夜と霧

迷える子羊
ーこの場を借りて自分の考え方を確立したいと思っていますー

農業政策の難しさ。

2009-09-25 09:59:55 | Weblog
農業政策を国が行う農業政策にとどまらず、私達が農業に如何に向き合うかという広い意味で考える。
現在農業政策で支持されている主要な主張は「グローバリゼイションの中での国際競争力の強化、従って大規模粗放化」と言うことであろう。経営視点からする国際競争力のある農家である。
農業は、農家にとっては生活の手段である。だから農家の生活を考える。この故に今までの補助金があった。環境問題でもあろう。住みやすい国土、美しい景観、これらは田舎だけではなく、都市近郊でもあって欲しい。落ち着き伸びやかなご近所というものは国民の財産であろう。また水田の保水力などは災害に備える手段としても機能する。食糧の問題でもある。安全でおいしいものを食べるのは、身体に一番良いものを食べることは、私達の健康な生活に大いに役立つものであろう。
ところで、今顕彰される農家を見れば、経営規模を拡大する農家である。経営の視点でするサクセスストーリーである。宮崎のマンゴーのような贅沢品、贈答品、また一部地域に特化したスーパーで売られる野菜である。経営としての成功事例である。
これらの一部の例が、しかし、本当に私達の必要な農業なのか疑問である。農家の生活という点では、その条件を満たしている。産業としての農業が存続するという点で十分であろう。この為に、農林水産省や多くの有識者が大規模化や付加価値を上げることを唱道してきた。しかし、事はそれほど簡単なことではない。
ひとたび美しい国土に思いを致すとき、今の、本当の意味での最大多数の農家が普通に農業を出来るかが問われているのである。虫食いの農地では私達は困る。儲かるところ、金になる土地だけを耕すのでは困る。また私達の食と言うとき、私達は日常食べるものを考えている。いつも目にするこの国にあった作物が美味しく食べられること、これが実現可能かが私達の関心事である。
この国の土地を考えたとき、今のサクセスストーリーは、それを奨励する農業政策は、私達の必要とするところから乖離している。

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