oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

巷に溢れる「エリート主義者」&「自己文化中心主義者」

2006-06-15 | 見方・視点
タイトルに記したこの2つの言葉、聞いたことがありますか?英語でそれぞれ、「elitist」と「ethnocentrist」といい、非難する気持ちが含まれた言葉です。

エリート主義者は選民意識を持っていて、「その他大勢の民衆」を見下す人。例えば、一流といわれる大学や会社に属している人間が、二流以下の組織に属している人間を、その人の人柄や才能などに関係なく自分の方が優れた人間だと思い込む人。それに、自分の考えや行動が「高次元」だと思い込み、そのような「高次元」な考えや行動を理解できない「低次元」な民衆を軽蔑する人もいますね。「『タイタニック』?大衆受けするあんな低次元の映画、どこがいいの?わたしはもっと高次元なアートを目指し、目が肥えた観客が満足するような映画を製作したい。わたしが相手にするのは、レベルが高い観客だけ」と言い放った映画監督がいたとかいなかったとか・・・(古い例でごめんなさい!)。「わたしく、おバカでミーハーな一般大衆とは存在している次元が違いますの、オホホ!」という感じでしょうか?

このようなエリート主義者と似た者同士の自己文化中心主義者とは、自分の文化価値観を基準にして他者を判断する人。自己文化中心主義者の例としてよく引き合いに出されるのが、一昔前の(今でも?)ヨーロッパ系のキリスト教宣教師。ハワイに派遣された宣教師がそこの原住民を見て、「いくら暑いからって、そんな半裸のようなカッコしてんじゃないの、はしたない!」日本に来た宣教師が混浴の公衆浴場を見て、「男女が裸で一緒にお風呂に入る!?なんてお下劣!!」

「半裸のような服装」にしろ混浴にしろ、そのような服装や風習ができた文化背景を理解せず、と言うより理解しようとはせず、あくまでも自分の文化価値観だけで他者を判断していたのが宣教師だった、と言われています。

似たような例として最近よく見受けられるのが、自分のセンスだけを基準にしてファッションを判断する人。「全てのファッション様式には、それ独自の良さがある」などとは思いもせず、自分のセンスが全て。自分のセンスに合わないファッションは、「ヘンテコ」の一言でバッサリ。先日書いたアーミッシュの記事でちらっと言ったけれど、こんな人はアメリカでアーミッシュを見たら、「何でそんなヘンテコなカッコしてんの?もっと普通の服着なさい!」と言いかねない!?(この場合の「普通」とはもちろん、「自分がいい」と思う服のことです。)

自己文化中心主義者とエリート主義者の共通点は?両者とも、自分または自分の価値観が「ベスト」だと思い込み、他者を軽蔑する傾向があること。自分や自分の考えがあくまでも「主体(subject)」であり、他者や他の価値観は「客体(object)」でしかないのです。

というわけで、

あなたはエリート主義者ですか?
あなたな自己文化中心主義者ですか?

「そうですよ、文句ある!?」いえ、別に文句はないんですが・・・。「自己チュー」な部分というのは、自分も含めて誰にでもある程度はあると思いますし。ただ、何事も度が過ぎると・・・。「ゆる~い」エリート主義者&自己文化中心主義者ならOK?(「ゆる~い」という言葉、最近わたしは明らかに乱用しています。

(上の画像は、エリート主義者の格好の餌食になった?懐かしの映画、『タイタニック』。わたしは「低次元の一般大衆」の一員ですから、映画館で3度も観ました)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
---主義者 (st)
2006-06-15 14:54:03
久しぶりのコメントです。

自分こそ自己文化中心主義者とよくわかっていてのコメントです。あしからず。

嫁に対する姑の態度や言葉がその例では?卑近な例で申し訳けないです。
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自己文化中心主義者 (しんのすけ)
2006-06-15 15:19:10
誰でもある程度このような部分はあると思います。「相手に思いやりを持って」とはよく言うけれど、なかなか人間関係はむずかしいですね。
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