獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

“参政党現象”の正体 その2

2023-02-08 01:26:57 | 反ワクチン・陰謀論

週刊文春WOMAN vol.15 2022秋号

「ゆるふわオーガニック信仰」が排外主義、陰謀論と結びつく日
反ワクチン、ノーマスクでいまや党員10万人

“参政党現象”の正体

からの引用です。


『ONE PIECE』のような政治

街頭演説の現場にいる女性は30~50代で、食や健康に関心がある子育て世代も多い。子どもが小学校でマスクを強要されていることに悩む母親もいた。子どもへのワクチン接種が心配で 情報を調べるうち、YouTubeで参政党の存在を知ったという女性もいた。
予祝パーティーに参加した70代の女性も「息子のお嫁さんに参政党を薦めてもちょっとね……」と言いながらも、「でも、甘いものを食べていた子どもたち家族はコロナにかかって、私の家で昼と夜を食べていた息子はコロナにならなかったのよ」と明かした。
各支部では「ぬか床づくり」などの食にまつわるイベントも行われており、間口は広い。身近に参政党支持者がいる可能性は低くない。
赤尾は党員の特徴をこうも言う。
「党員は候補者に『頑張って下さい』とは言いません。『一緒に頑張りましょう』なんですよ」
参政党は参加意識の高い人たちから支持を集めた結果、比例代表で得票率3.3%となる176万8385票を獲得した。神谷が参議院議員となり、国政政党の要件も満たした。今年の政党交付金は7700万円が見込まれる。
政治離れが叫ばれるなか、参院選の最終演説会場となった芝公園には1万500人(党発表) もの聴衆が集まった。そのほとんどはノーマスク。大手メディアは選挙後に、この熱狂を「参政党現象」と呼んだ。
参政党が結党されたのは2020年4月。元吹田市議の神谷宗幣、財務省出身で元衆議院議員の松田学 (現・党代表)、ジャーナリ ストの篠原常一郎、政治系YouTuberのKAZUYA、政治アナリストの渡瀬裕哉を中心に結党された。
しかし、2021年初頭には方向性の違いからKAZUYAと渡瀬が離脱。新たに歯科医師の吉野敏明、大日本愛国党を率いた赤尾敏の姪である実業家の赤尾由美が合流して党の共同代表に就いた。
右派論壇に詳しい作家の古谷経衡は、参政党以前の神谷についてこう話す。
「神谷は2012年に自民党公認で衆院選に立候補しましたが、維新の候補に敗れて落選しました。衆院選落選後、東京に出て右翼業界に出入りするようになった神谷は 『ONE PIECEのような政治をしよう』と書かれた名刺を配っていました」
『ONE PIECE』は海賊を主人公にした人気マンガで、個性的なキャラクターが多数登場する。参政党が比例代表の候補者5人 (武田、松田、吉野、赤尾、神谷) を「ゴレンジャー」と称したのとも通ずる。
「党の主要メンバーは、武田邦彦という唯一の例外を除けば、保守論壇の周縁に位置する人たちです。保守論壇中央から支持が得られるようなネームバリューもない。ネット右翼のような人たちが作った政党ですが、実際にはネット右翼からは強く支持されていません。それは参政党の主張が保守の中からも『ゆるい』と思われているからです」
参政党の綱領には「先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる」「日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する」「日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる」との文言がある。保守色が強 いことには間違いない。
しかし、古谷は参政党の重点政策のうちの一つ「食と健康、環境保全」が間口を広げたと指摘する。
「参政党の本質はオーガニック信仰です。私が話した参政党支持者の多くは政治的知識が乏しく、これまで投票に行ったことがない人がかなりいました。所得は中流以上で、政治的には無色透明。全国的な政治団体がオーガニックを取り上げ、勉強熱心な人たちが集まった。科学的根拠に基づかない『ゆるふわオーガニック信仰』は、情報商材、ネットワークビジネス、仮想通貨、反ワクチン、スピリチュアルと親和性が高いんです」
参政党の重点政策には「外国資本による企業買収や土地買収が困難になる法律の制定」「外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めない」などの排外的な文言も並ぶ。一見、オーガニックとは縁遠く思えるが、古谷は「不自然ではない」と言った。
「参政党の『健康』へのこだわりは、有機農法・無農薬・食品添加物禁忌から『純粋な身体に不純物を入れることは良くない』という発想につながります。これはコロナワクチン接種拒否に通じる。もっと進むと 純血主義になりますが、多くの支持者にはその自覚がありません。そんな状態で『参政党の主張に共感する人はエリートです』と言われれば自尊心をくすぐられる。だから支援者は『私は 目覚めた!』と熱狂するんです」
政治に興味を持つことは大切だ。しかし、政治的に免疫がなく、無色透明な人たちが「橙色」に触れるとどうなるのか。 「やや日刊カルト新聞」総裁で参政党も取材する藤倉善郎は言う。

仲間ができたと涙を流す

「参政党の候補者は『小麦を食べるようになってから日本人のがんが増えた』『ユダヤ系の国際金融資本が世界の政治や金融を支配している』などのデマや陰謀論を言っています。しかし、街宣車や舞台装置にお金をかけているので、ちゃんとした政治家がまともなことを言っているように見える。だから支持してしまう。私は『ステルス陰謀論』『ステルス反ワクチン』だと思っています」
参政党のイベントには、陰謀論まがいの極論を話す講師が登壇することもある。
一方、キムタクの母・木村まさ子が党の応援動画に出たこともあった。彼女は食などに関する講演活動を行っている。動画では、想像力を養う子育てや、“ニッポンのすごさ”について神谷と意気投合している。
あまりにも振れ幅が大きいのではないかと指摘すると、神谷はこう反論した。
「私たちは問題提起をしているのであって、講師の考えすべてに賛同しているわけではありません。みなさんに考えの幅を広げてほしいから、極端な主張の人にも登壇してもらっています。メディアが全部同じ方向に行ったら全体主義になる。だから、僕らがメディアの仕事をやっているつもりです」
そして神谷は「一度は受け止める」という言葉を使った。
「参政党にはワクチンを打った人も、マスクをつけましょうという人もいます。いろんな宗教団体の信者さんもいるでしょう。でも、排除はしません。 家庭や職場で話したら、『頭おかしいの?』って言われちゃう話でも、一度は『そういう考えもあるよね』と受け止める。人の意見もちゃんと守ったうえで、安心して議論する。だから『参政党に入って仲間ができた』と涙を流される方もいます」
参政党は極論に優しい。その一方で、外国人や外国勢力には厳しい。寛容と狭量が同居する政党だ。
「どんな立場の人でも参政党は受け入れます。ただ、何をすべきかについてはみんなで話し合って、合理的な解、アウフヘーベンを導き出してほしい。僕が言っているから全部正しいと思わないでほしい。僕も間違える。僕は神じゃない。信者もいりません」
神谷はそう訴えるが、党勢は一気に拡大した。今後、党内の意見集約はより難しくなるだろう。
はたして神谷の求心力は、いつまでこの“熱狂”を支え続けられるのだろうか。

             (文中敬称略)


解説
神谷は「一度は受け止める」という言葉を使った。
「参政党にはワクチンを打った人も、マスクをつけましょうという人もいます。いろんな宗教団体の信者さんもいるでしょう。でも、排除はしません。 家庭や職場で話したら、『頭おかしいの?』って言われちゃう話でも、一度は『そういう考えもあるよね』と受け止める。人の意見もちゃんと守ったうえで、安心して議論する。だから『参政党に入って仲間ができた』と涙を流される方もいます」
参政党は極論に優しい。

なるほどそうやって、「熱狂的な」信者ともいうべき党員をかき集めたわけですね。
でも“寄せ集め”は、“寄せ集め”にすぎません。

獅子風蓮



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。