青い鳥の世界へ

人として厳しい中で生きていかなければならない中、少しでも良い世界になったら。そして、より明るく、清らかに、暖かく。

模範的正直者

2012年08月29日 | 人生設計

今日のこちらの地方紙の新聞には、第1面の下段に、「越山若水」というコラム欄が毎日掲載されているが、今日の記事は次のような記事が掲載されていた。
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米国の心理学者が面白い実験を行った。…

(2012年8月29日午前7時11分)

 米国の心理学者が面白い実験を行った。年齢別の三つの集団においしい飲み物とまずい飲み物2種類を用意し、できるだけおいしそうに飲んでほしいと指示した▼そのビデオ映像を大人が観察し、「嘘(うそ)」を見抜けるか実験した。1年生の集団は真実を隠そうと努めたが、しかめ面で見破られた。7年生はかなり巧妙だった▼大学生になるとほぼ完璧な演技だった。まずいものを飲んでいるとは全く思えなかった。(「なぜ人は10分間に3回嘘をつくのか」R・フェルドマン著、講談社)▼この実験は子どもが年齢を重ねるにつれて嘘をつくのがうまくなることを証明している。「嘘をついてはいけません」「正直でありなさい」。多くの親が日ごろから繰り返し諭しているというのに…▼子どもは他人の行動をまねして発達する。彼らは大人がお世辞や大げさといった嘘をつくのを見て、それが社交上の利益をもたらし、駆け引きに使われることを学んでいる▼罪のない小さな嘘とはいえ、暗黙のうちに子どもに嘘を教える人々を同書は「模範的嘘つき」と呼んでいる。世間を見れば、この手の例は事欠かない▼大人の社会には「嘘も方便」「正直者は馬鹿(ばか)を見る」という言い方もある。しかし真実や正直に価値があることに変わりはない。子どもに「模範的嘘つき」が影響するなら「模範的正直者」もあり得る話である。

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ここで使われている「模範的嘘つき」とは、今日の大人たちの間では猛威をふるっている。
何せ国の首長たる首相からして、「政治生命をかける」と言いながら、ほかの大事な事には慣れ合いになって腰砕けになるとか、あるいは先延ばしにしているとか、「解散をそのうちする」と言いながら、その期日をはっきり示さないまま代表選後とか議員任期満丁までにとか、物事を先送りにし先延ばしにしてお茶を濁そうなどとしている。
こうした先頭に立たなければならないものが毅然としない、それは「嘘交じり、ごまかし交じり」にしているものだから、「東日本大震災」時の原発事故の折にしても、情報を正確に開示しないで「心配ない、安全だ」などとしていて、それが暴露されて大混乱を起こしたりする。

子供たちの世界においても、今問題になっている「いじめ」などでも、「虐めていない、虐めに参加していない」などとして言い逃れや責任逃れに終始していて、素直な態度を明らかにしようとはしない。これは「報復、復讐」を恐れるためだろうし、親たち大人からしてそうした態度を取ってしまっている。

「正直者は馬鹿」といった社会ではなく、そういった「正直者」を救い出す社会、「模範的正直者」の社会を築くことが、性急に求められる。

コメント
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