前回に引き続き、中国サッカーに日本人が増えないワケを考えたいと思います。
昨日、何でタイは日本人選手がいっぱいいて、中国には居ないのですか?と聞かれたので。
タイには現在1部から3部までで60名の日本人プロ選手が在籍しているそうですが、
中国はわずか1名ですからね。
■外国人枠の制限
昨日書いたのですが、
中国の外国人枠は登録4名、出場3名。
ただしAFC(アジア・フットボール・アソシエイション)加盟国の選手は枠外に1名まで登録可能なので、の4+1。
日本人選手はこの枠に収まらないといけません。
■各国の代表級がひしめく中国リーグ
中国の外国人選手は豪華です。
今シーズン、
上海申花には
ギリシャ代表パパロータス、ザンビア代表スンズ、 オーストラリア代表ティムケーヒル。
▲ギリシャ代表パパロータス
▲ザンビア代表スンズ
▲オーストラリア代表ティム・ケーヒル
天津泰達には
イラン代表ポラリガンジ。
▲イラン代表ポラリガンジ
貴州人和には
スウェーデン代表Magnus Eriksson、ポーランド代表Krzysztof Mączyńskiが新加入。
▲スウェーデン代表Magnus Eriksson
▲ポーランド代表Krzysztof Mączyński
ブラジル代表のジエゴ・タルデッリが
山東魯能へ、
リカルド・グラールも
広州恒大へ電撃移籍。
▲日本でも話題になったブラジル代表リカルド・グラール。チャイナマネーすごすぎ
同じく広州には、
オーストリアのレッドブル・ザルツブルグから、U20ブラジル代表歴を持つアランも加入。
また、昨年山東に在籍していた
レバノン代表アンタルが
杭州緑城へ、レンタルで
北京国安に在籍していた
スウェーデン代表フェイズラフが完全移籍へ移行。
▲レバノン代表アンタル
昨年は
元イタリア代表アレッサンドロ・ディアマンティが
広州恒大に在籍、ワールドカップにも出場した
ボスニア代表ズヴェズダン・ミシモヴィッチは
貴州人和に在籍していました。
▲ボスニア・ヘルツェゴビナ代表ズヴェズダン・ミシモヴィッチ。彼は昨年中国で引退しました
日本の
FC東京にも在籍経験のある
韓国代表キム・ヨングオンも、前述の
広州でプレーして居ます。
▲日本でも活躍した韓国代表キムヨングオン
日本人選手が中国でプレーするには、これらの代表級外国人に割って入らないといけません。
■中国側が欲しい選手が居ない
タイやシンガポールなどで日本人選手は増えていますが、ピークを過ぎた選手や、日本ではプロになれなかった選手が、チャンスを求めて渡るケースがほとんど。
現役の有力選手がアジアでプレーしているケースはありません。
また、日本代表クラスの選手は欧州へ移籍しますので、残念ながら、中国側からすると外国人として獲得したいレベルの日本人選手はいない、ということにな ります。
代表級の日本人選手としては、過去に大黒将志選手(2013年杭州 27試合3ゴー ル)、巻誠一郎(2011年深圳 4試合0ゴール)の2名が中国でプレーしました。
残念ながら大きなインパクトを残すことはできませんでした。
■チャンスを求めるなら欧州へ
日本でプロになれなかった選手でも、海外で活躍すれば大成するチャンスはあります。
例えば、ルーマニアで花開いた瀬戸選手は良い例です。
欧州は国土がどこも小さいので、海外からの視察も多く、2部や3部でも活躍すれ ば隣国の1部へ移籍することも多分、比較的容易です。
中国の場合 は、やはり国 土が大きすぎるのこともあって、2部で活躍しても夢がないのかもしれません。
また、3部までいちおうプロ扱いですが、中国では欧州並 みにサッカーが根付い ている訳ではないので、2部や3部ですと環境がかなり悪いのだと思います。
■アジア枠は韓国人が便利
中国には朝鮮族といって、ほぼ韓国人と遜色ない韓国語を母語として話す少数民族がいます。
また、韓国のKリーグは年俸が安かったり、ドラフト制での選手獲得など、特殊なルールを敷いており、韓国人選手はチャンスを求めて海外移籍志向が強いといわれています。
通訳の問題も無く、安めに獲得できる韓国人選手は、中国クラブからすれば、ほしい存在です。
■オーストラリア人も便利
サッカーの世界ではオーストラリアもアジアとして扱います。
屈強な体躯を持つオーストラリア人も、強力な外国人FWと対峙しなければならな い中国リーグでは重宝される存在です。
■最後に
残念ながら、アジア枠でAFC圏内の選手を獲得する際、日本人はチョイスされないようです。
「中国の欲しい選手は取れないし、中国に行きたい選手はいらない」という構図が続いていることが日本人選手が増えない理由なのかなと考えています。
中国残留邦人の僕からすれば寂しいのですけどね。
さらにはタイやシンガポールのように沢山の日本人選手が在籍しているわけでもないので、情報もたまっていないのでしょう。
タイには日本人選手の エージェ ントを担う代理人業を営む会社などもあるようですが、たぶん中国には無いのでしょうね。
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