Progress

日々一歩ずつ前に進むために書き綴ろう…。自分の中のちょっとした変化を大切に…。

教師不信

2007-09-22 03:46:14 | 教育





三者懇談で同席していたお母さんが私にこう漏らしました。

「先生、正直に言うと、私は以前学校にある先生に対する抗議の電話を入れたこ
とがあるんです…。

それはその先生が私の息子はこういう人間だ…と決め付けて指導の言葉を投げ
かけたからです…。

教師は一度問題を起こすと、この生徒はこういう人間だ…とレッテルを貼った
上に、そのような角度からしかその子の言動を判断しなくなるものなんじゃな
いですか?」


私は、2年生から好転した今の学習・生活状況を素直に評価した上で、次のように
答えました。

「お母さんが教師に対して不信感を持たれるのはよく分かりますし、先ほど言わ
 れたことを経験されているならなおさらだと思います。
 
 私自身も中学時代に同じ経験をして、一時期教師不信になったこともあります。

 だからこそ、その子のあるがままを受けとめて、生徒の伸びゆく成長の芽を大
 切に育まなければならないと常に自分に言い聞かせていますし、そのことを私
 自身が忘れてしまったとき、私は教師を辞めるべきだと思っています…」

そんな私の言葉に、そのお母さんは理解を示してくださった様子でした…。(少なくとも言葉上は“先生だけは信頼する…”と言ってくださいました)


確かにそのように感じられても仕方がない一面が最近の教師実践の現実にはあると
思います。

それを謙虚に受け止めつつも、子どもの生育環境は学校だけでなく、ベースが家庭
環境にあるとすれば、学校と家庭がどれだけ信頼を深め、連携していけるかが大き
な鍵のような気がしてなりません。


昨日は,学校を辞めたいと言っていた一人の生徒と1ヶ月の話し合いの末, その子ど
もの心を氷解させ, なんとか学校に踏みとどまらせることができました。

学校選択はその子の人生ですから自由だと思いますが, 今, その子を手放すと今後
の人生に大きな影を落とすことは間違いない…と判断していたので, その子の気持
ちを汲み取りながらも学校に残す方向でずっと説得してきました。

ただ, そこで支えになったのは, 母親の学校に残したい…という強い思いだったの
は事実です。

根気よくその子の今後を考え、辞めることに頭を立てに振らなかった母親の意志は
大変だったと思いますが, そのことなしに彼女の気持ちを学校に向かせることはで
きなかったと断言できます。

そのような、1人の子どもの教育に対して, 学校と親が1つのベクトルの方向に進
む…それなくしては今後の子育ての未来はありません。

その意味で、どれだけ教師の信頼を回復し, 家庭とともに子どもの行く末を見守り
ながら育てられるかは, 現在の教育者に課せられた大きな宿題のような気がしてな
りません。

10 コメント

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Unknown ()
2007-09-22 10:49:11
教師不信だったおかあさんの心のわだかまりを何とかコロンさんの誠意で溶かせたこと、学校を辞めそうだった生徒の心を思いとどませたこと、本当に良かったですね。

2週間ぶりにprogressが動き出して、ほっとしました。
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菫さん (コロン)
2007-09-22 18:30:34
コメントありがとうございます。

Progressの記事を書いていた時期も含めて、夏休み明けのこの約1ヶ月の間、なかなか落ち着かなく、大変でした。

実際、今回の日記の内容のことだけでなく、連日連夜の学年に関する会議や前期期末試験とその処理、成績つけなど…ほんとに慌しい毎日でした。

今、やっと精神的にゆとりができてきたかな…といった感じですが、Progressの方は、頑張って書き続けていきたいと思います。

菫さんとも約束しましたしね…。これからもよろしくお願いします。
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おはようございます。 (とし)
2007-09-23 10:27:49
運動会あけの私です。ちょっとぐったり(笑)
こちら,しとしと雨で,昨日までの痛烈な陽射しをクールダウンの様相。
暑さも彼岸まで・・を実感する
彼岸の会の時節を向かえました。

こちらへのコメント,お忙しい中ありがとうございました。
「教師不信」は現場の私にとっても,
親としての私にとっても大きなものです。
そして,二人の子どもが2種の高校に行かせた親として,
「教師」に留まる問題ではないのかも・・と
痛感しているところです。
一つは,中学までの義務教育でないところでしょうか。
小中の校種の差にも触れなくではならないのですが,
論旨がぶれちゃいそうなので,あえて割愛させてください。

長男は公立校。次男は私立校。どちらも進学校だったのですが,
真っ向から教育方針の異なる学校運営でしたし,
その体制で教育に携わっている先生方の
教育システムもまるで異なるものでした。
でも,どちらの学校の先生方も素敵な
教育愛に満ちた方たちばかりでしたよ。

次男は私学。
進路指導の徹底指導下に置かれました。
そのシステムにどうしてもついていけませんでした。
担任の先生も,勿論親身になって下さいました。
でも次男の選択は,学校を変えることでした。
高校という,個々の進路選択にともなう視点が明確な校種だけに,
難しいところもおありでしょうね。
教師不信・あるいは学校運営に関する食い違いなど,
様々な要因を含んでくるでしょうし。

保護者さんからの「正直言って・・」のお話,
同僚として,対象の先生の「不信」を,どうカバーするか(決してかばうのではなく)
も問題になるでしょうし,
教師個人としての,教育スパン,教育に関するぶれることのない視座を呈することも大切でしょうし。

小学校だと,相談された同僚のことをまず理解して頂くこと,
子どもと保護者とその同僚との「信頼関係」を促進することからはじめるかも知れません。
組織での児童指導が,大きいポイントだからです。

ただ,言えることは,やはりコロンさんのような,
お相手の事をじっくり受け止め,真摯に対応されることが
本当に大切なのだと思いました。

次男の担任の先生,理系コースのばりばりの数学の教員でした。。
きっとコロンさん位の方だと思います。
実はこの春,小学校の講師という形で
職場を移られました。
私学の様々な運営方針,次男と一緒に見つめてくださった方でした。
今後も,次男とともに相談させて頂きたいと思っている
すばらしい先生のお一人です。

生徒にしろ,教員にしろ,
学校をやめる,やめないの問題ではなく,
ひとりの人間の生き方にも触れるところに
とても重たいものを感じています。

ながながとごめんなさいね。
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としさん、 (コロン)
2007-09-24 04:45:30
コメントありがとうございました。”ながながと…”なんてとんでもないですよ!!私の拙文に対し、誠実さが伝わるコメント、深謝です。

まずは運動会、お疲れ様です…。そういえばそのような季節ですね。

ところで、教師不信に関しては、としさんの言うとおり、さまざまな問題が複雑に絡みあっていることが多いですよね。

ただ、その人がどうしてそのような見方、考え方を持つように至ったのか…そこに寄り添いながら、誠意をもって理解を得ていくしかないのかもしれません。

実際、今回の場合は、学校教育の根幹であるクラス経営を揺るがす視点でもあるので…。

ただ、教師自身も現在の教育環境の変化や、現代社会のニーズに対応するための、学校自体の教育指針の方向転換などによって混乱していることは間違いないでしょう。

私もそのうちの1人なのですが…その中でも、教師としてのアイデンティティをしっかりと持ち続け、自分を保持する努力も必要なのかもしれません。

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出会って、関わって… (風待人)
2007-09-24 15:30:27
コロンさまやとしさまのお話を、伺って

教育現場にいらっしゃる先生方も、子どもたちもその親も・・・

いろいろなもの(価値観や人としての生き方や考え方や…
ほんとうに様々なもの)が絡み合うなかで

出会って、関わって…いるということをあらためて痛感しました。

コロンさまやとしさまのような先生方の真摯な取り組みやお気持を、
ぜひ、多くの保護者の方々にも、知っていただきたいなぁと思います。

もしよろしかったら、コロンさまのこの「教師不信」の記事を
LittleTreeのほうに、TBしていただけませんか?

できましたら、前々からお願いしようと思っておりましたが
ブックマークに、乗せてもいいでしょうか?

どうぞ、よろしくお願いいたします!!

(ところで…テンプレートも、とってもカワイイですね!)
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風待人さん、 (コロン)
2007-09-25 05:12:40
コメントありがとうございました。

そうですね…、教師や子ども、家族には確かにいろいろな出会いがあるのですが、その出会いと関係性を大切にできているかが今問われているのかもしれませんね…。

ところで、私のこの拙文でよければ是非TBさせていただきたいと思います。コメントを書き終わり次第、早速TBさせていただきますね。

またブックマークに載せてくださるなんて…光栄なことです。

励みにもなりますし…こちらこそ、どうぞこれからもよろしくお願いします。
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お忙しい週明けにもかわらず・・・ (風待人)
2007-09-25 07:26:17
早速、TBしていただいてありがとうございます!!

またあたらしい一週間が始まりますね~!!

今日は中秋の名月が、顔を見せてくれるでしょうか・・・

また、コロンさまのお話を楽しみにしております。
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風待人さん、 (コロン)
2007-09-25 16:44:07
改めてお越しいただき、またコメントまで残していただきありがとうございました。

そうですね…また新たな1週間が始まりますが、今週は3日間体育大会で次の日は前期終業式…と、比較的落ち着いて仕事ができそうです。

そういえば今日は中秋の名月ですね。

こちらは雨で、今は晴れ間がのぞき始めましたので、もしかしたら見れるかもしれませんがそちら横浜の方はどうなのでしょうか???

今日は月を愛でながら、みなさんのことを思い浮かべてみたい…そんな気分です(笑)

それから…さっそくブックマークのところに加えていただきありがとうございました。

これを励みにまたいろいろと思索しながら文章を書き綴っていきたいと思います。

風待人さんも精力的に動かれている様子なので、なにかとブログの記事を更新するのは大変かと思いますが、拝見するのを楽しみにしております。
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正直に言います… (プル)
2007-09-26 22:03:27
私も未だに教師不信です。

小学校時代に転校で学校を転々としてきたのですが、そのたびごとにイジメにあってきました。

未だに忘れません。
あの頃の私の担任はイジメの実態をあまり把握してなかったように思います…。
相談しても、あげくの果てには私が悪いかのような発言をしたり…とてもじゃないけど、相談なんかできないと思って全く信用してませんでした。
弱音を吐きたくなくて、親にも学校での事は言えず、三者懇で何も知らないくせに担任が親に向かって色々と喋ったのも許せなかったんです。
私の許可なしに勝手に喋ったっていうのと、その場で本当の事を喋りなさいと尋問する態度…本当に分かってないんだなって思いました。

私の頃はまだ、イジメという問題が自殺に繋がったり大沙汰になるる前だと思っているので、今の先生達はコロンさんの記事を読んで大変だと思いました。
コロンさんだけはこの記事を読んで、本当に生徒とそして生徒の親と向き合ってるのだと信用できました。

しかし、私の過去の出来事は一生消えません…。
私の担任もコロンさんみたいな先生が良かったです。
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プルさん、 (コロン)
2007-09-27 05:14:18
コメントありがとうございます。

教師不信を引きづったまま、今日まで生きている方というのは少なくないと思います。

私自身も中学時代はよくいじめられていましたし、担任はじめその他の教師は見て見ぬふりをしていたのは事実です。

その上、私がちょっと問題を起こすと、家庭訪問をして親の前で懇々と説教をする…そんなことがありました。

ですから私自身も教師に対してある意味不信感を持っていたのは事実です。

ただだからこそ、同じ思いを生徒にはさせたくないという思いもあります。

今の私にどれだけできるかは分かりませんが、頑張りたいと思います。
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