【過去問】
悲憤こうがい(慷慨or忼愾)の壮士・・10-3K=征151頁(出典 北村透谷「三日幻境」 冒頭直後の「回顧すれば七歳のむかし」から)
乱世をこうがい(慷慨or忼愾)し悲憤の涙を流す13-1K
気骨稜々たるこうがい(慷慨or忼愾)家の公良孺。16-3K(出典 中島敦「弟子」八)
こうがい(慷慨or忼愾)死に赴くは易く、従容義に就くは難し(謝枋得「卻聘書」)19-2K
約三年に一度出題されていますが、孰れの標準解答も慷慨と忼愾が併記されています。慷・愾は1級配当、慨は常用ですが、忼は、「必携」にも「辞典」にも載っておらず、配当外の漢字です。
先回記事にしたとおり、1級の採点基準は、13-1から変更となっていますが、その後3回の解答で、忼もOKとなっています。忼愾は、今本屋で売っている第4版の「征服」にも解答として載っています。
新採点基準は、やはり有名無実化しているのかもわかりませんが、4-1~20-3までの標準解答に載っている配当外の漢字は、嘽と忼だけですから、採点基準変更前の標準解答をそのまま踏襲しているだけのことでしょう。配当外の漢字を書くことは矢張り危険でしょう。
ただ、準1級の場合は、1級漢字を書いても正解となるのですから、1級の場合は配当外の漢字を書いても正解にするよう、1級の採点基準だけ元に戻して欲しいなと思います。そうしても、読みでは1級漢字しか出題できないでしょうし、書き取りも1級漢字を書けばいいのですから、1級初学者に負担になることはありません。1級については、頻回合格者が相当数存在し、「三度のメシより漢字が好き」の著者のように1級漢字では飽き足らない人もいるのですから、解答外の漢字も許容すれば学習範囲が広がると思います。
閑話休題、忼の音熟語は忼愾だけでいいでしょう。「大字典」には忼慨も載っています。「四字熟語」(第6刷)の悲歌慷慨・悲憤慷慨のところにも、慷慨は、忼慨とも書くとあります。また、訓はなげ(く)で、慷も、なげくと訓みますから、忼≒慷でしょう。
「大字典」では、慷と忼は別字扱いですが、「新字源」では忼は慷の本字、「字統」では、忼は慷の異体字となっています。
【亢の音符字】
「音符字典」によれば、全てコウと読みますから、読みは難しくありません。読みが同じだと却って書き取りで迷うものですので、1級漢字だけ摘記しておきます。訓読み、「過去問情報」と苦手な1級四字熟語、類義語、他の書き方も書いておきます。
(5)亢 [たかぶ(る)] のど 亢奮(こうふん)4-1Y=興奮 しんき(心悸)亢進17-3K(亢進=昂進=高進) 亢竜有悔
(2)伉 伉儷(こうれい)17-1Y=夫婦・伴侶 栄諧伉儷
(1)吭 のど 咽吭(咽喉)右臂13-1K これは、 「四字熟語」に載っていないものですから、再度出題されることはないと思っています。仮に(いんこう)右臂で問われても、咽喉と書けばいいのですから、吭は、書けなくてもよい漢字です。
(1)頏 頡頏=拮抗(きっこうorけっこう)12-2K 16-3K 20-2K 私は、拮抗の方だけ書けるようにしています。頡も頏も見出し語は頡頏しかありませんので、孰れも書けなくてもよい漢字です。
【配当外の漢字 学習字数】
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char様のブログ(21.5.2 ~5.10 )31字
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