『案本』(山本高史)の中に、つぎのような一節があります。
(しかし)経験は、だれにでも黙っていても与えられるものではなかった。与
えられるものですらない。自分の意思で経験するのだ。ため込むのだ。実は経
験も能力だったのだ。
クリエーティブな仕事をしているからこそ分かる経験の重要性…彼の言葉には、
経験こそ創造性の糧であることが痛切に感じられます。
自分の中で経験知をどう編集していくのか…それは経験を構成する1つ1つの物
事を一定の論理パターンによってその他の関連性の持つものと同じグループとし
ようとすることを、無意識に行うことによってなされます。
そして、それを演繹的にピラミッド型にパターン化し、意味づけを行っていくの
です。
創造性は、そのような無意識な意味づけに支えられた経験と、今自分が直面して
いる問題との対比から生まれます。
実際、数学の問題を解くこともそうです。
数学の問題を解くことを構造的に見ると、問題文から未知数間の関連を想起し、
そこから過去に経験した関連した問題と対照、利用しながら解いていきますから、
そこではまさに自分の数学的知識との照射が行われているのです。
ですから、クリエイティブに創作するものは、すべて人生の経験に裏付けられて
いる…といっても過言ではないのかもしれません。
その意味で、人生におけるさまざまな経験(実体験や読書などの模擬経験なども
含む)をどう自分で全体を俯瞰しながら咀嚼し、分析、体系化していくのかが私
たちに問われてるのでしょう。
それが精緻にできて初めて創造性が発揮され、またその創造性も相手との共感を
生み出していくのだと思います。(相手への共感と理解無くして、オリジナル性
は生まれません!!)
そして、それは人生を前向きに生きる意欲によって支えられるのでしょう。
最後に、今回の私のエントリー記事に関連として、和田裕美さんのブログ
『和田裕美のわくわく営業セミナー秘密現場日記』飽きない私でいようと思う
に興味深いことが書かれているので是非読んでみてください。