【 Photo by Kenji Oouchi 】
あのジャージを出すと
春が来た証拠で
すぐ乾くようになったら
もう夏で
違うのが履きたくなったら
秋になってて
寒くてはかなくなると
冬だったね
悲しい思い出と
楽しい思い出
あとで辛いのは
楽しい方なんだよね
晴れ着のような思い出は
写真の中で
すましてるけど
干したジャージの
ポコッと出た膝の跡は
笑いながら
ボクを切り刻んでいく
また季節が変わったね
だってほら
ジャージがもう乾いたよ
葉と葉の隙間で
思い出が
笑いながら滲んでる
いつだって思い出は
複雑な色をしている
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