美味しそうな虫が居たのでつまんで食べようとしたら自分の首がなかった夢を見た
山口洋子が亡くなったそうであるが、何も読んだことがないぞと思ったのは間違いで、「貢ぐ女」というのは大学のときだかに読んだと思う。作詞家の男に貢ぐ、スナックで働く女が、自分で貢いでいるつもりが貢がせてもらっていたことに気付くという話(確かそんな感じ)である。そのクズ男に「貢がせてもらっていた」という納得の仕方をどう解するかは当時考える気にはならなかった。今もならない。とにかく、当時、そのクズ作詞家に激しい怒りを覚えたのは確かである。作者がどういうつもりかは知らんが、フェミニズムというのは、こういう小説によっても支えられるところがあるのではなかろうか。
たしか、コトをすましてベッドに寝ていたら、男に別の女から電話かかってきて「居ない居ない」と繰り返す男の口元に「居るわよお!」と叫ぶ場面があった。よかった。
高校生の時だか、寺田寅彦の「団栗」に感激したことがあった。だから岡潔のこの本で「団栗」を褒めあげているのだけはよかった……と思ったのは、大学の頃で、最近読み直してみたら、他にもいろいろいいことが書いてある。元文部大臣の書いた巻末の解説ではあまり説得力を感じないのに、岡の文章で語られると、その教育論もなかなかであった。自己批判をはじめるのは高校(今の大学)になってから、と主張しているのは面白い。教育は柿を美味しくするのと同じで、成熟時期を遅らせるべきだと言うのである。難しいことはあとで、といっているのではない。育てりゃいいという教育が「動物性」を生長させているというのである。渋柿になってしまってると。このことはよく分かる。グループ学習も「ボスを作るだけ」と。わたくしもそう思う。
日本人は、たぶんギリシャ的なものが苦手と指摘しているところはなかなか鋭いと、無根拠に私も思う。芥川と漱石の対比もまああたってるかも知れない……。
子どもの頃は、トノサマバッタとクルマバッタの違いが、人間の女と男の違いなんかより重要であった。そういいながら、わたくしが好きなのはオンブバッタであって、雄が雌の背中に乗っかっているので、つかまえると二匹でお得だったからだ。いや、協働しているやつが昔から嫌いだったのかも知れない。
・「朝日の911」になった…社員、次々つぶやき(http://www.yomiuri.co.jp/national/20140912-OYT1T50073.html)
……『朝日新聞』が特に満州事変あたりから
・首相、朝日慰安婦報道「世界に向かって取り消しを」(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140914/plc14091411370006-n1.htm?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed)
……ついでに、中曽根がどっかの本で書いてた「むかし慰安所作ったよ」みたいな発言も取り消した方が名誉向上が……。というか、名誉というのは、事実にあんまりこだわると逆に……。無論、みんな、もともと大して世界が問題にしていない「日本の名誉」など関係なしにどんどん書きまくればよろしいのです。墓穴をほっても訂正して成長すればいいじゃない。
・山口淑子さん死去 女優「李香蘭」、参院議員として活躍(http://www.asahi.com/articles/ASG9G46LKG9GUCLV005.html)
……「女優・李香蘭として日中両国の歴史に翻弄され、戦後はワイドショーの司会者や参議院議員としても活躍した山口淑子(やまぐち・よしこ、本名大鷹淑子〈おおたか・よしこ〉)さんが7日、心不全のため、東京都内の自宅で死去した。94歳だった。葬儀は近親者で営んだ。」嘘があるかないかという基準で言えば、わたくしは、このような書き方の中にさえ嘘があると思う。新聞の文章は「女優・李香蘭として日中両国の歴史に翻弄され」とか平気で書いてしまうところがあかん。事実を確かめなくても、これは「嘘」である。
・オバマ米大統領「イスラム国を破壊する」、シリア領内の空爆承認(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H604020140911)
……事実に言葉をあわせようとすることと、言葉に事実を合わせようとすることは、思ったより違うことでない。こうならないようにしたいものです。