★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

おのれへの絶対的自由……

2017-04-24 23:20:42 | 思想


ニーチェを読んで、「やっぱり日本は仏教だし西洋よりもすごい」とか喜んでしまう人たちは昔からたくさんいたわけだが、この本も危険な橋を渡っている。適菜収の「現代語訳」を眺めたときも思ったが、「おのれへの絶対的自由」(原佑訳)といったニュアンスが「自己愛」になってしまうのが、こういう書物が陥りがちなことではなかろうか。