Progress

日々一歩ずつ前に進むために書き綴ろう…。自分の中のちょっとした変化を大切に…。

梅田望夫氏の胎動を待ち望む

2008-04-30 17:54:09 | 随想





『ウェブ時代5つの定理』の前書冒頭で、梅田望夫氏は次のように述べています。
(少し長い引用ですが、梅田氏の人間的本質がこの文章に凝縮されていると思っ
ていますので、どうぞお読みください…)


未来を見通すことなど誰にもできないが、こうすればクリアに想像できるのか。
世界の成り立ちなど誰にもわからないけれど、こうすれば見晴らしがよくなる
のか。
十六年前、アメリカにやってきたばかりの私は、「ある種の人々」が英語で発す
る切れ味の良い言葉を読み、その言葉の背景にある思想や発想に寄り添って深く考
えることで、それができるのだという発見をしました。
 「ある種の人々」とは、テクノロジー業界の最先端を走る起業家や投資家、「普
通の人」よりも何歩も先をゆく天才的技術者、日々の濃密な経験から世界を俯瞰し
て眺めている企業経営者、複数の専門性を究めた大学教授といった人たちの中で、
とりわけ言語表現能力が高い人々のことです。
 特にシリコンバレーでは、そういう人々がビジョナリーと呼ばれ、オピニオン・
リーダーとして大変尊敬されていることを知りました。彼ら彼女らの切れ味の良い
言葉の数々が、多くの人にインスピレーションを与えるからです。
 そういう発見をして以来、私はひたすら、ビジョナリーたちの切れ味の良い言葉
を探しては考える、ということをずっと繰り返してきました。日々の仕事での経験
にビジョナリーたちの言葉を照射しては、変化の予兆をとらえようとしてきまし
た。これが今も続けている私の勉強法の核心なのです。
                              (引用終わり)

私は、この文章に、梅田氏のプロフェッショナル意識が如実に表れていることを感
じ、身体が震えるのを覚えました。


実際、チープ革命による情報加工能力とGoogleによる情報の秩序化の技術が飛躍的
に向上している昨今、これから知の自由競争化はますます避けられない状況です。

そこでは、今後、ビジョナリーと「普通の人」とのヒエラルキー構造が顕在化し、
知の自然淘汰にますます拍車がかかるでしょう。

そのような知の進化過程を梅田氏は鋭敏な嗅覚で感じとっているからこそ、上記の
ような知の淘汰で生き残るであろう、ビジョナリーたちの言葉の数々から、常に今
後の世界の動きを予見しようとしているのだと思うのです。
(そこには、「聞いて学ぶ能力」を重視し、個人より集団の方が優るとの考えか
ら、自分で決断を下さず、集団による決定を優先するGoogleのCEO、エリック・シ
ュミットの経営哲学が見え隠れしているような気がします…)

そして、今の梅田氏は、知の淘汰現象を俯瞰しながら、『プロフェッショナル』の
概念がどう移行していくのかを整理、思考を醸成している…そのような気がしてな
りません。


梅田氏が著作活動から少し離れ充電している…そこに沸々と湧き上がるエラン・ヴ
ィタールを感じている今日この頃。

充電している梅田氏の胎動を楽しみに待っていたいと思います…”umedamochio
のブックマーク“に息吹の方向性を感じとりながら。

Chabo!(チャボ)- 本で、もっと、世界にいいこと。