獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

総括:コロナワクチン その3 ワクチン接種による死亡例は?

2024-03-01 01:52:47 | 反ワクチン・陰謀論

新型コロナウイルスも度重なる変異を繰り返すことで弱毒化し、国民の多数が感染やワクチン接種による免疫を得ることで、新型コロナの感染者数も落ち着いてきました。
反ワクチンの人々はこの間、いろいろ無責任なことを言ってきましたが、ここらへんで一区切りですね。総括しておきましょう。

 

d-マガジンで興味深い記事を読みました。
何回かにわけて引用します。


ニューズウィーク日本版 2月20日号

Special Report
VACCINE
HERE ARE THE FACTS
あなたが打った
ワクチンの真実
医療
コロナワクチンのせいで過剰に人が死んでいる? 
国内外のデータを基に誤情報と陰謀論を検証する
國井 修
(元長崎大学熱帯医学研究所教授)

(つづきです)


「ワクチンによる死亡」の実態

アストラゼネカ製とJ&J製のウイルスベクターワクチンでは、接種後の血小板減少を伴う血栓塞栓が報告されている。これはワクチン接種後4~28日に脳静脈や内臓静脈といった通常ではあまり発生しない場所に血栓症が生じるもので、発症メカニズムは明らかではないが、ワクチンに使用されているアデノウイルスが血小板に結合して活性化する可能性が疑われている。
アストラゼネカ製ワクチンは欧州では100万回接種当たり3.4件の発症が認められ、注意を喚起している。だがファイザー製とモデルナ製では、接種者と非接種者との比較で発生率の有意な増加は認められて いない。
ワクチンによる直接的な副反応とは言えないが、ワクチン接種によりウイルスに感染したときの症状が増強してしまうワクチン関連疾患増悪(VAED)という現象を懸念する人がいる。確かに、過去にはRSウイルスワクチンや不活化麻疹ワクチン導入時に観察され、またデング熱ワクチンでもワクチンによって誘導された抗体によって感染が増強する抗体依存性増強(ADE)の可能性 が疑われ、9歳未満では接種が中止されている。
ただし新型コロナについては、ファイザー製とモデルナ製ワクチンの動物実験によりVAEDやADEに関連する免疫誘導は見られず、実社会でもこの現象を裏付ける研究結果は認められていない。
これ以外にも脳卒中や認知症などワクチン接種による重篤な副反応ではないかと疑われた疾患はあるが、世界のさまざまな調査研究結果から、これらの疾患が自然発生率と比べてワクチン接種後に多く発生しているとのエビデンスはない。

ワクチン接種による最も重篤な副反応である死亡はどれだけあったのだろうか?
「ワクチンを打った時期に超過死亡が増えた」との言説が出回っているが、これはさまざまな研究で否定されている。
例えば日本では、ワクチン接種後でなく、接種前から死亡数は増えており、むしろ21年のデルタ株や22年のオミクロン株の流行による多くの超過死亡をワクチンによって防ぐことができたとも言える。アメリカでは政治的な影響もあり、ワクチン接種率の高い州と低い州の違いがあるが、ワクチン接種率の高い州で超過死亡は少なくなっている。
また欧州29カ国に関する研究では、初回および追加接種率をある時期までにそれぞれ70%、35%に達した早い国のグループとそのレベルに達しなかった遅い国のグループを比較すると、後者の新型コロナによる平均超過死亡は前者の約5倍だった。
では、実際にワクチンによる死亡はどの程度報告されているのだろう。
アメリカにはワクチン接種後に起こった健康問題を本人や家族、医療従事者など誰からでも自発的に報告できる「ワクチン有害事象報告システム(VAERS)」がある。今年1月25日時点で2万2225人の死者が報告されている。
このVAERSの死亡数を使って、実際のワクチン関連死は15万人以上だ、いや30万人だなどと勝手に臆測した数字がSNSなどで独り歩きした。このVAERSはワクチン接種によって何か問題が起きていないかのシグナルを検知するために広く一般や開業医などからも情報を吸い上げるもので、ワクチン接種との因果関係も情報の信頼性も不明である。何といっても、ワクチンの有無にかかわらずアメリカでは毎日2300人以上が心血管障害で死亡し、そ れを含む9400人以上が何らかの原因で命を落としている。それが起こる前にたまたまワクチン接種を受けていたということもあり得る。
ちなみにイギリスでは、医師の死亡診断書に新型コロナワクチンが死亡原因として記載されているものを集計して毎月報告している。23年7月30日時点で累計64例で、これをさらに精査した結果、ワクチンとの因果関係がありそうなものは56例となっている。当時、イギリスの人口のうち6000万人近くが少なくとも1回のワクチン接種をしていたと言われるので、新型コロナ流行中の約3年間で100万人当たり1人程度の死亡である。
また、ワクチン接種率がほぼ100%と高率であるカタールではワクチン接種後30日以内に死亡した例を全て登録している。その数は22年6月時点で138例であり、うちワクチンとの因果関係がある可能性が大および中程度と判断されたものは23例だった。当時約265万人がワクチンを接種していたので、100万人当たり10人未満の割合となる。


日本における「ワクチン死」

日本においても医療機関や製造販売業者から新型コロナワクチンの副反応疑いが報告されている。
23年7月30日時点で新型コロナワクチンは約4億回接種され、死亡はファイザー製1878例、モデルナ製236例を含め2117例が報告された。これらについては性別、年齢 接種したワクチンの種類・回数・ロット番号、接種日と死亡日、基礎疾患・既往症、服薬状況、死因や死亡の状況、報告医が死因等の判断に至った検査、他の要因の可能性などが詳細に報告され、不明な部分は受診した医療機関などに問い合わせてできる限りの情報を調べている。それらの情報を基に外部専門家らが評価して、ワクチンと死亡との「因果関係が否定できない(α)」 「因果関係が認められない(β)」「情報不足等により因果関係が評価できない(γ)」の3つに分類して報告した。
その結果、2117例中「因果関係が否定できない」とされたのは、ファイザー製ワクチンを3回目接種した2日後に「心筋心膜炎」で亡くなったとされる14歳女性と、ファイザー製を4回目接種した当日に「アナフィラキシー」の疑いで緊急搬送されたが最終的に死因が特定できなかった42歳女性の2例だった。
「因果関係が認められない」は、ワクチン接種4日後に誤嚥性肺炎で死亡した全介助状態の65歳男性やワクチン接種前から腹部大動脈瘤が切迫した状況であった93歳男性など11例。残りの2104例は「情報不足などで評価できない」と判断された。
その詳細を見てみると、90歳以上、時には100歳以上で高血圧・心臓病からまでさまざまな基礎疾患を持っていて、突然死で死亡原因がよく分からないものから、20~40歳代でワクチン接種後に突然死したのが基礎疾患によるものか否か情報がない、なかには精神疾患を発症して自殺したのでワクチンとの因果関係はなさそうだが、完全に否定もできないものまでさまざまである。
これらの中で原因究明のために検死をしたものは、わずか1割程度だったという。私も医師として過去に多くの突然死や心肺停止後の方を診たが、検死もせずに、また検死をしたとしてもその原因を突き止めるのは簡単ではなかった。
いずれにせよ、死亡報告された2117例のうち99%以上は「情報不足などで評価できない」と分類された。1億人以上がワクチン接種を受けて、報告された死亡数2117人とすると100万人当り約20人、「因果関係が否定できない」と判断された2人とすると100万人当たり約0.02人の死亡確率となる。
これらの報告データだけではワクチンの安全性が十分につかめないため、日本を含め世界でさまざまな調査研究がなされてきた。
例えば、日本国内において20年9月から1年間、18歳以上の22万人以上をワクチン接種群(1回接種13.6万人と2回接種12.7万人)と非接種群18.3万人に分けて180日以上観察した結果、 死亡はそれぞれ65人、65人、2316人と非接種群で多く、接種群の死亡リスクは非接種群よりも26分の1も少ないことが示されている。この研究で示された死亡はワクチンとの因果関係は追究しておらず、あくまで観察された死亡数であることに注意したい。
世界では同様に、接種群と非接種群に分けたランダム化比較試験が数多くなされているが、ワクチン接種によって死亡が増えるという結果はなく、むしろ接種によって死亡を防いでいるとのエビデンスが示されている。
感染症が猛威を振るっていた時代であれば、有効性の高いワクチンが感染や重症化を防ぐ利点を感じる度合いが大きいが、感染症が減り、その影響もあまり感じなくなってくると、予防接種のリスクのほうにより意識が高まるのは当然だ。
特にワクチンは本来、健康な人に接種するため、その安全性には高い水準が求められ、リスクに対する国民の許容度は低くなる。まれな副反応であってもしっかり検討すべきであり、因果関係があるのかないのかについても、より明確な情報を入手できるシステムが必要である。
その意味では、副反応疑いで死亡している人のほとんどが「情報不足などで因果関係を評価できない」という日本の現状を改善する必要がある。ワクチンの安全性をチェックできるよりよいシステムとして参考になるのが、アメリカのワクチン安全性データリンク(VSD)である。
VSDとは米CDCが90年に創設したプロジェクトで、9つの民間の病院群と共同でワクチンの安全性をモニタリングする。ここでは約1200万人の医療情報を集積している。
先述のVAERSは予防接種後の有害事象の全国からの自発的報告として比較的迅速にシグナルを検知できるが、データが不完全で、報告バイアスがあり、比較群が欠如している。一方、VSDは医療機関でのさまざまな検査データを含めた電子カルテの情報と正確な予防接種に関するデータなどがつながっているため、ワクチン接種群と非接種群との比較、ワクチン接種前の健康問題や基礎疾患の有無などの分析により、ワクチン接種後の健康問題とワク チンとの因果関係も見えやすい。
さまざまなデータを自動解析し、統計的に有意な問題があればそれをほぼリアルタイムで検出でき、毎週データを更新できるので、未知であるとかまれな副反応疑いも見つけやすい。 ネットワーク内の各地域に医師、疫学者を含む専門家もいるため、これらのデータを基に新たな研究も計画・実施できる。

(つづく)


解説
「ワクチンを打った時期に超過死亡が増えた」との言説が出回っているが、これはさまざまな研究で否定されている。
例えば日本では、ワクチン接種後でなく、接種前から死亡数は増えており、むしろ21年のデルタ株や22年のオミクロン株の流行による多くの超過死亡をワクチンによって防ぐことができたとも言える。アメリカでは政治的な影響もあり、ワクチン接種率の高い州と低い州の違いがあるが、ワクチン接種率の高い州で超過死亡は少なくなっている。

このことは、事実として押さえておきましょう。
その上で……

(日本では)死亡報告された2117例のうち99%以上は「情報不足などで評価できない」と分類された。(中略)

特にワクチンは本来、健康な人に接種するため、その安全性には高い水準が求められ、リスクに対する国民の許容度は低くなる。まれな副反応であってもしっかり検討すべきであり、因果関係があるのかないのかについても、より明確な情報を入手できるシステムが必要である。
その意味では、副反応疑いで死亡している人のほとんどが「情報不足などで因果関係を評価できない」という日本の現状を改善する必要がある。ワクチンの安全性をチェックできるよりよいシステムとして参考になるのが、アメリカのワクチン安全性データリンク(VSD)である。

これは、今後の課題として受け止める必要がありますね。

 

獅子風蓮



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