獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(14)

2023-11-27 01:26:04 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
■第4章 アテンダーという裏稼業
□第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第4章 アテンダーという裏稼業
□アテンダーは黒子に徹しろ
□山下智久と亀梨和也はハメられた
□女性タレント9人の中絶もアテンド
□芸能人を盗撮・盗聴する女は許さない
□週刊誌記者から守るアテンド術
□アテンダーになる方法
□人のためにキレられるか
□努力しない女は港区から去れ
□バーで夢を売る技法
□すすきののホステス嬢を87人喰った
□みかじめ料とすすきの
□大阪・北新地のケツモチヤクザ
□豪快だった大物演歌歌手
■賭博ゲーム大国・沖縄の自由度
■関東連合60人が店にやってきた
■ウーロン茶5杯で10万円 ・関東連合から渡されたピン札
■プロ野球選手とJリーガー
■小出恵介をハメた美人局の正体

 


賭博ゲーム大国・沖縄の自由度

MACCAは六本木、すすきの、大阪に続き、沖縄にも支店を出した。1990年代に一世を風靡した JUDY AND MARY ってバンド知ってるやろか。あのバンドでギター弾いてたTAKUYAが、趣味で沖縄にダーツバーをもっとった。そのTAKUYAからこう誘われたんや。
「ヒガシ君、このダーツバー儲からへんから、MACCAに名前変えて一緒にやろうや」
そこで店をリニューアルして、MACCAに看板をすげ替えて営業を始めた。沖縄はオモロイ土地や。本土では考えられへんけど、バーでも居酒屋でも蕎麦屋でも、そこらじゅうにコインゲームが置いてある。カネを賭けられる賭博ゲーム機や。どう考えても違法やのに、沖縄ではこのゲーム機が普通にあちこちに置いてある。
MACCA沖縄店にも、怪しい営業マンがゲーム機を置きに来た。「これは沖縄の警察も認めてますから、心配しないでください」と言って、収益の何%かをマージンとして回してくれはるんや。
賭博ゲーム機のビジネスを仕切ってる大浜さんというオッチャンのフトコロには、作曲家の印税長者みたいに売り上げがドンドコ入ってきよる。そのカネを元手に、大浜さんは沖縄に村を作ってもうた。 Airbnb(エアビーアンドビー)を使って観光客を 呼びこみ、村の宿を貸し出して儲けてはる。大浜さんはこう言っとった。
「このビジネスを東京にもっていったことがあるんだけど、すぐに警察につぶされた。沖縄は自由にできるからええよな。沖縄は売春もユルユルやし、本土とは警察の仕組みが別々なのかもしれんね」

 

関東連合60人が店にやってきた

六本木にあったMACCAは、関東連合が来ないことで有名な店やった。せやから、MACCAは芸能人が「ここなら自由に遊べる」と安心して、めっちゃ溜まっていた。
常連だったAさんなんて、バーなのに毎月100万円近くカネを使ってくれはる。ありがたい客やったから、Aさんの支払いは月掛けのツケにしとった。そのAさんが、関東連合の連中を怒らせてしもうたんや。
MACCAの下の階には Cafe La Boheme(カフェ ラ・ボエム)というおいしいイタリアンレストランがあった。そこから取ったパスタを俺がMACCAのカウンターで食ってたら、めっちゃガラが悪そうな連中が店に入ってきた。
「なんやコイツら? 面倒くせえなあ」と思いながら引き続きパスタを頬張っとった ら、リーダー格の不良が「おい、ここの社長呼べよ」と言いよる。ん? 社長は俺やで。目の前に店長がいたから首を2~3ミリだけ振って「言うなよ」と目で合図した ら、そいつは「今日は来てないです」とトボけてくれた。
「ちょっと呼んでくれよ、話あんだよな」
(マジかよ……)
トイレに行くフリをして厨房に隠れて「どうしようかな……」と困ってたら、外が騒がしくなってきて、警察官がドヤドヤ入ってきてこう言うんや。
「おい、外にいる何十人もの若いヤツらは誰だ?」
MACCAの店内にはガラの悪いヤツらが15人くらいおる。さらに残りの連中が外で待っていて、総勢60人が集合しておったんや。
「おい、この店の社長呼べ!」
刑事が怒鳴る。しゃあないからおずおずと手を挙げた。
「何だよ! さっきから社長はいねえとかスットボケといて、ここにいるじゃねえか!」
「いや、ちょっと怖かったんで……。えらいすんまへん」


ウーロン茶5杯で10万円 
関東連合から渡されたピン札

俺はそのままパトカーに乗せられて麻布警察署に連れて行かれた。
「おい、あいつら誰かわかってるか?」
「いや、わかんないです。不良っぽく見えましたけど」
「あいつら関東連合っていって、俺たちもマークしてるヤツらなんだ。お前、何かやったのか?」
「いや、俺じゃないです」
「じゃあなんであいつらが大勢で来てんだよ?」
「いや、わかんないです。 本当に俺も全然わからないんですよ」
「ここに電話したら、5分以内に警察が来るから。何かあったらここにすぐ電話しろ。今この場で携帯に登録しとけ。俺らもとりあえずあいつらをどんどん逮捕したいんだよ。協力しろよ」
「はい、わかりました」
緊急の電話番号を渡されてMACCAに戻ったら、まだ関東連合の連中が5人残っている。
「今日は社長をさらいに来たんじゃねえから」
「はあ。それで、今日はどんなご用件なんですか」
「Aって客わかる?」
「はい、わかります。 ウチの常連さんです」
「ちょっとここに呼んでよ」
「なんでですか?」
「そいつ出会い系サイトをやってて、ウチの名簿をパクったんだよ。だから詰めなきゃいけねえんだわ。今あいつの家の前に、ウチの若いのが4人行ってんだよ。そいつが普段飲みに行ってる場所にも、全部ウチの若いモンが行って張ってんだ。社長、頼むわ」
「じゃあ、今連絡してみますね」
Aさんに電話をかけてみたものの、もちろん出るわけがない。
「出ないですよ」
「そうか。じゃあ信じるわ。もしそいつから連絡が来たら、絶対俺に連絡くれよな」
そう言って名刺を渡された。
「これ、今日の飲み代だ」と言って、10万円のピン札を渡そうとする。5人がウーロン茶を1杯ずつ飲んだだけやのに。
「いやいや、困りますよ。こういうのは、ちょっと受け取れないです」
「社長、俺に恥かかすの?」
しょうがないから、10万円のお代は騒ぎを起こした迷惑料として受け取っておいた。
「でも、ここイイ店だね。 また来させてもらっていい?」
「いや、ちょっとアレですねえ……」
「お前さ、そんなに露骨に嫌そうな顔すんなよ」
それからは関東連合の連中が六本木のMACCAに来たことはない。しくじりを犯したAさんが関東連合とどんな手打ちをしたかは、俺もよう知らんわ。

 


プロ野球選手とJリーガー

アテンダーとしてタレントの女の子を紹介しながらバーも全国に展開していった。俺はアテンド自体でおカネを稼いでいるわけやない。基本は友だちや。せやから、俺がアテンドすることで友だちの人生がマイナスになるようなことはしないようにしていた。
「女の子を紹介してくれ」と言ってくる客は、タレントばかりではない。経営者にアスリートと職業は多彩や。
その中でアスリートについては、意識的になるべくからまんようにしてきた。
芸人や俳優、アーティストは、女遊びをやればやっただけ芸の肥やしになる。色気も出てくる。きれいな女の子にキャーキャー言われることがモチベーションになり、ますます仕事をがんばる人間が多い。けどアスリートだけは、アテンダーが女の子を紹介するとダメになってまうケースが多い。
大宮アルディージャの氏家英行は、トルシエ監督の時代に日本代表選手に選ばれるほど活躍した。ものすごい才能やったけど俺が女の子を紹介してあげたら、女遊びにハマってどんどんダメになっていったように見えた。名前は忘れてもうたが、横浜マリノスにいたサッカー選手も、俺が女の子を紹介した瞬間にホンマに見事にダメになった。
「しまった。アスリートに女を当てがうのは絶対アカンな。俺がアテンダーをやるせいで、あいつらのアスリート人生が終わってまう」
そう気づいてからは、アスリートから頼まれてもなんやかや言うてはぐらかし、女の子は紹介せんようになった。
アスリートは総じて性欲がムチャクチャ強い。性欲の塊、男根が服を着て歩いてると言ってもええくらいや。そのくらい肉体的に強いから一流になるわけや。よっぽど意思が強くストイックでなければ、あいつらは女性への性欲には勝てん。性欲に呑まれて、アスリートとしての本業の仕事がおろそかになってまう。
プロ野球は毎日のように試合があるから、シーズン中はムチャクチャハードや。試合がない日は地方への移動日やったりするし、遊びたくてもそんなには遊べない。
Jリーグは試合間隔がプロ野球ほどハードやないから、試合と試合の合間にインターバルが空く。ピッチを90分間走りまわった体を休め、メンテナンスするべき休暇日に女遊びしまくっとったら、サッカーがダメになっていくのは当然や。
若いうちから海外リーグに移籍したほうがいいのは、サッカーだけに集中できるというのも大きいんやろうな。

 


小出恵介をハメた美人局の正体

アミューズが所属タレントの危機管理に力を入れ始めたころ、アドバイザーとして非公式に協力を求められたことがある。「大阪の××とは関わったら絶対アカン」「東京の要注意人物はコイツとコイツや」と危ないアテンダーの固有名詞をコソッと全部教えた。ヤバイ人間が出入りするバーの名前も全部教えたもんや。
当時の人気俳優・小出恵介がハメられ、芸能界から何年も追放されたことがある。17歳の女子校生と酒を飲んでセックスしたことが、2017年に「FRIDAY」に暴かれてしもたんや。CMは打ち切り、出演ドラマや映画は何本も撮り直しやお蔵入りになった。違約金が何千万円にのぼったのかは想像もつかん。
小出君をハメた人間が誰かを俺は知っとる。
その不良は、イベントに参加しとったかわいい女子高生を未成年と知りながら小出君に紹介した。小出君が見事にハマってくれたのを見届けて、このネタで脅してカネにしようと考えた。巧妙に仕組まれた美人局や。
世の中には、何歳になっても20歳に見える童顔の女性もおる。反対に、ちょっと年上に見える女の子だっておる。身分証明書でも提示してもらわん限り、女の子の実年齢なんて誰にも正確には当てられん。飲みの席で「免許証か保険証を見せてくれる?」なんて尋ねるのは野暮の極みや。「20歳で~す」「21歳で~す」と自己紹介されたら、疑うことなく普通に飲むのが当たり前や。
相手が未成年の女子校生だとわかっとったら、人気芸能人が酒を飲んだりホテルに行ったりせんだろう。20歳以上だと信じてたのにハメられたんやから、小出君はむしろ被害者や。なのに淫行犯罪者のようによってたかって非難して、芸能界の第一線から引きずり下ろす。いくらなんでもあんまりや。
筋の悪いアテンダーに引っかかったら最後、芸能人の人生が一発で終わってまう。自分の顔と名前が売れてると自覚がある人は、遊び方にはくれぐれも気ぃつけてくれよ。

 

 


解説

ガーシーの語る裏社会の話は、聞いている分には面白いですが、あまり近づきたくないですね。

ガーシーを英雄視する若者も、ヤケドをするので、決してマネをしてはいけません。

 

獅子風蓮



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