塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 歴史資料の宝庫へ 和書の世界

2014-12-24 06:32:27 | ミュージアム巡り_2014
 「和書」とは、日本国内で書写、出版された書物のことで、源流
には紅葉山文庫、昌平坂学問所、和学講談所の蔵書に遡る。
 この3つの機関は、和書を精力的に収集、研究し、長きに渡り蔵
書の年代や形態は様々で、歴史や文学、政治、経済、医学など多岐
に渡る。
 その中から「本朝続文粋」(1955年重要文化財指定、金沢文庫旧
蔵、全13巻)。

 この書は、平安時代後期の漢詩文集で、後一条天皇から崇徳天皇
までの約120年間に創られた漢詩文を蒐集、分類された貴重な書物
で、平安時代中期に編まれた「本朝文粋」にならって創られている。
 展示されていた書物は、現存する写本では最古の完本。金沢文庫
の創設者とされる北条実時が文永9年(1272)に書写させたもの。
 慶長7年(1602)に徳川家康の手に渡り、その死後に紅葉山文庫に
収められている。

 この書の冒頭に“羽觴随波賦”は、3月3日に行われる曲水の宴
が周公の代に始まったという故事を基に作られた賦(漢文の韻文体)
で、水に流れる杯を取って酒を愉しむという風流な様子を詠ってい
る。
 作者は、儒学者で有職故実・詩歌に通じた大江匡房で、後三条天
皇、白河天皇、堀河天皇の学問の師を三代に渡り務めている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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