天童荒太は、『包帯クラブ』を書くにあたって、主人公のワラやディノなどが住
む架空の街”久遠市”に関して、その街の地図だけでなく、歴史・背景などをも
考え抜いています。
さらに、登場人物一人ひとりについても生育暦や各年齢で起こった事実に関する
想いまで、ノートに精緻に書き綴っているのです。
そこまでこだわっている理由…それは次の彼の言葉が物語っています。
「氷山と同じで、見えない部分に深いものがないと、表に現れるものも薄くなる
んじゃないかって気がするんです。
その表に出ていないものの深み、あるいは厚みがあるだけ、表面に出てきた一
行に力があるはずだって」
(ヤングサンデー『言魂:天童荒太』より抜粋)
実際、人から語られる言葉の1つ1つもそうではないでしょうか。
年齢に関係なく、その人がどう生きてきたか…その生き様が言葉に大いなる力、
深みを与えてくれるものだと思います。
最近では女性の職場進出が普通の状態になってきました。
その中で当然リーダーシップをとる方も増えていますが、その方々の多くは、確
固たる個性をもってはっきりと自己主張しているように思います。
今、求められているのは、個性の輝き…といっても、周囲と乖離して嫌われるよ
うな自分勝手なものものは困りますよね。
周囲と融和できる個性をどんどん伸ばし、大成していくことが大事なのかもしれ
ません。
その1つ1つの人生の積み重ねがきっとその人を輝かせ、言葉にも重みを持たせ
ていくのでしょう。
石原さとみが好演していてなかなかの出来栄えでした
映画を観る前に原作を読むとつまらないと思ったので読んでいなかったんですが、コロンさんの日記を読んで、どんなものなのか興味が沸きました。是非読んでみます
映画が楽しみです。
あ!あと新しいテンプレート可愛い♪
映画、観られたのですね…。実は私は観てみたいとは思っているのですが、まだ観ていないんですよ(笑)
確かに映画の前に原作を読んでしまうとおもしろくない…とも言いますが、でも両者の違いや原作から監督がどう読み取って映像化しているのか…そんなことを考えながら観ていたら、かえっておもしろいのかもしれませんよ。
いずれにしても、私の拙文で原作に関心をもっていただけたのは嬉しいですね…、是非読んでみてください。
シンクロしていたのは、私も先ほどこのコメントを書く前に菫さんのブログを見ていたので知っていました。びっくりですね!!!
『包帯クラブ』は、今の現代の傷ついた人たちを癒してくれる…、お互いそっと声を掛け合うことで心豊かに生きていける可能性を示唆してくれているような作品だと思います。
天童荒太さんは、『永遠の仔』で関心をもっていたのですが…、社会の病理を鋭く描き、世に問うような作品が多いですよね。
その作風は、教師として社会を捉えなおす意味でも大変参考になっていますよ。
それから…テンプレートのことですが、もう秋になったので、季節感が伝わるものを選んでみました。
既製のものですが、可愛いですよね…。