【 Photo by Jun Hiraoka 】
家には
灯りが
ついている
そこには
何かが
灯っている
安堵と解放の
まん中あたりの
フォワ~~とした
柔らかな
空気みたいな
何かが
ぼんやりと
灯っている
家の中には
フンワリと
ホカホカと
ポワンと
モコモコと
クチャクチャと
ニンマリが
混ざったような
笑顔が
待っている
おかえり
と
ただいま
ピンポン鳴ったら
玄関まで
走ってくる
キミの
軽く切れた息も
重めのカバンを
おろした後の
手の
シビレも
淡く
灯る
ぼんやりの
ひとつ
ぼんやりには
運命のせつなさも
人生の厳しさも
入っていない
運命と人生は
ぼんやりの
反対っかわにあるから
いつも
ぼんやりは
運命と人生を
影として
自分に映して
その姿を
つくってゆく
だから
家は
運命と人生が
映らないように
外を暗くして
明るく灯をともして
影をけす
さあ
灯がともった
ボクらの時間だ
今日はボクに
キミの影を
映そう
その
柔らかな
シルエットを
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