side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

真夏の雷管 佐々木譲

2020年05月22日 | 書籍・雑誌

*****ご注意 一部ネタバレを含む可能性があります *****

(リンク先は文庫本)

我が家の”積読ライブラリー”にあったハードカバー
2017年7月第一刷 角川春樹事務所発行 書き下ろし作品

「副題 道警・大通警察署」とあるように、佐々木譲人気の北海道警シリーズ8作目

少年の万引き事件に対応する生活安全課の百合
同じ頃 園芸店の侵入・窃盗事件で動く刑事三課の佐伯と新宮
やがて一つの事件として姿を表して行きます。

話題となったJR北海道の不祥事、子供へのネグレクトなど社会問題を織り交ぜながら事件は展開する
当初の被害は万引きと侵入・窃盗だったが、爆破事件が予想される要素が次々とでてきて、時間との闘いになります。

道警の佐伯らがどう情報を集め、その情報から事件をどう読んでいくかというストーリーの組み立てで、関係ないと思われる小さな点を見逃さない佐伯のセンスは本シリーズの見せ所で相変わらず楽しめる。
一方で、佐伯ら道警側からの視点がほとんどなので、犯人らの境遇、犯行動機や追い詰められた心情、終盤にみせる仲間意識等犯人側の繊細な部分が佐伯らの推測の域というところがモヤモヤ感が残る。

札幌が舞台で巻頭には地図がついています。
地理に詳しい人なら情景も浮かびより楽しめるのかもしれません。

装幀 高柳雅人



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。