私が空手を始めてから、この4月で37年になります。この間、空手の稽古を通じて多くのことを学ばせていただきました。その中でも特に大切だと思っている四つのことがあります。今、子供たちに空手を指導する立場になって、指導を通じてこの四つのことを子供たちに伝えて行きたいと思っています。
ひとつ目は「礼儀」です。道場では、出入りする際にきちんと礼をするよう指導しています。そして、「お願いします」と礼をして稽古を始め、「ありがとうございました」と礼をして稽古を終えます。対人で稽古する際には、相手に対して「お願いします」「ありがとうございました」ときちんと礼をさせています。そこにあるのは「相手を尊ぶ気持ち」です。「相手を尊ぶ気持ち」から生まれるものがすなわち「礼儀」なのだと思います。
二つ目は「忍耐」です。空手の稽古を続けていると、痛い思いをすることもありますし、苦しい思いをすることもあります。また、稽古は同じことの繰り返し、反復稽古が大部分を占めます。空手の稽古とは、とても根気のいる作業なのです。しかし、痛さや苦しさに耐え、ともすれば飽きてしまいそうな反復稽古に耐えなければ、決して上達は望めないのです。
三つ目は「努力」です。試合でも、昇段、昇級審査でも、何でも良いのですが、何か目標を持って努力してほしいと思います。努力して結果を出せた時の喜び、努力しても叶わなかった時の悔しさ、そんな経験を、数多く積んでほしいのです。仮にその時は努力が実らなかったとしても、努力した過程は必ずや自分自身の心と身体の財産になるはずです。
最後は「感謝」です。空手の稽古が出来るのは、月謝を払い、道場に送り迎えしてくれる親御さんや家族のお陰です。自分が強く、上手くなっていけるのは、指導してくださった先生方や、稽古の相手をしてくれる先輩や同僚、後輩たちのお陰なのです。いろいろな人に支えられて、自分は空手が出来るし、生きていくことが出来るのだ、ということに気づいてほしいと思います。そして多くの人々や様々な物事に、感謝の気持ちを持って接することの出来る人になってほしいと願っています。
空手の稽古は、基本的には空手道の技量の向上が主目的ではあります。しかし、一つ間違えれば人を傷つける技術を稽古するわけですから、技術だけ教えて「はい、おしまい」というわけには行きません。技術以上に、心を育てなければならないと思っています。
我が師 新武会会長の羽賀友信先生は、新武会という団体を立ち上げるに当たり「新武会は人を育てる団体でありたい」と仰いました。人を育てるとは、すなわち心を育てることに他ならないと思います。
私は人間としても、空手家としても、指導者としても、まだまだ未熟です。しかし、未熟ながらも精一杯、「礼儀」「忍耐」「努力」「感謝」の四つを子供たちに伝え、子供たちの心をより良い方向に育てていけるような指導を、これからも心がけて行きたいと思っています。
◎ 荻川コミュニティセンター教室稽古
準備運動、基本稽古、移動稽古、約束組手、ガンダム、軽自由組手
約束組手は、中級者以上と初級者に分かれ、中級者以上が上、中、下段任意で出してくる回し蹴りを逆三受けして反撃する稽古。初級者が下段回し蹴りを逆三受けして下段回し蹴りで反撃する稽古を実施
ガンダムは私とY参段が相手をして1分×1セット
軽自由組手は、中級者以上が1分×1~3セット
今春、中学生になるNくんが、今日の稽古で空手を「卒業」。Nくんは、小学2年生の時に入門し、週1回地道に稽古に励んできた。初心者の時から右の回し蹴りが上手く、センスのよい子だなと思っていた。中学進学にあたり、勉強や部活動で忙しくなることから、空手にひと区切りつけたいということで、「卒業」することとなった。Nくんだけでなく、本部道場の生徒の中にも、今春、中学に進学するため「卒業」していった者が何人かいる。TRくん、KTくん、SNくん、STくん、KEくん、KSくん…。指導者としては寂しいが、空手の稽古を通じて学んだことを、ぜひこれからの人生に活かして欲しい。皆のこれからの人生に幸多かれと祈りたい。
◎ レディースクラス
準備運動、補強、基本稽古、聴覚反応稽古(ステップ、シャドー)、視覚反応ミット(突き6種、蹴り6種)
◎ 鳥屋野体育館教室稽古
準備運動、基本稽古、ミット稽古、約束組手、聴覚反応稽古(ステップ)、軽自由組手、基本稽古
ミット稽古は、上段、中段、下段の回し蹴り。約束組手は、上段、中段、下段の回し蹴りを逆三受けして回し蹴りで返す受け返しを稽古。
最後は、軽自由組手とガンダム、希望する方をやろうと思ったら、体験稽古のTくん意外全員が軽自由組手を希望。その心意気よし、ということで、軽自由組手を30秒×8セット。体験稽古のTくんは私が相手をしてガンダムを30秒×4セット
先日の昇級審査に合格した鳥屋野教室の生徒に、色帯と昇級状を渡そうと思っていたのに、持ってくるのを忘れてしまった…(>_<) Sくん、Tくん、本当にごめんなさい<(_ _)>