師走

もう何年の前のこと。
教会の青年と１００円ショップに出かけた。
するとそこに防水用の置時計があった。
浴室に置時計が欲しいなぁと思っていたが、
やっぱり１００円だからデザインがイマイチで、
買おうか買うまいか、しばし手に取り思案していた。

「あー風呂に時計が欲しいけどなぁ」
　と私がつぶやくと、
「何でですか～？」
　と一緒にいた青年が独特のイントネーションで尋ねた。
「何でって、時計があったら時間が分かるやん」
　と当たり前の返事をした。

何かじれったい会話だなぁと思っていると、彼はこう言葉を続けた。
「何でお風呂に入っている時も時間を気にするのですか？
　お風呂に入っている時ぐらい、
　時間のことを忘れたらいいじゃないですかー」

「あ、あー」と返事にならない返事をし、
その一言で浴室に時計を置くことをやめたのであった。

考えてみると、時間に合わせて私たちの生活があるのか、
生活のために時間があるのか。
どうやら時間が主体となり、時間に追われているように感じる。

師走に入り、またクリスマスを前にして、
何かとやらなければならないことが多く忙しくしている。
しかし「主の大庭にいる一日は千日にもまさる」と聖書にあるように、
主と共に歩み、生きていることを実感する、
そんな一日一日を過ごせていけたらと思う。