goo blog サービス終了のお知らせ 

★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

壁丼

2014-10-23 16:46:27 | 食べ物
http://www.asahi.com/articles/ASGBP4S5SGBPUTIL01X.html?iref=comtop_6_02

いま壁ドンというのが流行っているそうであるが、これを現実にやったら、確実に肉食系セクハラパワハラ非モテコミュ障のレッテルをはられ社会から葬り去られるであろうから男子は気をつけた方がよい。

わたくしなど、壁に手をつく前に相手におなかが当たってしまうだろうし、女子の方が背が高いから下手すると、壁ドンではなく、顔面ドンとか、肩ロース丼とかになってしまう可能性が高い。

また、わたくしの人生の法則からして、うまく壁に手をついたと思ったら暖簾だったとか、警報器を押してしまったとか、絶対そういうことになる。

先日、授業で、「学生が貧乏になったので恋愛する暇がなくて草食系が増えた」説について検討してみたが、世間のくだらない心配をよそに、学生たちはわたくしの昔と一緒で過剰に恋愛におぼれもせず、お金の使い方もまあ普通であり、特に特徴は見つからない。壁ドンで顰蹙を買いそうなやつはいないとみた。

私流の壁ドン


さだめしこの室生君自身の干物を

2014-10-16 23:23:10 | 食べ物


里見君などは皮造りの刺身にしたらば、きつと、うまいのに違ひない。菊池君も、あの鼻などを椎茸と一緒に煮てくへば、脂ぎつてゐて、うまいだらう。谷崎潤一郎君は西洋酒で煮てくへば飛び切りに、うまいことは確である。
 北原白秋君のビフテキも、やはり、うまいのに違ひない。宇野浩二君がロオスト・ビフに適してゐることは、前にも何かの次手に書いておいた。佐佐木茂索君は串に通して、白やきにするのに適してゐる。
 室生犀星君はこれは――今僕の前に坐つてゐるから、甚だ相済まない気がするけれども――干物にして食ふより仕方がない。然し、室生君は、さだめしこの室生君自身の干物を珍重して食べることだらう。

――芥川龍之介「食物として」