pear and almond brittle.

American wines

 

ホワイトハウスの厨房 Cristeta Comerford, Executive Chef