【 Photo by Kenji Oouchi 】
空は飛ぶものだ
だってほら、あの子も
楽しそうに、笑いながら
飛んでいる
いつからなのか
彼の目のとどく所ばかり飛んでいる
その訳は知らなくていい
彼だけがわかればいい
空は見あげるものだ
だってほら、あの彼も
誰にも聞こえない声で
空を見あげ話しかけている
なんて言ってるのか
空飛ぶあの子は分かっている
離れてあげなさい
ずっと待ってたのだから
空は思うものだ
だってほら、あの人もこの人も
自分だけの空に
あたためてた思いを描いている
人の思いは
こうして繋がっていく
誰も消すことはできない
ふるえてできたよれだから
ボクがはじめて見た色は青だった
あの小さな窓から覗いた空だった
それから何度も何度も
いろんな青を重ねて
そして今
永遠の青の下で生きている
空はみんなのものだ
誰もが
いつでも
見上げて
何でも好きなだけ
思いを描き
そして
自分で消していく
あの子がいる
彼がいる
あなたがいる
みんながいる
思って
書いて
そして
消して
はじめて完結する物語が
今日も空を飛んでいる
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