読書日記

ここしばらく忙しく、本が読めていません…。

とはいえ、この２日間で、次の２冊を読みました。
　●『質問力』　斉藤孝（ちくま文庫）
　●『その数学が戦略を決める』　イアン・エアーズ（文藝春秋）


前者は、質問を積極的にすることを通してコミュニケーションを自らが深めてい
く必要があるという前提のもと、そのためには基本的に、「具体的かつ本質的」
な質問をすることを意識することが大事であると指摘しています。

そして、その方法として
　★言われたことを繰り返す”オウム返し”
　★相手の専門性を尊重する質問
　★相手に沿いながら具体的な言葉と抽象的な言葉を往復させながらずらす
などを具体的事例を通して紹介しています。

ただ結局は、相手との呼吸を測りながら、その話の文脈で臨機応変に質問を織り
交ぜて相手の持っているものを引き出しながら、話の空気を作りあげる…という
ことに収斂するのだと思います。


後者は、大量のデータ解析が各種の意思決定に大きく活用され、専門家の臨床か
ら得た知識を凌駕している現実が書かれています。

単純な思考では、専門家も対応できますが、多くの条件がある判断では、どうし
ても感情や先入観に左右されてしまい、戦略の選択がうまくできません。

それに対し、絶対計算は、人間の思考プロセスをアルゴリズム化し、コンピュー
タの発達の助けを借りて、大量の集積データを分析、意思決定を行うわけですか
ら、先述した結果がが起きて当然なのかもしれませんね。

ただ、そうなると、今後、人間が行動の最適化を常に絶対計算によって行うよう
になることも考えられますし…（現実にはそのような動きが各方面で進んでいま
す…）現場の人間の存在意義というのも問い直すことになりそうですね…。